あさひのブログ -17ページ目
あの話題の映画を見てきた。

「カメラを止めるな!」(2017年 監督/上田慎一郎 主演/濱津隆之)
96分


――とある映画監督が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮っていた。厳しい監督は主演女優の演技に納得いかず怒りを爆発させる。場の雰囲気は最悪で一旦休憩に入ることに。
落ち込む女優を共演の男優やメイク師がなぐさめる。だが突然撮影クルーの一人が本物のゾンビに襲われゾンビ化して襲いかかってきた!女優らは必死に逃げるがクルーは一人また一人とゾンビ化していく。そのさまを、監督が嬉しそうに撮影しているではないか。実はこの廃墟に隠された秘術で監督が本物のゾンビを蘇らせたのだ、よりリアルな表情を撮るために…。――

[ここからネタバレ-----
ゾンビに追いかけられ怪我をした女優はゾンビに噛まれたと思われ、錯乱し斧を振り回すメイク師に追いかけられる。屋上に追い詰められたが彼女の恋人でもある男優がメイク師を殺して救った。だがゾンビに噛まれた自分は間もなくゾンビ化してしまうと思った女優は恋人からなるべく離れようとその場を去ろうとする。だが実は噛まれていなかったと判明し急いで戻るが、そこにはゾンビ化してしまった恋人の姿が。女優は泣きながら恋人の首を斧で一刀両断にした。…いや台本では恋人に噛まれてしまうのに!ずっとカメラを回し続けていた監督が女優に怒鳴るが、女優は目の色を変え、監督をメッタ斬りにした。
そして屋上へ上がる。そこにはソンビを呼び出す血の文様が描かれていた。

・・・というパニックホラーをワンカットつまり最初から最後までカメラを回し続ける、しかも生放送で。この「ワンカット・オブ・ザ・デッド」と題する企画を撮ってくれという依頼が無名の監督・日暮の元に舞い込んできた。とあるケーブルテレビの開局記念ドラマだというのだ。日暮は普段はバラエティの安い再現ドラマなどしか撮っておらずそのとんでもない難易度に無理に決まっていると言うが、プロデューサーの強い押しに断り切れずつい引き受けてしまった。
集められたキャストはみんなワガママで曲者揃い、脚本を変えろと無茶な要求をするのをなんとかなだめすかして、いよいよ本番の日を迎えた。ところが放送直前になってキャストが二人交通事故に巻き込まれ来れなくなってしまった。こうなったら…日暮は妻と二人で代役に立つ。
ワンカットなのでカメラを止める事はできない。しかし出演する俳優が泥酔してしまってたりカメラマンが失神したりと次々とトラブルに見舞われる。しかしスタッフやキャストの機転でなんとか切り抜けた。だがラストシーンに必要なクレーンが壊れてしまった。ラストシーンは俯瞰でないと物語のオチが伝わらない。日暮は作品として完成させるか無事放送するかのどちらかを迫られた。テレビ業界の苦労もわかる日暮は断腸の思いで作品として完成させる事を諦めラストシーンをカットするよう指示する。だが傍らで見ていた彼の娘が諦めないでとある提案を。それは画面に映らないスタッフキャスト総出で人間ピラミッドを作りクレーン代わりにするという荒業だった。皆の心は一つに、最後までカメラを止めないで…!そしてついに放送時間終了まで撮りきったのだった!(終)
-----ここまで]

ああ、そうですね、面白かったです…。
前評判が凄過ぎて過剰な期待をしてしまったので、意外にもシンプルでコンパクトな物語に拍子抜けしてしまった。いや、確かによくできたコメディで笑えたけど、ラストに何か凄いオチがあるのかと思ってたから…。

実際にワンカットで撮られた映像は本当に凄いと思うけど、正直前半は眠くてDVDだったら絶対ギブアップしてる。でも前半見てないと後半のオチがわからないので、必要なんだけどもう少し短ければとも思う。
これは一回最後までみたらもう一度最初からよく見直したいと思える物語なので映画としてはオイシイな。俳優さんらも最初の大根芝居には本当にイラッとしてしまうけど、最後まで見ると巧みな芝居。
ホラーではなくコメディなので、ゾンビ映画云々って紹介文でひるんでる方もぜひ見に行って欲しい。ちゃんと最初からコメディです。
「天盛長歌(全56話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第二十集]
寧川と韶寧公主は大勢の兵に取り囲まれた。そして寧弈が姿を現す。寧弈は寧川の悪行を数え上げ、土下座して命乞いをしろと突きつける。韶寧公主は寧弈を罵り今に父帝が助けに来てくれると寧川を励ますが、寧川は死んでも屈しないと覚悟を決める。寧弈は鼻で笑い、部下に射殺するよう命令をだそうとしたその時、「楚王寧弈!聖旨を受けよ!」魏知が馬で駆けてきた。
韶寧公主を傷つけるな、そう書かれた聖旨を寧弈は苦々しい顔で受け取り魏知を睨みつける。
その間に承明殿へと逃げ込んだ寧川と韶寧公主。韶寧は魏知が来たのはきっと父帝が兄を許そうという気になったからだと寧川を励ますが、寧川はゆっくりと皇帝の玉座に近づく。だめだ、玉座に上ることは不敬罪、それをしたら本当に父上は許してくれない!韶寧は必死に兄を制止するが、寧川はもう許されるなど思っていないと妹の手を振り払い玉座に上る。ここに座り、平伏した朝臣らに「面を上げよ」そう言う日が来るはずだったのに…。

承明殿に立てこもる寧川と韶寧公主を説得に行った魏知は人質となって出てきた。寧川は兵を引かなければこいつを殺すと迫る。だが寧弈は皇帝の使者である魏知に剣を突きつける事自体が不敬罪以外の何ものでもないと石弓を手にする。そしてその矢を魏知に放った。矢は魏知の腿に刺さり魏知はよろめく。目を見開く寧川。「やれ!」寧弈の合図で兵が一斉に弓を放った。矢は寧川の胸に何十本と突き刺さった。

寧川の棺を前に寧弈は清々しい笑みを浮かべる。悪が滅びれば世に正道を、天盛に繁栄をもたらす事も夢ではなくなるだろう。
魏知は一人紙銭を焼き、珠茵とそして亡くなった全ての人々を弔う。そこへ寧弈が酒を持って現れた。魏知はニヤニヤ笑う彼を警戒し睨みつけるが、あの時矢を打ったのは自分を救うためだということも解っていた。びっこを引きながら寧弈の隣に座る。
寧弈は最初の一杯を三兄に捧げる。三兄、珠茵、霍三叔…仇は討ったが彼らは戻ってこない。

朝臣の間では常海の処遇について意見が分かれていた。丞相の姚英は常海の罪はあまりに重く死罪は免れないと主張するが、朝臣の多くは閔海国常家との関係悪化を恐れ、また常海のおかげで甘い汁を吸っていたため彼を擁護しているのだ。皇帝の元には常海の減刑を求める陳情書ばかりが届く。死刑にすべしと言っているのは姚英と胡聖山の二人だけだ。常家を排除するチャンスなのに…皇帝は苛立ちを隠せない。
寧弈は皇帝に呼び出され宮殿へ。皇帝はもしお前が皇帝だったら常海をどう処置するかと尋ねた。寧弈は法に則り殺すでしょうと答えた。すると皇帝は驚いた様子で、小さい頃に武芸や学問を教えてもらった恩は微塵もないのかと問う。

[第二十一集]
皇帝は寧弈に常海を尋問しろと命じた。
寧弈は常海に助かりたければ自白書にサインしろと逼る。それは閔海国公・常遠の命令で太子にクーデターを唆したという内容であった。常家を陥れるその手段に逆上した常海は手錠のまま寧弈に襲い掛かるが、寧弈は皇帝から預かった刀で彼の首を斬った。常海は首から血を吹き倒れる。
皇帝が慌てた様子でやってきて殺してしまったのかと驚くが、最初から自分に殺させるつもりであったことが寧弈には分かっていた。

韶寧公主に呼ばれた秋尚奇。公主は魏知の事をあれこれ訊く。秋尚奇は魏知が遠縁の子なので彼が結婚してるかとか家庭の事はよく知らないと誤魔化す。
秋尚奇は急ぎ魏知に職を辞して戻ってこい、でなければ母と弟を秋府から追い出すと逼る。魏知は伯父がなぜ急にそんなことを言い出したのか訳を聞こうとするが、秋尚奇は男装して皇女をたぶらかすなど死を免れない大重罪だと憤慨して帰っていった。皇女をたぶらかす…?魏知はやっと韶寧公主に好意を持たれていると知る。母と弟が追い出されては困る、燕懐石に相談してみるが、こういう事はやはり楚王に助力を請うしかないだろうと言われた。
魏知はしぶしぶ楚王府へ行くが、楚王は案の定魏知をからかい、助けてほしかったら自分のものになれと言う。魏知は彼のその失礼な態度に腹を立て帰っていった。寧澄は主人がまた好きな女を怒らせているのを見て、本当は助けてあげるくせにとぼやくのだった。

朝議で常海に代わる都督を誰にすべきかと議論になったが、魏知は第七皇子の寧斎を推薦した。実はこれは事前に皇帝と打ち合わせていたことだった。皇帝は辺境に赴任している寧斎を都へ呼び戻す口実が欲しいのだ。意外な推薦に朝臣らはどよめく。燕王は長年都を離れている寧斎に都督は任が重すぎるだろうと反対する。だが魏知の意見は父帝の希望だと見抜いていた楚王は、辺境で軍事に慣れた寧斎なら都督に相応しいと賛成した。皇帝はたしかにそろそろ都に呼び戻しても良い頃だなと皆の前で言う。

皇帝は寧斎の母・王才人を訪ねる。常貴妃に仕える刺繍女でしかなかった彼女はその作品がきっかけで皇帝の目に留まった。だが常貴妃が後宮を統括するようになってからは最も辺鄙な所にある屋敷へと追いやられいじめられているのだった。皇帝は王才人にもっと住みよい屋敷を与えるようにと命じる。

燕懐石を介して楚王からとある書類を貰った魏知。それは寧川が匿っていた血浮屠が住んでいた屋敷の権利書で、秋尚奇が証人として名を連ねていたのだった。魏知は伯父を訪ねてこの権利書を突きつけ、母と弟を今まで通り秋府に住まわせてやるという確約を手に入れたのだった。

[第二十二集]
魏知は宮殿で寧弈と話しているところ韶寧公主に会った。公主は魏知の前で寧弈と彼の母親を罵った。寧弈は公主をひっぱたき寧川と同じ目に会わせてやろうかと凄む。
大好きな兄を失った公主の悲痛もわかる魏知は自宅へ招き慰めようとするが、彼女は今日ここへ楚王を呼び出し殺すのだと、爆竹を仕込んだ外套を持ってこさせる。彼女が本気であることを知った魏知は楚王がここへ来ないように密かに燕懐石に伝えさせる。
魏知は韶寧公主は安全な所に隠れてもらって自分が楚王を殺害しようと提じ、二階の狭い倉庫におびき寄せればいいと案内する。だが公主は良い方法を思いついたと言って突然衛兵に魏知を拘束させた…。

燕懐石から何があっても魏府には来るなと伝えるように言われたが、何か緊迫した様子だったと聞いた寧弈はやはり魏府へ。二階の開いた窓の奥に魏知が吊るされているのを発見した。待ち伏せを倒し警戒しながら真っ暗闇の小部屋へ。目隠しされ吊るされている魏知は誰かがやってくる気配を感じるがその時縄が切られ床に落ちた。自力で目隠しと手縄をほどき懐刀を手に辺りを窺う。と、突然背後から突き押された。
暗闇から懐刀を突き出して向かって来た魏知を寧弈は躱し抱き留め、さらに襲い掛かって来る刺客らを倒す。韶寧公主が魏知と寧弈の上に爆竹を仕込んだ外套を投げつけ火を点けようとするが魏知が外套を窓の外へと投げ捨てた。公主はその隙に寧弈に向かって懐刀を刺す!だがそれも魏知が間一髪で救った。外から寧弈の部下がやってくる声がして公主は歯噛みしてその場を去った。
魏知に覆いかぶさるように伏せていた寧弈は彼女に顔を近づける。魏知は顔を背け手を伸ばすが何か香袋のようなものを掴んだ。寧弈はその手を握り笑みを浮かべるとさらに顔を寄せる…。

第七皇子・寧斎が都へ戻って来た。王才人は息子の帰京に涙を流して喜ぶが、しかし今後継者争いが熾烈を極めており息子がこれからどのように巻き込まれてしまうのかと心配なのだっだ。
北国の大悦との国境に設けた馬市は寧川が管轄し私腹を肥やしていたのだが今は秋尚奇が引き継いでいた。秋都督は馬市は順調だと皇帝に報告するが、国境を長年守って来た寧斎はその馬市に問題があると報告する。大悦は痩せた馬ばかり売りつけるし度々大悦の匪賊が襲ってきて地域住民を脅かし、我が国に損し大悦が得するばかりになっていると。皇帝はそのような事実を隠していた秋都督を叱りつける。魏知が進み出て、問題があるからと言って第七皇子の言う通り馬市を廃止してしまうと困る住民もおり、代替案が必要だと説く。


[A] 寧弈
皇帝の第六子。楚王に封じられている。三兄・寧喬を陥れた長兄・寧川を討つため動いている。魏知をいつもからかって楽しんでいるため随分と嫌われているが、常に彼女の事を気をかけている。
[B] 鳳知微(魏知)
朝華殿学士。秋都督の姪だが家族を救うため魏知という名の男性として生きる。実は前王朝哀帝の遺児を助けて逃げた血浮屠・顧衡の娘だが本人はまだそれを知らない。
[C] 寧川
皇帝の長子。天盛帝国太子。卑怯な手で得た太子の地位を死守するために弟や朝臣など数々の要人を闇に葬り去って来た。追い詰められついにクーデターを起こす。
[D] 常海
都督。天盛王朝建国に多大なる貢献をした閔海国公・常遠の弟。寧川の母の弟に当たり彼の参謀のような役割を果たしている。
[E] 韶寧
皇帝の娘。母は亡き常皇后。
[F] 寧世征
天盛王朝初代皇帝。
[G] 趙淵
大太監。寧世征の腹心で彼の真意を鋭く言い当てる。
[H] 姚英
丞相。常海ら太子一派とは一線を画している。
[I] 寧澄
寧弈の腹心。
[J] 顧南衣
魏知を護衛する寡黙な剣侠。魏知を守っても言う事は聞かない頑固者。その正体は血浮屠で、顧衡の子である鳳知微を守っているのだ。
[K] 燕懐石
閔海国燕家の御曹司。魏知の腹心として仕える。彼女が訳あって男装していることも知っている。
[L] 王才人
寧斎の母。才人は爵位。元は常貴妃の侍従。常貴妃の嫉妬を買い息子を辺境へと追いやられた。
[M] 寧斎
皇帝の第七子。10年以上ずっと国境防衛の任に出されていた。
[N] 寧昇
皇帝の第二子。燕王に封じられている。母は常貴妃。思慮深く禍に巻き込まれないよう常に巧みに立ち回っている。
[O] 秋尚奇
都督。波風立てるのを好まず常海にも従い太子の指示で馬市を引き継いだ。姪が男装して仕官しているのがばれたら自身の身も危ういとヒヤヒヤしている。

* * * * *

→インデックス
「天盛長歌(全56話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第十七集]
魏知は皇帝のお気に入りの学士となり連日呼ばれるようになった。皇帝は魏知に楚王へ食事の差し入れを届けさせる。楚王は相変わらず嫌味な事を言ってからかうので魏知はさっさと用事を済ませて帰ろうとするが、楚王は囲碁の相手をしろと言う。魏知は囲碁で楚王を打ち負かして帰っていった。だが楚王はニヤリとする。単に勝負をしたのではない、これは父帝へのメッセージなのだ。これから自分はどう攻めていくつもりであるかを伝えるための。
果たして皇帝は魏知に楚王が碁をどう打ったかを尋ね魏知は一手残さず正確に示して見せた。皇帝はうなづき、楚王府の包囲を解くよう命じる。

韶寧公主は軟禁されている太子を見舞いに東宮を訪れた。公主は兄上が潔白であることはきっと父帝はわかってくれると慰めるが、太子はやけ酒をあおって楚王を殺しておくべきだったと泣きわめく。密かに太子を監視していた宦官の陳明は太子の口からとんでもない言葉が飛び出したことに恐れおののく。
常海は太子を助けるために韶寧公主に協力してほしいと提案する…。

魏知は街で常海の手下から殴る蹴るの暴行を加えられている男を助けた。男は長吉と名乗る。魏知は彼が後で制裁を受けることのないよう自分の元で働かせることに。
また陛下の命令で楚王へ食事を差し入れに来た魏知。楚王は毒でも仕込んでるんじゃないかと彼女をからかいながら、その場にいた機織りの師匠である霍老三にその酒を与えた。と、酒を飲んだ霍老三は口から血を流して倒れてしまった。そういえば…魏知が食事を運ぼうとした際に長吉が酒壺を落としてしまい、新しいのと交換に行ったのだ。長吉の姿を以前韶寧公主の屋敷で見た者がいた。魏知が同窓生でもある公主を呼んで長吉という侍従がいるのかと聞いたところ、確かにいるが最近常海が彼を貸してほしいといって連れて行ったと答えた。楚王の毒殺を謀ったのは常海だ…。

一方その頃、太子の暴言を伝え聞いた趙総官は東宮の陳明を訪ねるが、太子は陳明がゆうべから行方をくらましたのだと答える。実は口封じのため殺害していたのだった。
太子は夜中に陳明の遺体を城外へ捨てに行かせる。だが金羽衛兵が彼らを襲い遺体を回収した。遺体を調べたところ、霍老三が中毒した毒を巧妙に隠し持っていた。悪事の証拠として持っていたのだろうが太子に気づかれ殺されてしまったようだ。
報告を聞いた皇帝はついに東宮を大捜索せよと命じる。

陳明の遺体を奪われたと知った太子はもう終わりだとその場にへたり込む。太子は常海に故郷の閔海へ高飛びしろと勧める。だが常海は自分が陛下に自首し、全ては自分の謀で太子は脅されて従っただけだと言うと膝をつく。

[第十八集]
趙王が太子に強要されてその企みの片棒を担がされていた事を帰国した葛鴻英が証言し、趙王が口封じのために太子によって殺害されたことを姚英が明らかにし、さらに辛子硯が18年前の楚王の功を太子と常海が強奪し楚王に大怪我を負わせたことを暴露した。辛子硯は太子も常家が唆さなければこのような暴挙に出ることもなかっただろうと言い、次に立てるべき世継ぎは同じ轍を踏まぬようにと進言する。

皇帝に呼び出された寧弈は宮殿の前で書を運ぶ魏知と会った。魏知はもう太子の敗北は確定したのだからこれ以上彼らを追い詰めないでやってほしいと言うが、寧弈は甘すぎると突きつける。お前もいつか常家に暗殺されるぞと…。

参内した寧弈に、皇帝はこれで満足したかと問う。寧川の首が落ち、太子の位がお前に回って来る、それがお前の望んでいた事だろうと。しかし寧弈は満足していないと答える。母を亡くした後誰も守ってくれない自分を唯一助けてくれた三兄・寧喬の仇を討つ事が目的だった。さらにもう一つの目的がある、それは母の死の真相を明かすことだ!父帝の寵姫であった母が急に「病死」し、そして父は急に冷たくなった。宮廷では母を貶める噂が広まった…母はなぜ死んだのか、その真相は!?
皇帝は今更昔の妃の死因を調べるようなことはするなと怒る。だが寧弈は許さないというなら殺せばいいと逼る。自分以外にも世継ぎになれる皇子は沢山いるのだから…!

後宮を統括する常貴妃は亡くなった常皇后の妹だった。後宮にやってきた皇帝に、太子に代わって謝罪したいと平伏し、また故郷の閔海国常家の長兄からの手紙を差し出す。この度の寧川の罪については当方に気遣いすることなく法に則った厳正なる対処をお願いしたいと書かれている。皇帝はうむ、とうなづいて去っていった。
常貴妃は常皇后の位牌に冷ややかな視線を送る。姉は正室であることを鼻にかけいつも側室である自分を見下していた。もうすぐあなたの息子に会わせてあげるわ…常貴妃は常家の長兄の手紙を息子の燕王に送らせた。聡いあの子ならやるべき事はわかるだろう。

[第十九集]
八年前の巫蠱事件は冤罪であったことが正式に発表され寧喬の名誉は回復された。そして太子寧川が18年前寧弈の功を奪ったこと、血浮屠を匿い多くの臣下を謀殺した事、そして寧喬を陥れ死に追いやったことが発表され、寧川は太子の位を剥奪され宗正寺に幽閉された。

宗正寺へ兄を見舞いに行った燕王は、常貴妃の計らいで全て準備が整っていると言い隠し持ってきた短刀を差し出す。自分を人質にとってここから脱出しろというのだ。そんなことをすれば本当に二度と太子の地位には戻れないと寧川は怒るが、常海は閔海へ亡命した方が絶対いいと訴える。常海は燕王を人質にとって護衛兵を退け、早く逃げようと寧川を急かすが、寧川は燕王が落とした手紙を見てしまった。閔海国常家も自分を匿ってはくれないだろう、もうどこにも行く場所はないのだ…。寧川は目をぎらつかせ、常海に何があってもついてくるかと問う。

常海は自分に従う兵をかき集め、太子が世の不正を正すと言って反旗を翻した。
その頃皇帝は楚王の勧めで軍部の視察のために郊外の練兵場にいた。寧川の造反が伝えられ、皇帝は楚王に討伐を命じる。皇帝に随伴して来ていた韶寧公主は長兄が謀反を起こしたという話にショックを受け、真相を確かめるべく単身都へと戻っていく。それを知った皇帝は急ぎ魏知に彼女を保護するよう命じる。

寧川の兵は宮殿を包囲していた。そこへ公主が駆けて来る。父帝はここにはいない、練兵場におり、討伐を命じられた楚王が兵率いてやってくる!それを聞いた寧川と常海は青くなる。まさか陛下は事前に察知していたというのか…?寧川はこうなれば玉砕してやると憤慨するが、常海は北門から逃げろと公主に寧川を連れて行かせた。
常海は兵を率いて迎え撃つが多勢に無勢、顧衍の率いる兵に取り囲まれた。「人の心をつかめる者が天下を手にするのだ!」顧衍はゆっくりと常海に近づく…。

寧川と韶寧公主は北門へと急ぐが、承明殿の前で寧川は足を止める。自分がその玉座に座るはずだった承明殿…その時、どこからともなく多数の矢が飛んできた。


[A] 寧弈
皇帝の第六子。楚王に封じられている。三兄・寧喬を陥れた長兄・寧川を討つため密かに動いている。魏知をいつもからかって楽しんでいるため随分と嫌われているが、常に彼女の事を気をかけている。
[B] 鳳知微(魏知)
秋都督の姪。家族を救うため魏知という名の男性として生きる。寧弈と辛子硯の謀によって無双国士の称号を得て宮廷学士となった。実は前王朝哀帝の遺児を助けて逃げた血浮屠・顧衡の娘だが本人はまだそれを知らない。
[C] 寧川
皇帝の長子。天盛帝国太子。卑怯な手で得た太子の地位を死守するために弟や朝臣など数々の要人を闇に葬り去って来た。
[D] 常海
都督。天盛王朝建国に多大なる貢献をした閔海国公・常遠の弟。寧川の母の弟に当たり彼の参謀のような役割を果たしている。
[E] 韶寧
皇帝の娘。青溟書院で学んでいる。魏知の事をライバルとしても男性としても意識しているようだ。長兄・寧川と同じく常皇后の子。
[F] 寧世征
天盛王朝初代皇帝。
[G] 趙淵
大太監。寧世征の腹心で彼の真意を鋭く言い当てる。呉英や陳明といった部下を皇子らの元へさりげなく派遣し常にその動向を探っている。
[H] 姚英
丞相。常海ら太子一派とは一線を画している。魏知の素性が知れないことに不安と疑いを抱いている。
[I] 辛子硯
青溟書院院首。亡き第三皇子・寧喬の仇を討つため寧弈と協力して寧川を嵌めようと画策している。魏知には嫌われているが彼は彼女の聡明さに一目置いている。
[J] 顧衍
金羽衛指揮使。寧川の配下だったが長年彼に騙されていたことを知り密かに寧弈に寝返る。
[K] 寧澄
寧弈の腹心。
[L] 顧南衣
魏知に付いてきている寡黙な剣侠。魏知の事を守ってはくれるが言う事は聞いてくれない。実はその正体は血浮屠で、リーダーだった顧衡の子である鳳知微を守っているのだ。
[M] 燕懐石
閔海国燕家の御曹司。魏知の腹心として仕える。彼女が訳あって男装していることも知っている。
[N] 常貴妃
寧昇の母で常皇后の妹。貴妃は爵位。皇后亡き後は彼女が後宮を取り仕切っている。
[O] 寧昇
皇帝の第二子。燕王に封じられている。思慮深く禍に巻き込まれないよう常に巧みに立ち回っている。
* * * * *

→インデックス
「天盛長歌(全56話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第十四集]
寧弈の傾眠はひどくなる一方だった。同時に父帝も同じような症状で、突然錯乱し侍衛を一人斬ってしまう事件が起こったと知る。寧弈は皆の安全のために寝る時は手足を縛らせるよう命じた。太子から送られた茶に毒は入っていなかった。この症状は一体何なのか…。
寧弈は宮廷医師の過去の悪事をネタにして脅し皇帝の過去の医療記録を見る。すると父帝は自分と全く同じ時期に同じ病同じ症状に陥っていることが判明した。分かっているだけでもそれは18年前からだった。

魏知は山へ作業に出かけた馬夫の親子の後をこっそりつけるが一瞬の間に親子の姿を見失った。と、突然肩を叩かれ振り返るとあの助けた若い馬夫が立っていた。若者は軽い世間話をしたかと思うと「何も知らないことにしておかないと殺されるぞ」とこっそり囁く。
魏知はますます訝しみ夜中に馬夫らの部屋を覗き見する。だが親子に見つかった…。

眠る寧弈の元へ魏知がやってきて、大変なことになったと揺り起こす。だが朦朧として錯乱した寧弈は彼女の首をしめようと手をかけ…そこで目が覚めた。しかし手足を縛っていた縄がない。本当に夢だったのか…?
辛子硯は寧弈の病がわかったと書物を指し示す。無寐という毒だ。この毒はゆっくりと体を蝕み、はじめは眠気だけだが憔悴していき悪夢にうなされ最後は発狂して死ぬ。しかし毎日この毒を数か月間は飲んでいないと症状は出ないだろう、太子が何らかの方法でこの毒を飲むよう仕向けていると思うのだが…。
と、魏知が行方不明だとの報せ。

皇帝の前に参内した太子は趙総官が見覚えのある指輪をはめているのを目撃する。趙総官はその手で茶を父帝に差し出し、父はその茶を飲む。太子は思わず「飲まないで!」と叫んでしまった。彼のあまりの必死さに皇帝や弟らは顔を見合わせる。
太子は控える趙総官に指輪を譲ってくれと囁くが、信心深い趙総官はこれはいくら積まれても渡せないと頑なに拒否する。

楚王の見舞いに来て茶を淹れていた趙総官は、指輪から液体がしみだしているのに気付いた。そこへ昼間の太子の行い…突然茶を飲むなと叫んだりこっそり指輪を譲ってくれと言って来た事を思い出す。まさかこの液体は…趙総官は青ざめ指輪を外す。

それから間もなく、太子は監国に、楚王は太子に代わって青溟書院事務に就任した。寧弈に突然青溟書院事務が回って来たのは太子の推薦だった。太子はなぜ青溟書院を手放したのか。魏知は未だ行方がわからないが、もしや太子が彼女をさらったのか。ふとあの夢の光景がフラッシュバックする。寝ている寧弈の元へ駆け込んできた魏知はこう言ったのだ、「血浮屠を見つけた!青溟書院の下働きの男らだ、太子が青溟書院に血浮屠を匿ってたんだ!」と。

[第十五集]
魏知はきっと血浮屠の居場所を知ってしまったために太子に攫われたのだ、どうしたら彼女を救える!?血相を変えて迫る寧弈に辛子硯はひとつの手駒のために全ての計画を台無しにすることはできないとシビアに突きつける。それもそうだ、彼女は手駒のひとつにすぎない、だが…寧弈の心には焦りと不安が渦巻く。

太子は青溟書院の老馬夫を呼び、もう匿ってはおけないので国外逃亡できるよう計らうと告げる。そして魏知らはさっさと消せ、と…。
馬場の倉庫に閉じ込められていた魏知と顧南衣の元へ、あの馬夫の若者がやってきて彼らを逃がす。だが老馬夫が戻ってきた。馬夫の若者は自ら盾となって矢を受け絶命した。
青溟書院の老馬夫らが魏知を取り逃がしたと知り、太子は激昂する。常海は魏知が駆けこむであろう蘭香院を包囲する。珠茵はその気配を察知し魏知を箪笥に押し込め鍵をかけた。目を覚ました魏知は扉の隙間から珠茵が常海と対峙している所を目撃した。珠茵は自分が八年前に謀殺された朱承勝の娘だと暴露し簪を手に常海に襲い掛かる。だが取り押さえられ常海に刺殺された。魏知は必死に声を押し殺す。楚王が向かってくるとの報せで常海らは撤収していった。その場に残った老馬夫は魏知が隠れている箪笥に近づく…。

老馬夫は魏知を連れ馬場へと戻って来た。馬夫の若者の遺体の前で、魏知は彼が自分を助けるため命を張ってくれたこと、そして今自分を殺すことは彼の命が無駄になることを意味すると訴える。しかし老馬夫は、自分たちが生き伸びるために他に道がないと告げた。魏知は覚悟を決め、自分が死んだ後遺体を母の元へ送ってほしいと頼む。だがその母の名を聞いて老馬夫は血相を変えた…。

その夜、青溟書院の馬場が火事になり全焼した。黒焦げの遺体が見つかり、残っていた簪と蘭香院の妓女らの証言から魏知の可能性が高かった。遺体を前に寧弈は言葉を失う。
だが楚王府へ戻って来ると、そこには魏知がいた、生きていた!…老馬夫は魏知の簪を息子の遺体に差して火を放ったのだった。
魏知は珠茵やあの馬夫の若者が自分を守るために命を落とした事に自責の念にかられていた。後継者争いに何の罪もない人間が巻き込まれ命を落とす、その悲劇を二度と繰り返さないでくれと寧弈に突きつける。寧弈は自分の目的が太子の位ではなく、八年前に無実の罪で殺された三兄・寧喬と巻き込まれて殺された人々の仇討ちであると告げる。珠茵も、実は辛子硯も、太子を倒すための同志なのだと。

太子は父帝に青溟書院の視察を提言する。そしてその裏では老馬夫に自分を襲わせる芝居をするよう計らう。捕まったらこう言うのだ、楚王の指図だと…。
戻ろうとする老馬夫の前に顧衍が現れた。顧衍は魏知が兄の子である事を告げ、彼女を救うためにも明日楚王を暗殺すると見せかけて捕まり太子の悪事を暴いてくれと言う。

[第十六集]
皇帝が青溟書院へやってきた。このために特別なテストが三問用意され、皇帝の前でそれを全て解き明かした者には無双国士の称号が与えられるのだ。朝臣の子息が次々とこのテストに挑むが、よくて一問しか解けず皆恥じ入って出ていく。と、辛子硯が呼んだ生徒が二問目まですらすら解いてみせた。彼は顔が病で醜いため傘を被って顔を隠していた。皇帝は用意されていた三問目を取り下げ自ら政治道について問う。生徒はやはりすらすらと答え皇帝は感心して顔を見せてみろと命じる。傘をとった彼は、もちろん魏知であった。皇帝は予想していなかったその顔に驚き、太子は目を剥き楚王を睨みつける。魏知は命を狙われているので顔を隠していたと釈明し、血浮屠を匿っている者がいると弾劾しようとしたその時、暗殺者の集団が乗り込み襲い掛かって来た!その中にはあの老馬夫の姿もある。楚王は老馬夫の前に立ちふさがるが老馬夫は皇帝に向かって矢を放つ。話が違う…!楚王は老馬夫を押しとどめようとするが腕を切られ突き飛ばされた。太子が剣を抜いて立ち向かうがやはり老馬夫は太子の言葉に一切耳を貸そうとせず跳ね飛ばす。護衛を切り伏せついに皇帝に剣を突きつけた!皆が蒼白になったその時、顧南衣がその剣を跳ね飛ばし間一髪で皇帝を救った。魏知は老馬夫に駆け寄るが、楚王が老馬夫を後ろから一刺しにした…。

顧衍は皇帝に、暗殺者らを厳しく取り調べたところ血浮屠の残党だったと報告する。太子が彼らを青溟書院で密かに養っていたという事実を。太子はこれは陰謀で全て楚王の仕業だとあがくが、楚王は青溟書院に血浮屠がいたことは魏知だけでなく韶寧公主も目撃しているはずで彼女が証人になると提じる。皇帝は太子と楚王に自宅謹慎を命じた。
皇帝は魏知に無双国士の称号と宮廷学士の位を授け仕官させるよう指示する。さらに顧衍を呼び、八年前の第三皇子の巫蠱事件を再捜査せよと命じた。

宗宸の元へ戻った顧南衣は事の次第を師匠に伝えた。宗宸は死んだ旧友のために酒を捧げる。実は彼は顧衡の部下だった男、彼もまた血浮屠だったのだ。顧衡の子である魏知を救い仇を討つためには皇帝…寧世征を殺す事だと彼が老馬夫に教えたのだ。だが成功する見込みは少ないとも分かっていた。
宗宸は顧南衣に引き続き魏知をしっかり護衛するようにと命じる。

朝華殿の学士となった魏知には立派な住まいが用意された。魏知は今や親友となった燕懐石に一緒に来ないかと誘う。
初任の日。魏知は緊張しながら参内する。皇帝は魏知に志を問う。魏知はもちろん金や名誉が欲しいと答えた。その率直さに皇帝は笑うが、魏知は自分が欲しいのは自由なのだと話す。だが権力が無ければ、弱い人間には生きる自由すら与えられない…。それを聞いた皇帝は、権力を得れば得るほど自由に本心を語る事すらできなくなるぞと言う。国一番の権力を持つ皇帝なんてのはまったく不自由なものだ、と。


[A] 寧弈
皇帝の第六子。楚王に封じられている。政治には無関心を装っているが、三兄・寧喬を陥れた長兄・寧川を討つため密かに動いている。
[B] 鳳知微(魏知)
秋都督の姪。母や弟を救うため家族と縁を切り魏知という名の男性として生きる。実は前王朝哀帝の遺児を助けて逃げた顧衡の娘だが本人はまだそれを知らない。
[C] 辛子硯
少保。青溟書院院首。実は亡き第三皇子・寧喬の仇を討つため寧弈と協力して寧川を嵌めようと画策している。
[D] 寧川
皇帝の長子。天盛帝国太子。卑怯な手で得た太子の地位を死守するために弟や朝臣など数々の要人を密かに手にかけて来た。
[E] 常海
都督。寧川の母の弟に当たり彼の参謀のような役割を果たしている。
[F] 小馬夫
青溟書院で馬の世話をする下男の一人。魏知と同い年の若者。身分出自に関わりなく人は自由に生きる権利があると主張した魏知に感化され、ひそかに彼を助ける。
[G] 老馬夫
青溟書院で馬の世話をする下男の一人。小馬夫の父親。実は彼らは前王朝の武装集団・血浮屠の生き残りであった。
[H] 寧澄
寧弈の腹心。
[I] 珠茵
蘭香院の芸妓。寧川の陰謀によって殺された両親の仇を討つため寧弈に協力し、蘭香院を彼の秘密の作戦本部として提供している。
[J] 顧衍
金羽衛指揮使。寧川の配下だが長年彼に騙されていたことを知り密かに寧弈に寝返る。顧衡の実の弟。
[K] 顧南衣
魏知に付いてきている寡黙な剣侠。魏知の事を守ってはくれるが言う事は聞いてくれない。
[L] 宗宸
私塾の講師で鳳知微の恩師。彼女の母親から顧衡の娘だと知らされており昔から何かと手助けしてきた。
[M] 寧世征
天盛王朝初代皇帝。
[N] 趙淵
大太監。寧世征の腹心で彼の真意を鋭く言い当てる。
[O] 韶寧
皇帝の娘。弟と共に青溟書院で学んでいる。魏知の事をライバルとしても男性としても意識しているようだ。

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「天盛長歌(全56話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第十二集]
学問を志しやってきた男・燕懐石は青溟書院の門を叩くが、入学するには規定があると門前払いを食らった。そこへ魏知と顧南衣がやってくる。彼らも同じように門前払いを食らうかと思えば、魏知は以前辛子硯から貰った印籠を見せたため賓客として迎えられていったのだった。
魏知は辛子硯に自分を青溟書院に置いてほしいと頼む。辛子硯は歓楽街から来た者を入学させられるかと意地悪を言う。が、魏知が歴史的故事を持ち出して彼の態度を批判するとあっさり承諾した。ただし青溟書院は太子直轄の機関ゆえ言動には充分に注意するようにと忠告するのだった。

辛子硯は太子から呪人形を見せられた。入れ子になっており中に皇帝を呪う人形が仕込んである…辛子硯は自分の策を誰かに利用されたのかと驚いてみせる。これではあまりに事が大きくなりすぎて皇帝の怒りを買うのは必至、趙王を告発するどころではない。この策を利用するのはそれを知っていた者しかない、辛子硯は常都督ではないかと言うが、太子はさすがに常海もこんな大それたことをしでかすとは信じられない。常都督でなければあとは燕王くらいしか可能性はないと言われ太子はますます疑心暗鬼に陥る。

趙王には見張りがつけられ軟禁状態におかれた。辛子硯はその趙王を訪ねる。趙王はよくも騙してくれたなと憤慨するが、本気で太子を呪い殺そうとしたとは言えない。あの預言者を呼んでこいと言うが、彼はとっくに姿をくらましたと辛子硯は答える。ただ伝言を預かったと言う、「龍が天に上るかどうかは次兄にかかっている」と。
趙王は燕王が自分を陥れようと呪人形に細工したのだと思い、あの魏知なら自分が陛下を呪ってはいないことを証言できると考えた。そこで彼の知人だと言っていた楚王を呼ぶ。

寧弈が蘭香院を訪れると珠茵が悲しげな顔をしている。今回の策で親の仇は討てる、しかし仇討ちのためだけに今まで生きてきた珠茵にはこの先何のためにどのように生きていけばいいのかわからないのだった。楚王殿下は三兄の仇を討った後はどうされるのですかと問われ、しかし寧弈も答えられないのだった。

青溟書院で暮らすことになった魏知。あの門前払いを受けていた燕懐石も無事入学できたようで、これも何かの縁なので友達になってほしいと言って来た。彼は大商家である閔海国燕家の御曹司で帝都に留学に来たらしい。燕懐石は声をひそめ、本当は女なんだろうと言う。商売上そういう人は少なくなく見慣れていると彼は言うのだった。

やけ酒を煽る趙王の元に寧弈が現れた。趙王は己の潔白を証明するために魏知を探してこいと言うが、寧弈はこれは全て太子の策ではないかと囁く。八年前三兄・寧喬は血浮屠の事件の捜査中に太子のある秘密を知ってしまい、巫蠱の罪を着せられて殺された。今あなたも血浮屠の事件の捜査中に太子のある秘密を知り、そして巫蠱の罪を着せられたのではないか、と。寧喬と同じ道を辿る…趙王は蒼白になる。寧弈はかくなる上はもう父帝に自首するしかないと急き立てる。太子が血浮屠を匿い朝臣を謀殺してきたこと、そして三兄を殺したことを!太子さえいなくなれば何も心配はない、龍は安心して空高く昇れるのだ!!
しかし…尻込みする趙王を寧弈はさらに焚き付けるが、動揺した趙王はあの預言者に会って意見を聞きたいと言い出した。

[第十三集]
皇帝は辛子硯を呼び出す。軟禁された趙王が預言者を呼んでくれと言っていることを聞きつけ理由を尋ねる。辛子硯は趙王が予言者にすっかり入れ込んで彼の言葉以外を受け入れなくなってしまっているようだと答える。趙王本人を尋問しても無駄だろう、預言者を連れて来て趙王の心の内を吐き出させるのだ。辛子硯は陛下に預言者に扮して趙王に会ってほしいと願い出る。

一睡もせず茫然と空の酒壺を弄んでいた趙王。そこへ辛子硯が現れる。その傍らにはあの仮面の預言者の姿が。しかし随分と腰が曲がって足取りもおぼつかない様子。
辛子硯は悩みの元を、一からすべて預言者に説明すればいいと勧め、趙王は全ては八年前にさかのぼると話し始める。が、預言者が手を振り辛子硯に下がれと示すので辛子硯は退室していった。
趙王は必死の形相で、全ては八年前の事件が発端だったと話し出す…。

預言者に扮した陛下の前で趙王は八年前の巫蠱事件の真相を洗いざらい喋るだろう。しばらく外で待っていた辛子硯だが呼ばれて中へ。そこには仮面の預言者と、その足元に口から血を流して息絶えている趙王の姿。絶句する彼の前で仮面を外した預言者、それは、皇帝ではなく太子だった!!
太子はニヤリとして、自分が予言者のふりをしたのも全て父の指図だと告げ辛子硯の肩をぽんぽんと叩いて去っていった。
実は太子は昨晩あの呪人形を持って父帝に陳謝に行ったのだった。目に涙を浮かべて、五弟が自分の事を憎むあまりに愚かなことをした、なぜ父まで恨むことになったのかはわからないが弟の罪は兄の自分が償う、と。すると父帝は明日自分の代わりに行って五弟の本当の心の内を見て来いとそう言ったのだ。

太子は皇帝に、趙王が本気で父を呪い殺そうとしていたと報告する。彼は預言者に扮した自分に、帝位に就くためにどうしたらいいかと訊いてきたと。そして彼の真意を試すために毒酒を差し出してこれを飲み干せば太子と皇帝は死ぬだろうと伝えると、彼は迷わず飲み干し、そして死んだと…。弟の真の心を知って正直ショックだったと太子は悲痛な面持ちで話す。
太子が退室した直後、皇帝はふらつき床にへたり込んだ。皇帝は趙王が自分を呪い殺そうとしていたことにショックを受けたのではなかった。彼には趙王の造反を信じたくない気持ちがどこかにあった、涙を浮かべ弟をかばう太子は昔の彼とは違う、一国の君主としての器を身につけつつある、そう信じたかった、だから彼を代わりに行かせたのだ。だが太子は…八年前寧喬を追い詰め殺したように今度は寧研を殺したのだ!

寧弈は日中やけに眠く、この頃は所かまわず傾眠してしまうようになった。噂では皇帝も同じような症状に悩まされていると聞く。太子からまた茶の差し入れがあったが寧弈はこの茶を調べさせろと寧澄に命じる。

青溟書院で魏知はその才能を遺憾なく発揮するが、彼女…いや彼の学才に嫉妬した皇女・韶寧に敵視される。馬鹿にしたと因縁をつけられ追い回されるが、通りかかった若い馬夫(馬の世話係)が巻き込まれ彼女から一方的に殴られているのを見過ごせず、取っ組み合いの喧嘩になり皇女を押し倒して降参させた。離れた所で様子を窺っていた顧南衣は助けたあの馬夫はただ者ではない、かなりの武術の腕前を持つはずだと告げる。
魏知は馬場を覗きに行く。十数人の馬夫が馬場を掃除し馬の世話をしていた。数人がふざけあって軽い身のこなしを見せている。確かにここの馬夫らはただ者ではない…。
と、突然背後から韶寧公主が現れ、こそこそと何をやってるんだと騒ぎ立てた。魏知は馬が好きで見に来ただけですと愛想笑いして急いでその場を去った。


[A] 寧弈
皇帝の第六子。楚王に封じられている。政治には無関心を装っているが、三兄・寧喬を陥れた長兄・寧川を討つため密かに動いている。
[B] 鳳知微(魏知)
秋都督の姪。母や弟を救うため家族と縁を切り魏知という名の男性として生きる。実は前王朝哀帝の遺児を助けて逃げた顧衡の娘だが本人はまだそれを知らない。
[C] 辛子硯
少保。青溟書院院首で寧川の信頼も厚い。だが実は亡き第三皇子・寧喬の仇を討つため寧弈と協力して寧川を嵌めようと画策している。
[D] 寧川
皇帝の長子。天盛帝国太子。卑怯な手で得た太子の地位を死守するために弟や朝臣など数々の要人を闇に葬り去って来た。
[E] 寧研
皇帝の第五子。趙王に封じられている。辛子硯の策に引っかかり呪術で太子を呪ったことが明るみに出てしまう。
[F] 寧澄
寧弈の腹心。
[G] 珠茵
蘭香院の芸妓。寧川の陰謀によって殺された両親の仇を討つため寧弈に協力し、蘭香院を彼の秘密の作戦本部として提供している。
[H] 顧南衣
鳳知微を守るためといって付いてきている寡黙な剣侠。その真の目的は不明だ。
[I] 寧世征
天盛王朝初代皇帝。
[J] 趙淵
大太監。寧世征の腹心で彼の真意を鋭く言い当てる。
[K] 韶寧
皇帝の娘。弟と共に青溟書院で学んでいる。
[L] 小馬夫
青溟書院で馬の世話をする下男の一人。一見ごく普通の青年だが…。

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