ドラマでお勉強-新版・水滸伝 #3 | あさひのブログ
「(新版)水滸伝」第二集「石碣村七星集義」17分あたりから。
地方の名士・晁蓋は浪人の劉唐から生辰鋼の話を聞き、正義のためにこれを強奪することにした。塾講師の呉用と、やはり生辰鋼の話を持ってきた道士・公孫勝を加えた4人で黄泥岡へやってきた。

* * * * *

「ここが呉学究の言う黄泥岡か。」
「生辰鋼を強奪したいなら、ここが最も良い場所です。生辰鋼は必ずここを通って行きます。」
 劉唐は剣を抜いてシミュレーションしてみせる。
「その生辰鋼を置いて行け!おぬしらは通りがかっただけだ(恨みあって襲われるわけではない)、もし絶対歯の隙間からでも一言も話さないなら(決してこの事を他言しないというなら)、俺が刀を振るうかどうか、殺すかどうかを決めよう(→命だけは助けてやろう、の意)。」
「(その様子では)赤髪鬼は生辰鋼を奪取できないでしょうね。」
「去年梁中書は生辰鋼をとられている。今回はきっと防犯のために、おそらく腕っぷしの強い者を護送に出すだろう。」


「この仕事は人が多いとできないし、人が少なくてもできない。村のあの食客でもだめでしょう。今は保正と劉唐と小生(わたくし)の三人しかいない(※)。保正と劉兄さんが拳法ができるといっても手に負えないでしょう。この仕事を行うには7・8人の好漢がいればいい。多くてはいけないし多くはいらない、少なくてもやはりだめです。」
「先生はこの仕事を成功に導くことのできる好漢に心当たりがあるようだな。」
「三人います。義侠心を持ち武芸に秀でて、たとえ火の中水の中、生きるも死ぬも同じくとする…。」
「加亮先生、それは石碣(セッケツ)村の、漁船で竿さすあの怒涛の勢いの人ですか?」
「その通り。」

※呉用が公孫勝を人数に含めてないのはまだ信用してないからである。


「一体誰なんだ?公孫先生までご存じとは。」
「その三人は三人兄弟で、済州の梁山水泊の近くのセッケツ村に住んでいて、普段は漁師を生業としてます。姓を阮(ゲン)と言い、親を同じくする三人兄弟です。一人は立地太歳のゲン小二、一人は短命二郎のゲン小五、一人は活閻羅のゲン小七と呼ばれてます。(※1)
「この三人を得られれば、事は必ず成功します。」
「セッケツ村まではここから百十里も離れていない、私が行って彼らと相談しよう。」
「保正どのが行く必要はありません。三兄弟は返事はしませんでしたが(※2)保正が参加するなら彼らもついていくような事を言ってました。彼らの本当のところの思惑はわかりませんがね。」
「こうも都合よく、彼らも私を求めているとは。」

※1 小二、小五、小七は田舎ではありふれた名前で二郎、五郎、七郎のような感覚。ただし親戚中の子供たちの中で生まれた順に番号がつけられていくので、彼らは決して七人兄弟なのではなく小二が長男、小五が次男、小七が三男である。
※2 公孫勝は晁蓋に会う前に阮兄弟に会って生辰鋼強奪を勧めた。


「まだもう一つ(言っておくことが)あります。保正と三兄弟に会う前に、私は鄆城(ウンジョウ)県の宋押司に生辰鋼の事を提案してきました。彼はこの件(生辰鋼奪取)をしないばかりか貧道(わたくし)を捕まえて役人に会わせに行こう(役人に突き出そう)としましたが、私は幸いにして逃れたのです。」
「宋押司ならすでにここ(私の元)に来たぞ。」
「彼は私より先にここへ来たのですか。」
「彼とウンジョウ県の盗賊を捕える部門の都頭、挿翅虎の雷横の正四処が貴公を捕えにきた。だが(間違えて)唐を捕えたのだ。」
「俺は眠りこんでなければ、刀を持って行かれなかったし絶対捕まらなかったぞ!」
「宋江は、私が公孫先生の言う天罡地煞(テンコウチサツ)とかいうものを真に受けて生辰鋼奪取をそそのかされてはいけないと私に言い聞かせていった。」


「阮三兄弟の所へ行ってはいけません。」
「行ってはいけない?」
「私が学舎にいて劉唐と雷横が争うのを見た時、その直前に早馬が来て、(早馬に乗ってきた)県の衛士が都頭の朱仝(シュ・ドウ)がセッケツ村に潜んで待ち構えてると言ってました。(その時)阮三兄弟が公孫先生と会った事を知ったようです。その(集団の)中の一人の色黒で背の低い人が急いで駆けて行ったが、(私は)まだこの人を知らないがおそらく宋江でしょう。
おそらく今セッケツ村はすでに大亀を釣るための旨い餌(のようなもの)でしょう。阮三兄弟はまさしく旨そうな餌で、我々が(セッケツ村へ)行くことは自ら罠にはまりに行くことに他なりません。
かの宋江は馬に乗って行ったので陸路を行くに違いありません。城を通り抜けなければならないからまだセッケツ村には着いてないはずです。私が急いで行って彼がゲン氏三兄弟に会う前に彼ら(三兄弟)を説得してきましょう(※)。もし彼が先にあの三兄弟に会ってしまったら、彼の"及時雨"の人望でもっておそらくあの三人は生辰鋼をとらないようにと説得されてしまうでしょう。」

※防犯のため夜間は主要道路の関所の門が閉じられている。これは早朝の話なのでまだ門が開いていない。セッケツ村へは船で行った方が早いので呉用が先乗りできる算段である。


「あそこは罠なのだろう、先生が行くことはできるのか?」
「かの宋江と雷横、朱ドウは皆私の意図は知りません。私は一介の書を教える先生ですから、彼らが私に何かするわけがありません。」
「そういう事なら遅れてはいけない(急ぐべきだ)。」

* * * * *

これもオリジナルエピソード。呉用が阮(ゲン)兄弟に会いに行くまでをひとつの事件としてスリリングに描くため作られたシーンの一つ。原作では何の妨害もなく会いに行くけど。

→インデックス


水滸伝 DVD-SET1/チャン・ハンユー,フー・ドン,リー・ゾンハン

¥19,440
Amazon.co.jp