生辰鋼(奸臣が民から搾取した不義の財)強奪を目論む晁蓋、呉用、劉唐ら七人。呉用の知り合いの男・白勝を仲間にして計画に必要な酒桶を運ばせていたが、賭博好きの白勝は酒桶を担保に賭けて負けてしまい酒を取られてしまう。その夜白勝は酒桶をこっそり奪い返そうと胴元の店に忍び込むが見つかって袋叩きに。それに気づいた呉用らがとりなしてなんとか酒は返してもらったが、劉唐は白勝の行為に憤懣やるかたない。
* * * * *

「あの白日鼠め!大きな敵の前で全ての賊が火のついた部屋の(から逃れようと)壁の上に登って子供らは井戸のふちに腹這いになってるっていうのに(→要するにこんな大事な時にという意味)、あいつはなんとまだ博打してやがる!俺たちの計画は酒売りが頼りだというのに、あいつはよりによってその酒を賭けて負けやがった。もし俺達が(気づいて)早く出て行かなかったら、(酒を調達するため)戻らないといけなかった。
兄貴、こういう人を(計画に)使ってはいけないだろう、きっと悪いことが起こる。」

「ちょっと声を抑えて。劉唐君、君は青面獣の楊志が誰か知っているかね?」
「知ってるさ。以前花崗岩運搬に失敗した楊制使だろ。今年東京の街頭で刀を売って牛二と闘って殺した。(※1)」
「よろしい。では君は彼の武芸がどれほどのものか知っているかね?」
「…彼は楊家の子孫だ、武道の実力は当然悪くないだろう。」
「青面獣の楊志は大名府で、非常に名高い急先鋒の索超と対等に戦った。君は大名府から来たのだから索超の腕前は知っているだろう。劉唐君が索超と何合打ち合えるかは自分で解るはずだ。」
「俺たちは人数が多い!大兄貴(晁蓋)と公孫先生、阮(ゲン)三兄弟がいる(※2)。まだ奴(楊志)に勝てないと心配するのか?」
「いいだろう。私はもう一度君に問おう、梁中書が送る生辰綱の価値はいくらだ?」
「十万貫だ。」
※1 楊志は花石綱の指揮官だったが任務に失敗し失職、路頭に迷った彼は伝家の名刀を売ろうとしたが、ならず者の牛二が刀を奪おうとしたため抵抗するうちにうっかり切り殺してしまった。罪人となり流刑になったが北京大名府の梁中書に拾われた彼は汚名挽回のために誰もが嫌がる生辰綱運搬を引き受けた。
※2 呉用を人数に含めないのは、当然、彼は戦力にならないからである。

「もし君が梁中書なら、君は老いた病弱な者を護送に派遣させるだろうか?(いや、させない。)それらの(護送を命じられた)人の手足の動きは楊志には及ばないにしても一人ひとりが皆選りすぐりの精鋭のはずだ。」
「あんたのその話だと、俺達が強奪できる勝算がないじゃないか。いっそのこと帰って計画しなおそう。」
「劉唐君、そう急くんじゃないよ。私の話をちょっとゆっくり聞きなさい。我々七人がもし力ずくで奪うなら、仮に優勢を占めることができてもきっと1,2名が命を落とすだろう。賢弟は私が我々七人の中の一人でも命を失ってもよいと思っていると?」
「この劉唐なら命を失ってもいい!」
「私が先に言ったように生辰綱は強奪できない。必然的に知力をもって取るしかない。力では敵わない。」
「それがあの白日鼠とどう関係あるんだ?」

「知力をもって生辰綱を取る事の、成功失敗は全てあの白勝の身にかかっているのだ。楊志は今回罪の上に功を立てる(功績を立てて過去の罪を帳消しにする)ため、絶対に手を抜くことはない。なので絶対行き来する人に対して厳しく警戒の壁をつくるだろう。もし見知らぬ人が近づいてきたら、楊志は必ずいつもよりもさらに厳しく警戒するはずだ。楊志に(一度)警戒させてしまってはその警戒心に勝つことはできない。すべてはあの白勝にかかっている。
私が作った知力をもって生辰綱を取る計画は、全てその時(以下に述べる時)にかかっている。酒を天秤で担いで売る人が楊志に近づく、これは酒売りに扮した人で、むろん(怪しまれないよう)控え目にするが、楊志はきっと酒売りを注意深く探り、その言う事や顔色を観察し、必ず疑うだろう。では楊志が白勝のような人物に会ったら?絶対疑いは持たない。(なぜなら)白勝には鼠っぽい素質があり、賭け事が妄信的に好きではあるが骨も肝っ玉も鼠の如く小さく、表面上に英雄豪傑の雰囲気がみじんもないからだ。」
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これはオリジナルエピソード。物語は第二回からの続きだがかなり時間が開いているのであらすじを整理してくれている。ここは漢字の羅列だけでも大体内容が解る。
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