昨年夏公開で大ヒットし話題になった3Dアニメ映画。来春日本でも公開されることになったようですが、ひと足先に原語で観てみました。
「(西遊記之)大聖帰来」(2015年 邦題「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」 監督/田暁鵬)
89分

※日本語版は2017年春公開予定。
字幕は中国語(簡体字)と英語の併記で、そもそも子供映画なので台詞も少なく、字幕読まなくても話は大体わかります。
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むかしむかし、孫悟空というとても強いお猿さんがいました。孫悟空は斉天大聖(天を支配する聖なる王)を名乗り、天帝に戦いを挑み、天界の将軍たちを片っ端からやっつけていきました。でもそんな孫悟空もお釈迦さまにはかなわず、天界を騒がせた罰として石に封じ込められてしまいました・・・。そんな孫悟空の話が大好きな赤ん坊がいた。だが父母らと山を越える道中で山妖(山の妖怪)に襲われ、逃げ場を失った母は幼子と共に谷底へ身を投げた。
旅の托鉢僧の法明は川の上流から赤ん坊が流されてきたのを拾う。その赤ん坊はお守りのように孫悟空の人形を握りしめていた――
[ここからネタバレ------
そして幾年かが経ち、赤ん坊はチャン・リゥアル(江流児)と名付けられ法明の弟子として共に旅を続けていた。だが幼くやんちゃな流児はお経を唱えたり座禅を組んだりが苦手で、孫悟空のような強い力を身に着けたいと元気いっぱい。
ある日滞在していた村を山妖の群れが襲う。山妖は幼い赤ん坊ばかりを狙って暴れ回る。山妖に攫われそうになった女の赤ちゃんを助けた流児は山妖に追いかけられ山の洞窟へ逃げ込む。そこで偶然にも封印を解いてしまい、長年石に閉じ込められていた孫悟空が復活した。孫悟空は追いかけてきた山妖を追い払ってくれたが、右手にはめられた腕輪がまだ彼の力の一部を封じているようだ。腕輪を壊そうと試みるがどうやっても外れない。いら立った孫悟空は飛び出していった。
あの憧れの斉天大聖が本当にいた!流児は嬉しくなって彼の後を追いかける。赤ちゃんをお家へ返して師匠の元に戻るために力を貸してほしいと頼むが、孫悟空は俺には関係ないとつれない。
道中立ち寄った寺で銅像が突然動き出し流児に襲い掛かる。豚のような巨大な妖怪が化けていたのだ!孫悟空は妖怪をたたきのめして流児を助けてやるが、実はこの妖怪はかつて天界での戦いで孫悟空にやられ天から突き落とされて地上の豚に転生してしまった天将なのだった。孫悟空は幼い流児が危機に遭いながらも赤ん坊を助けようと必死になってる姿を見て、ついに彼を手助けしてやることにした。豚の妖怪…猪八戒も、相手がホンモノの孫悟空だと知って恐れつつも、なんだかんだで二人の後をついてきた。
山妖たちのボス・混沌は、来たるべき皆既日食での儀式のために生贄の赤ん坊を集めているのだった。孫悟空が現れたとの報告に、混沌は二匹の山妖を人間の姿に変えて彼らを待ち構える。
山妖が化けた人間の宿を訪れた流児らは夜中に山妖の群れに取り囲まれ、孫悟空が善戦するも赤ちゃんを奪われてしまった。赤ちゃんを助けに行かなきゃと言う流児だが、孫悟空は混沌との圧倒的な力の差に諦めるしかないと言う。流児は一人でも助けに行くと言って飛び出していった。
山妖の住む山へやって来た流児はそのアジトに忍び込むが、すぐに見つかってしまった。危機を救ってくれたのは、生き別れになってた師匠・法明だった!
アジトには沢山の赤ん坊がツタの籠に閉じ込められており、その下には灼熱の火釜がぼこぼこと泡を立てている。流児と法明は山妖に追いかけられツタの籠につかまり、衝撃で籠は切れて外へ転がり出ていった。
混沌は儀式を邪魔立てする流児を捕まえ殺そうとする。が、水龍が現れ流児を救い、そして孫悟空と猪八戒もやってきた。孫悟空と混沌の戦い。激しい戦闘の末混沌は崖下へ転落していった。だがその時日食が起こり、不穏な風と共におそろしい化け物…混沌の正体である大口虫が姿を現わした!
大口虫が孫悟空を追い詰める。流児は赤ん坊たちを師匠に任せて一人孫悟空を助けに走る。孫悟空がはやく逃げろというにも関わらず大口虫の注意を引き付ける。怒った大口虫は岩山を破壊しながら流児に襲い掛かった。孫悟空がすぐにかけつけるが一歩遅く、流児は岩礫の下敷きとなってしまった。それを見た孫悟空の怒りと悲しみが彼の真なる力を引き出す…腕輪の封印をも押しのけかつての力をすべて取り戻した彼は、天をもしのぐ力で大口虫を粉砕した。
やっとすべて終わった。その時「大聖!」と聞き慣れた声がして振り向くとそこには…(終)
※エンディング・スタッフロール時の背景で、流児が大怪我をしたものの生きていて、法明と共に孫悟空の筋斗雲に乗って赤ん坊たちを親の元へ返していくという様子が描かれている。-----ここまで]
おおおおーー感動!!ヽ(*'0'*)ツ
おもしろかったー!わかりやすい笑いに満ちててトントン拍子という表現がピッタリとくる、息をつかせないテンポで最初から最後まで突き進んでく、楽しいアクションヒーローもの!!そして泣ける!!これは子供に見せたい。
生身の人間ではできないことを、アニメだからできる、そういう"意味ある"アクションシーンの数々。派手な壊しものは香港映画っぽさも感じるし、ここぞという時にスローモーションを挟み込むのは映画「マトリックス」以来の演出を意識か。緩急ついて、迫真とコメディの落差とか絶妙で飽きさせない。そして単なる「正義は勝つ」のヒーローものに収めず、子供たちへの愛情をテーマに持ってきて感動のラストへ導く。
あんまりアニメ見ないのでこれが特別すごいのかどうかわからないけど、今のアニメって本当にすごいな、子供向けだけど子供だましじゃない。
細部にディズニーや宮崎駿へのオマージュらしきシーンも垣間見えるけど、これは充分オリジナルと誇っていいんじゃないだろうか。正直最初は山妖が見た目怖すぎて子供だったら泣く!って思ったけど、そんな恐ろしい妖怪が序盤からけっこうズッコケにボケたり散々ひどい目にあったりしてコミカルで妙に愛着がわく。主人公の流児少年の純粋さひたむきさは子供たちが感情移入できるところで、準主役の孫悟空はなんてゆうかツンデレで、クールぶってるけど実は流児たちが心配なんていう可愛いすぎるキャラでおばちゃんキュンキュンするわw
日本では「西遊記」というと三蔵法師が孫悟空を石の中から助けて一緒に旅に出るってとこからしか知られてないから、その前の天界を騒がせるとこのエピソード知ってないと特に序盤はハテナが飛び交うかな…ここが日本で公開する場合のひとつの難点。あと随所に京劇のテイストをちりばめてるので(孫悟空の強さを形容する口上とか)それも知ってる知ってないとでは受け止められ方が違うかなぁ。
あと疑問だったのは、龍の存在。これは沙悟浄(原典では河童ではなく川の妖怪)の代わりなのか、それとも流児少年が川に守られているということを暗示してるのか…。
日本で公開されたら復習がてら見に行きたいな。
YOUKU
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