あさひのブログ -71ページ目
「鬼が来た!」「さらば復讐の狼たちよ」のチァン・ウェン(姜文)監督最新作。

「弾丸と共に去りぬ-暗黒街の逃亡者-」(2014年 原題「一歩之遙/Gone With The Bullets」 監督/姜文 主演/姜文)
118分
弾丸と共に去りぬ – 暗黒街の逃亡者- [DVD]/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

¥4,104
Amazon.co.jp

原題の「一歩之遙」は距離的にほんのちょっとという意味だと思う。ほんのささいなことで人生が狂ってしまった、あるいは他人の人生を狂わせてしまったという意味合いか。残念ながら邦題は映画の中身見てないな、英題とポスターだけ見て考えたんだなって感じ。マフィアものでは一切ありません、暗黒街なんて出てこないから!

――清帝国から中華民国になってまだ間もない頃。ウー将軍の七番目の息子・ウーチー(武七)はイタリア女の気を引きたいがために父の目を盗んで軍事費を横領する。そして知人に紹介されたマー・ゾウリー(馬走日)に資金洗浄を依頼。マーは友人のシャン・フェイティエン(項飛田)と共に世界一の美女コンテストを企画、そこに友人の娼婦ワンイェン・イン(完顔英)を出場させ出来レースを仕組む――

[ここからネタバレ------
コンテストは計画通りワンイェンが優勝し資金洗浄も果たす。
マーはワンイェンが世界中の男からちやほやされて女王気取りになってるのを見て誰のおかげで…と腹を立てるが、その一方でワンイェンとは体の関係を持っても結婚は頑なに拒否していた。いい加減にマーと結婚したいワンイェンはある日銃を突きつけて結婚を迫るが、マーは絶対にうんとは言わない。ついにワンイェンは引き鉄を引く…が、タマが入ってない。入ってたら今頃死んでたなと二人で大笑いする。まぁそれはタマタマだったのだが…。そして二人でアヘンをキメて夜の街へドライブに。おおはしゃぎで空に浮かぶ大きな月までレッツゴー!
・・・翌朝マーが草むらで目を覚ますと、傍らには大破した車、そして冷たくなったワンイェンが横たわっていた。

気が動転したマーは慌ててその場を逃げ去る。そして小学校時代の担任で今はウー将軍の妻となっているチン先生を頼って将軍の家を訪れる。チン先生の娘で将軍の六番目の子・ウーリウ(武六)は賢く美しい女性で昔一緒にリゾートへ行った仲でもある。ウーリウの口添えもあってチン先生に面会したマーだが、なかなか事情を話せる状態ではない。
トイレへ行ったマーは隣接する厩舎で友人のシャンが馬具をつけられ拘束されているのを発見する。シャンは将軍の女に手を出して捕まったらしい…。
招待されたディナーの場で、マーは将軍をうまく言いくるめてシャンを救い出した。結局ワン・ワンイェンが死んでしまった事故について何も言えなかった。その表情を見てウーリウはマーが何か心配事があるのでは?と問うが、マーは何でもないと言って去っていくのだった。

その後、いち警官だったシャンは次々と凶悪事件の犯人を逮捕し昇格、今や有名な警視となった。一方でマーは逃亡の身。とある博覧会で「マー・ゾウリーがワンイェン・インを殺した物語」を面白おかしく演じている芝居を観たマーは激昂してその俳優に殴りかかる。そして居合わせた警官に逮捕された。
そしてウーリウは、趣味の動画撮影を今ひとつの作品として完成させようとしていた。それは「シャン・フェイティエンがマー・ゾウリーを処刑する」というタイトル。マーとシャンが開催した美女コンテスト、感情のもつれからワンイェン・インを殺したマー、正義のためにかつての友を処刑する英雄シャンという筋書きだ。映像はマーがワンイェンを殺すシーンだけが足りない。ウーリウは本物のマーに演じさせようと考え、うまく演じたらこっそり釈放するといいくるめてマーをスタジオへ連れて来る。ワンイェンを大きなナタでぶったぎるという芝居を強要されたマーは暴れ倒しスタジオは大混乱に。マーは自分はワンイェンを殺してはいない、気づいたら死んでたんだと涙を流し叫ぶ。かつてシャンを助け出したのを見ていたウーリウは彼の言うことが本当かもしれないと考え始める。

ウーリウは父にねだってマーの身柄を軍部へ移す。そして父の結婚式のどさくさにまぎれてマーを牢から救出し車で逃走。すぐに追っ手がやってくるが双方銃やマシンガンを持ち出しての撃ち合いとなる。負傷したマーは丘に建つ風車へ逃げ込む。これ以上ウーリウに迷惑はかけられないと、マーは彼女を殴って気絶させ、風車の二階へ出た。
周囲は将軍らに取り囲まれている。それは美女コンテストに集まった観客らを前にしているような光景だ。そしてマーは銃で撃たれ二階から落下…その直後目を覚ましたウーリウが駆け付けるが彼の姿はもうそこにはなかった。(終)
-----ここまで]

むむぅ・・・これは・・・。
少なくとも日本ではエンタメとしては失格だろう。最初の30分でストーリーのない駄作として切り捨てられそう。序盤のミスコンのシーンが長すぎるんだよ、物語が本格的に始動するのが1時間経ってからというのがちょっと遅すぎる。

これはコメディといっていいのかどうか…まるでミュージカルでも見てるようなテンポの良さで進んでいくけど、撮り方や画面演出・構成がどれが現実でどれが夢?お芝居?というようなメタっぽさで、一体どこに着地するのだろうかとミステリの謎を提示されてるような興味深さが最後まで。姜文作品の「どこかしらユルい部分」をかき集めたような、笑いを客観的に眺めてるような世界。所々にパロディ的なネタとか仕込んでて面白いしやっぱりコメディかなと思わせる楽しさが万遍なくあるけど、見終えてスッキリはしない。虚構の笑いと言うのかなぁ・・・から騒ぎの後に残る虚無感というのか。

本作品は、中国初の長編映画が誕生したエピソードを描いたものらしい。この中国初の映画は実際に起こった殺人事件を元に作られたみたいだけど…どこまで本当なのかはナゾ。
主人公の馬走日は英雄でも悪党でもなんでもないし、カッコ良くないいろいろと中途半端なダメ男。その男が特に活躍もしない、そして「映画みたいな結末」も待ってない、淡々と待ち構える現実に流され飲み込まれてしまうという物語を、コメディぽい笑いや虚構感たっぷりのきらびやかさ華やかさで彩っているだけというのか。
そんな物語とも言えない物語で何が言いたかったのかというと、世の人々が期待するようなわくわくするような物語、熱狂させるドラマティックな展開は現実には起こり得ないってことじゃなかろうか。人を熱狂させるものは自然に発生するのではなく人の手で創られているものだと。そしてそれはしばしば残虐であったり悪趣味であったり不幸なことをも含み、それを人は喜び求めていると…。
おおげさなことを私たちは笑うし、ユーモアとはフィクション、つくりもの。でも現実は実際にはさほど笑えるものではない。

主人公の心情があいまいに描かれている故に、作品の本質をいろいろ探ってしまう玄人向けな、アーティスティックな映画。とかく構成が、どっちかいうと若手監督にありそうというのか、斬新。すごく好み分かれそう。
でも姜文ファンにはもちろんおすすめだし、スー・チー(舒淇)、ウェン・ジャン(文章)もいい芝居!でも名優グォ・ヨウ(葛優)は主役格に名前を連ねてる割には出番少なくて残念。マーを演じる俳優役のワン・チーウェン(王志文)は絶対どこかで見た事ある!って思ったら「北京バイオリン」の奇人先生かぁ。


TSUTAYA DISCAS
28勝20敗4引分け。
新华网(新華社通信HP)の掲載記事。
先日台湾で起こった鉄道の爆発事故の続報です。日本では報道されてませんが容疑者が捕まったようでテロではありませんでした。

中国現代語に親しむための翻訳練習です。
雰囲気重視の意訳です。間違いは多々あるかと思います。




『台北の爆破事件容疑者の遺書が見つかる-癌で長年の闘病生活に生きていくのが嫌になった』

台湾「中時電子報」7月8日の報道によると、事件当日台湾の南投仁愛区で発見された台鉄爆破犯・林英昌容疑者のミニバンから遺書が見つかった。長年扁桃腺癌を患って来た林英昌容疑者は遺書の中で、病気で生きていくのが嫌になった、後の事はまかせると書いていた。
このほか、警察は爆発物(を作るための)工具のようなものも発見、林英昌容疑者が南投から台中へ着くまでに、犯行に用いられた赤色のザックを背負っている姿が監視カメラに映っていることから、林英昌容疑者が単独で行ったものと断定した。
台湾中央社の報道によると、この台湾台鉄列車で7日夜に発生した爆破事件で、25人が重軽傷を負った。負責偵辦(警察の部署っぽい。鑑識?)重大事件班は8日、残された証拠から55歳の負傷者の林英昌を疑い、当時爆破物に近い所にあった指紋が初めから彼のものと合致していたため、この林という男がおそらく事件に関わっているだろうと判定していた。
美術館のついでに裏手にある動物園にも行ってきました。

私が小さい頃は「岡崎動物園」と呼んでいたのですが本当は「京都市動物園」なんですね…。
今年リニューアルしたばかりだそうで、歩道や一部の設備はとってもきれいに整備されてました。そして人がほとんどいない…(^_^;)
こぢんまりとしていて動物もまぁ動物園にはいて当たり前みたいなスタンダードなものと、日本に生息する身近な生き物に絞って展示。なので「フツー感」がこれでもかと。特に目新しいものはいません。


動物をより身近に観ることができるようにと、金網を廃してアクリル壁を設置してるところが多いのですが、アクリルはすぐに汚れて白くなるし反射するからカメラ泣かせ(´□`。)


金網だとAFでは中身よりも外身を撮ってしまうのでこれまたカメラ泣かせ。いやマニュアルで合わせればいいんだけど暑くてそれどころじゃなくって…(当日気温34度)




金網の一本一本がくっきりはっきり写ってて美しいですね!(´д`lll)

まーあなんせ暑くて動物たちもグッタリ。類人猿舎とかは一部金網だけどほぼアクリルで覆われててこれ風も通らないし相当暑いだろうなと気の毒でした。
写真には撮ってないけど正面入口近くにある展示施設の剥製の数々が結構すごいです。ゴリラの剥製って貴重すぎる。

こちらでそこそこピントの合った写真18枚を公開。使用カメラはNikon J2。全てAF。トリミング、サイズ縮小で一部加工してます。


京都市動物園
岡崎公園内。地下鉄蹴上駅から、もしくは市バスにて。
京都市美術館のダリ展へ行ってきました!

とろけた時計の絵でおなじみのダリですね。まぁ今回は時計をモチーフにした作品はごくわずかでしたが。(※ちなみに代表作の「記憶の固執」は今回は来てません。)

10年ぶりの本格的な回顧展ということで、初期作品から晩年の作品まで順に展示。
あのシュールでグロテスクで虫!!なイメージが強いダリが、こんな様々なタッチの絵を描いてたんだ、と驚きでした。(虫ほとんどありませんでした。虫嫌いに朗報!)
初期は解説にもあるようにピカソの影響を受けた画面やタッチで、影響受けるっていうかもろピカソだったりw、エッシャーのメタモルフォーゼ的な作品があったり、写真のコラージュ作品なんてのも作ってたり、最後にプロジェクタで放映されていたアニメーションはまったくもって現代作品のそれ。(これは原作がダリで、ディズニーが2003年に完成させたそうなので実際現代作品ではあるけど。)

とはいえやはり注目を集めるのはシュールで溶けてて思考がバクハツしちゃってるような不可思議な作品。私はシュールレアリスムはグロテスク(リアリズム)とユーモア(フィクションもしくはファンタジー)のバランスで成り立ってると考えてるのですが、ダリはグロテスクさが強くて、なんかパッと見た時にあまり気分が良くない…。各所に取り入れられているモチーフがなまじはっきりと象られてるだけに直接的に入って来やすくて。
ユーモアやシニカルさが表面に出てる作品もあるにはあったけど、やっぱりグロテクスさが強いなぁと。絵画がただそこに存在するだけではなくそのものが訴えかける力が強すぎる、攻撃的、挑戦的で主張が強すぎる。ダリは自分の絵(表現)の力の大きさを自覚していてそれを用いて世界を変化させようというような強い野望と方向性を持ってたんじゃないかと感じました。好きずきあると思うけど私はやっぱりちょっと…な感じ。

そんな中私が特に素晴らしかったと感じたのはドン・キホーテの挿絵シリーズ。力強い筆のタッチ、しぶきを利用した表現は現代のイラストレーターのよう。これがダリって言われてもまったくピンと来ない。けど好きだなぁ。

どうでもいいところだけどカンバスではなく紙や板に描いてる作品がやけに多かったなという印象。紙に描くって珍しくない?


ダリ展
7/1(金)-9/4(日) 京都市美術館
9/14(水)-12/12(月) 国立新美術館

京都市美術館
ついで借りの一枚。コメディなら間違いなかろうと。

「カンフーダンク!」(2008年 原題「大灌籃」 監督/チュウ・イェンピン 主演/ジェイ・チョウ」
100分
カンフー・ダンク! スタンダード・エディション [DVD]/角川エンタテインメント

¥3,990
Amazon.co.jp

――みなしごのシージエはさるカンフーの達人に拾われカンフー学校で育てられた。だが育ての親の師匠はある大技の修業中に命を落とす。
そして十数年の時が経った。カンフー学校の校長はカンフーのできない金の亡者に代わり、辟易としていたシージエはある日校長の機嫌をそこねて宿舎を締め出されてしまった。公園のベンチで一晩を過ごそうとしていたシージエにメガネのおやじが近づいてくる。シージエが先ほどから空き缶を拾って遠くのゴミ箱へ百発百中で投げ入れるのを見て気になったようだ。おやじはコインを渡し、これを離れたところに立つ自分の口の中に放りこんだらメシをおごってやると言い、シージエは見事一発でコインを投げ入れ、ご馳走してもらうことになった。――

[ここからネタバレ------
メガネのおやじはリーと名乗る。リーさんがシージエを連れてやって来たのは高級フランス料理店だ。リーさんはその店の裏口へ回る。裏口から出て来たのは彼とそっくりな料理人、ここで働く自分の娘だという。こうして度々レストランの料理の残りものをいただいてるらしい。
裏口でささやかなディナーを楽しむ二人。そしてリーさんはシージエの投擲の能力を生かし自分と組んで大儲けしようと誘う。

最初はとあるクラブのダーツ勝負で大儲けするがヤクザに睨まれ取り囲まれてしまう。が、シージエはカンフーで全員叩きのめしてしまった。するとヤクザは上から手を回してカンフー学校の校長を買収しシージエを散々痛めつけて退学処分にさせる。
リーさんは今度はバスケでひと儲けしようと提案。シージエは街でいつも見かける第一大学バスケ部の女子マネジャーに好意を抱いてたため承諾。リーさんは早速第一大学の校長に売り込みに行き「天才バスケ王子現る!有名になって生き別れた両親を探したい」というキャッチフレーズでマスコミに大々的に発表して編入させる。

第一大学バスケ部には既に二大スーパースターがいた。キャプテンのディンウェイ、ダンクの達人シャオラン。この二人から百発百中のロングシュートは認められたものの基本がなってないなど欠点も指摘され、マネジャーのリリーの気を引きたいシージエは練習を重ねる。

トーナメントを勝ち抜き、いよいよ次は決勝戦、悪評高い火球隊と対決だ。実は火球隊のキャプテン・リーティエンは元第一大学のキャプテンだったのだが、ディンウェイやシャオランの能力に嫉妬してチームを裏切り退学したのだった。その男がシージエとリーさんに恨みをもつヤクザを組んで第一大学をギタギタに叩きのめそうと舌なめずりして待っているのだった…。

試合が始まり早々にチーム火球の反則技でディンウェイとシャオランは負傷してしまう。大差をつけられ残り時間もないという時、突然停電になり、試合は中止となった。
リーさんは再試合にシージエのカンフー学校時代の四人の師匠に協力を依頼する。試合開始。四人の師匠は殴りかかって来る火球隊のメンバーをカンフーで次々と撃退するが、当然のごとく退場処分になる。結局試合は手や足を負傷しているディンウェイやシャオランが出て来てリーティエンはほくそ笑むが、どうしたことが二人は怪我の様子が一切ない。実はシージエの師匠による鍼で怪我が治ったのだ!エースの活躍で試合は接戦が続く。
火球隊が1点リードで残り時間3秒、ディンウェイは最後のシュートチャンスをシージエに託す。シージエは百発百中のロングシュートを投げる。ボールはゴールに吸い込まれる・・・はずが、誰が予想しただろうか!いきなり審判が駆け出しネットに吸い込まれようとするボールを下から弾き出した!!
チームメンバーは皆唖然とし、客席からは大ブーイングが巻き起こる。
審判はすでにヤクザに買収されていたのだ。審判は資格はく奪処分になったが試合自体はそのまま時間切れで火球隊の勝利となってしまった。勝利に沸き返る火球隊のサポーター達。紙吹雪が舞う・・・その光景にシージエは幼い頃育ての親である師匠が修業していた技を思い出す、それは万物の動きを止め時すら遡るという秘伝の技。この秘技で試合終了3秒前にさかのぼったシージエはディンウェイから受け取ったパスからロングシュート、ではなくフェイントのロングパスを放つ。そしてそれをディンウェイがダンクで決めた!第一大学が逆転勝利した!
シージエは、バスケに必要なのは百発百中のロングシュートでもかっこいいダンクシュートでもなく、チームワークなのだと実感するのだった。

試合後、なんとシージエの父が大富豪ワン氏だったことが判明。ワン氏が極貧の時代、借金取りから命をも狙われ、息子を救うためやむなくホームレスに託したらしい。シージエが本当の親元へ帰っていき、リーさんは心から喜び、そして自分とは遠くかけ離れた世界へ行ってしまったことが寂しくもあるのだった。
そんなある夜リーさんはまた娘のレストランの裏口で残りもののワインを飲んでいた。そこへやってきたのはシージエ。実親の跡は継がずまたリーさんと組んでバスケをしたいと言う彼に、リーさんはこれからはバスケじゃなくオリンピックだ、陸上でも何でもお前はトップになれるぞ!と笑うのだった。(終)
-----ここまで]

チャウ・シンチーの「少林サッカー」の二番煎じみたいなのを想像してたしそういう気持ちで臨んでたら意外や意外、毛色が全然違う。たしかにブッ飛びなコメディー部分が目立つけどゲラゲラ笑い転げる系統ではなく、なんかこうスカッといい気分になる、スッキリする笑い。

この映画は一言でいうと「カジュアル」。小気味良くて笑えてちょっとウルッとも来て、コメディだけど青春映画的なサワヤカさが広がっている。主人公のシージエは地味で寡黙な一見どこにでもいそうなパッとしない子。チームメイトのディンウェイやシャオランは典型的な学校のスターで、彼らにいじめられても屈することなく努力し成長していくみたいな話になるかと思ったらそんなことは全くなく、互いに能力を認め合ってチームが勝つために心通わせていくという良い人ばかり。さらに言えば(若干ネタバレ)リーさんが、こういうノリの話だと主人公を騙して大儲けする強欲じじいみたいな立ち位置になりそうなのに、そうはならない所がとっても小憎い!良い人が本当にみんな良い人なのね。

前半のCOOLなヒップホップに乗せてカッコ良く魅せることを重視したカンフーアクション、香港映画の流れをくむド派手な壊しもの。でもそれよりも後半バスケの試合の、現実にあったらスゴすぎる、うまく決まったらカッコ良すぎなスーパープレイの数々!ロングシュートや力強いダンクシュートといったソロプレイに頼りきりではなく、やっぱりフェイント、パス、シュートという流れ、トリッキーでめぐるましいコンビネーションプレイがたまらなく爽快、バスケの魅力をとても短い時間でだけど上手に見せている。

ただ友情、信頼、恋愛、親子の愛情…といろんなものを詰め込んでて詰め込みすぎでちょっとまとまらない印象は否めない。各々はちゃんとオチがついてるけど全体的なテーマが見えにくくなってしまってる。「大灌籃(すごいダンク)」というタイトルをつけてるからにはバスケ部分がメインテーマなんだろうけど、カンフー部分も結構長かったし結局一番言いたかったことはどれ?って感じが。

主演のジェイ・チョウ(周傑倫)は台湾スターらしい。顔はそんなパッとしない(そういう役だからってのもある)けど、アクションはすごくキマッてるし、お芝居もちょっとした表情がやたら印象に残る(そういう役だからってのもある)し、たぶんアイドルではないだろうけど確かにカッコ良かったわ。
ディンウェイ、シャオラン、リーティエンを演じるのはもうモデルです!って絵に描いたようなイケメン。ヒロインのリリーはアイドル的な芝居の素人臭さは鼻につくけどかわいいことはかわいい。
気軽に観るのにピッタリの映画。デートにどうぞ。


TSUTAYA DISCAS
27勝20敗4引分け。