中国土産を解読する-図説中国歴史・秦 #12 | あさひのブログ
中国現代語に親しむための翻訳練習です。

「图说中国历史・秦」
中国地图出版社 www.sinomaps.com
 2014年1月初版 2016年4月第2版

表面。

『逸話』

股下の辱め
韓信カンシンは小さい頃とても貧乏で、だが当時の遊侠(浪人)と同じように剣を持っているのが好きだった。淮陰城内の多くの少年らはみんな彼の事を笑った「おまえは背が高くて剣まで持ってるが、実際は鼠の胆(臆病者)なんだろう。」その中で屠夫(食肉解体業)の息子で特に冷酷な子が続けて侮辱した「おまえをちょっと試してやろう。できるものなら、その剣でおれを刺してみろよ。できないのなら、おれのズボンの下(股の間)をくぐりぬけていけ!」そう言うと、両足を開いて、馬鹿にした目で彼を見た。韓信はこの少年を眺めてしばらくすると、何も言わず本当に彼のズボンの下を這ってくぐり抜けた。悪ガキらはみんな大笑いして手を打って騒いだ「臆病者!臆病者!韓信は胆の小さい奴だ!」

烏江自刎
生きては優れた人物となるべきで、死しては英雄であったと称えられるような人物になるべきだ。
今思い出す、項羽が決して江東へ渡ろうとしなかったことを。
 ――李清照『絶句』

西楚覇王の項羽コウウは垓下で劉邦リュウホウに敗れた後、厚い包囲網を突破して南へ逃げた。烏江辺りに着いた時、子弟の兵は26人しか残っていなかった。この時烏江の亭長は河辺に一隻の小舟をつけて河を渡れるよう準備していた。「江東は小さいとはいえ千里の土地と数十万の百姓がおります。大王さまはそちらで王を続けられます。すぐに追っ手がまいりますからどうか早く河を渡ってください!」項羽は苦笑して言った「最初は八千の江東の子弟と一緒に江山(世の中)へ打って出たのだ。だが今や彼らはみんな戦死してしまった。私だけが生きている。いくら江東の父兄(皆さん)が私に同情して私を王に立ててくれても、私はどうして彼らに顔を見せられるだろうか!」そして愛馬の烏騅ウスイを亭長に贈り、追って来た漢兵と戦い続け、仲間が皆戦死してしまうと、彼は剣を抜いて自殺した。

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この時代を舞台にした中国ドラマ


『乱世英雄呂不韋』(2001年)※日本語版ありません。
始皇帝の父かも!?な商人・呂不韋が主人公の物語。青年呂不韋が成り上がって最後自殺に追い込まれるまで。おもしろいんだけど中国語をある程度勉強しないとさすがにわからないか…。


『始皇帝-勇壮なる戦い』(2009年)
タイトルはこんなだけど将軍・蒙恬が主人公の物語。秦帝国ができて間もない頃から始まって趙高が殺される所までじゃなかったかな。原題は「大秦直道」で、直道を建設しようとする蒙恬と阿房宮を建設しようとする趙高とどっちつかずの李斯の三すくみの陰謀合戦だったはず。


『秦時明月』(2015年)※日本語版まだありません。
秦始皇帝時代を舞台に、暗殺者・荊軻の息子を主人公にしたヒーローアニメの実写版。最後まで見てないのでどの時代まで描いてるか知りません。フィクションだけど史実上の人物がいろいろ出て来ます。


『項羽と劉邦-King's War-』(2012年)
イケメン俳優が演じる項羽と実力派俳優が演じる劉邦のW主人公の物語。項羽は項梁と共に逃亡生活、劉邦は沛県で自堕落生活してる所から始まり、劉邦が項羽を倒して帝位につく所まで。楚漢戦争をじっくりがっつり描いてる。とーにかく長い!!