一年があっという間に過ぎ去ろうとしています。
時間の経つのが早く思えるのは老化が進んだ証拠とか。
言われなくても進んでますわいな。

それにしても、やる事の種類が多過ぎてトンチンカンをやる事が増えてきたのが辛い。
お客様に迷惑かける事多々あって、たまには取り返しのつかない事も。
一番酷いのは見積もりの項目抜け。
他の着物と混同、こんなに安かったかいなと思っても、思い出せずに見積もり、結構な金額を抜かしてしまう失敗も。
見積もりの変更を受けたお客さんは怒っているでしょうね。
しかし、元々ぎりぎりの価格で誂えを御受けしているので変更を認めてもらわないと即赤字。
多分、キャンセルでしょうね。
自分で蒔いた種、仕方ありません。

来年はもう少し落ちついて、ポカを減らしたいですね。
至誠通天と言ったって、こちらの勝手、相手には関係の無い事。
こちらの気持ちを理解せよなんて、良心の押しつけ程見苦しいものはありません。
焦らず、じっくりと積み残しが無いか、そう「脚下照顧」と言う良い言葉がありました。

焦らず、足下を見て、振り返りながら、落ちついて、ゆっくりと物事を進めたいと思います。
何時地が出てくるか分かりませんが。

十年以上前、京都の観光地でもある「新京極」を自転車で通りかかりました。
高島屋や四条のゑり善さんの展示着物を見学に行く為です。
そこには全国の各地から修学旅行で京都に来ていた高校生らしき人達で溢れていました。
あちこちに跋扈する高校生を見てこの子達が大人になる頃日本は消滅するだろうと思ってしまいました。

大分前なのでどんな仕草がそう思わせたか憶えていないのですが、確かにそう確信した事は間違いありません。
それ以来、怒るべきときは怒る様にしようと思った事も確かです。

その後間もなく、車を運転していると前を歩いていた子供が歩きながらいじめられていました。
中学生か高校生だと思います。
いじめられている子が自分の子と重なって思わず窓を開け、「こら!お前ぶっ殺すぞ!」と怒鳴っていました。
いじめっ子の方はいかにも悪といった顔つきでしたが、驚いていじめをその時は止めました。
その後は知る由もありませんが。

今でも各地でいじめは続いています。
世間を騒がせた大津のいじめは最悪、悪い事をしたと思っていないのですから。
親にしても子供をかばうだけ、一緒にいじめを否定しています。
有力者だそうですが、その力に負けた学校当局もみじめでした。

そんな悪い印象しか持たなかった若い世代ですが、震災以来その美点を目にする事が増えました。
震災は多くの人の命を奪い、避難所暮らしを続けさせる事態を生んでしまいました。
その上、放射能の恐ろしさを見せつけ、どうしようもない悲劇は起こるものだと認識させてくれました。
その悲惨さは日本人に良い根を植え付けたのかも知れません。
ボランティアを続ける若者も居ます。
そして今日、フィギアスケートを見ていて感じたのは先のオリンピックで感じたのと同じ事。
敵であるべき競技者仲間でいたわりの気持ちを持っている事の驚きです。

先ず、他の国では考えられない事だと思います。
高橋選手は三人揃って世界選手権に出ようと日の丸にサインをしていました。
素晴らしいですね。
この歳になって次代を背負うべき若者が信頼に足ると思えた事の幸せはなにものにも代え難い喜び。
ほんの少しずつしか成長していない息子にそのイメージを重ね、何時か大きく育ってくれる事を願うばかりです。
現在の小選挙区比例並立制を我国に成立させた張本人は小沢一郎氏。
簡単なブームで当選者の数が極端に偏ってしまう制度です。
安定政権を得る為の一番いい方法として決めてしまいましたね。
その二つの大きな特徴が小選挙区制。
今回の選挙でその諸刃の剣の影響をまともに受けたのが小沢チルドレン。
まともな政治的能力の欠如が明白であった為、一番にふるい落とされた様です。
その意味では国民の目は確かです。

前回の投票でも4割の得票率を得た民主党が7割の国会の議席を確保しました。
今回は自民党が同じ事をやっています。
これが民主主義でしょうか?
絶対間違い!

4割の得票率なら4割の議席確保でなければ民主主義とは言えないのは明白。
人一人の意志が一億二千万分の一として尊厳を持って保証されるのが民主主義です。
実際の選挙の方法論上多少の差異があっても限りなく一票の格差を無くすべき。

憲法上の論理からするとこの選挙は無効となります。
地域割りに寄る一票の格差を最高裁の評決にも拘らず是正していないのですから。
国会議員の怠慢は極まりながらも、国民は不平の声も立てていません。
こんな大人しい国民が世界に居るでしょうか?

民主党に辟易した国民の選択は間違いないと思います。
前回も自民党に辟易して民主党に投票したのですから。
しかし、得票率に対する議席の数配分はどう考えても理不尽。
元々、考え方はどちらかと言えば自民党に近いのでこの圧勝を祝福すべきですが、国民の意思をまともに反映していない制度は大きく変えるべきだと思わざるを得ません。

小選挙区制を作った小沢さんがその小選挙区制でこてんぱんにやられたのは世紀の皮肉ですが、中選挙区制に戻すのが急務と思われる選挙でした。
濃い地色の着物では何も問題ありません。
問題は薄い地色。

最近は額縁ぼかしの八掛をされる方がめっきり減りました。
ださいと感じるのが一番の原因の様ですが、都市部以外ではまだぼかしの八掛が主流という所もあります。
お嬢様のクリーム地の着物に赤い額縁ぼかしの八掛を付けるのは当り前でしたが、着用時に八掛の色が丸見えも当り前でした。
そんな中で共色の無地を付けられるのが増えたのだと思います。
最近では額縁ぼかしの誂えを依頼出来る所も少なくなった様で、職人さんの激減も影響しています。

無地の八掛が増えたのは良いのですが、問題は胴裏が白だという事。
薄い地色では帯から少し下がったところに胴裏と八掛の継ぎ目が見えてしまいます。

工房が依頼している仕立のスタッフの中には御皇室の着物を沢山仕立てた方も居られます。
その方のお話に寄ると皇后陛下の着物では、八掛を着物の揚げの部分まで長く取って居られるそうです。
そうすれば繋ぎ目は帯の下に隠れ、帯の下の方に微かに見える八掛と胴裏の継ぎ目が分からなくなります。
胴裏の生地を減らすのでコスト的には少しの加算で済みます。
工房でもまだお客様に勧めた事が無いのですが、これからは一つの案として提案したいと思います。

それでも着物の上部は仕立の折返しと胴裏の白の差で色が違って見える事が多くあります。
これを避ける為の方法が二つあります。
胴裏の染と通し裏です。
着物を着用された時、袖口からちらっと見える白は綺麗なものですが、胴裏を共色に染めておけば折返しとの色差が表に出る事は殆どありません。
プラス胴裏の染代で解消されます。
もう一つの通し裏は八掛と胴裏分を同じ胴裏生地を使って表と同色、或はお洒落な色に染めるものです。
胴裏生地は通常八掛に使われる生地より薄めなので、最高級の胴裏とは言えど、すり切れる割合は多め。
同じ着物を多用される方には不向きです。
京都の伊勢丹では9割以上のお客様がこの通し裏にされるそうです。

長八掛に色胴裏、通し裏で薄めの地色対策を考えられれば如何でしょうか?
先日このブログで彩色している所をご覧頂きましたが、今回は同じお客様からの追加の注文。
前回の貝桶をいたく気に入って頂き直ぐに別の柄を注文頂きました。

配色もお客様のお好みに合わせた京友禅の王道をいくもの。
問屋のお得意先からは絶対に来ない配色の注文です。
千総さんなど京友禅を代表する色合いなので、競合を避ける為というのが一番の原因かも知れません。

柄は「誰が袖」それに吹き寄せ風に花を散らしています。
染屋の独り言Ⅱ-誰が袖彩色
生地の端から端まで柄があるので彩色だけでも数日かかります。
この反物は彩色が終わってこれから金糸目の仕上げに掛かる所、八掛も地色を共薄にして作ってあります。