項羽と劉邦 | あさひのブログ
これで三本目…。

「項羽と劉邦」(2012年 原題「楚漢伝奇」 監督/ガオ・シーシー 主演/ピーター・ホー、チェン・ダオミン)
全80話
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しつこいようだけど日本で言えば平家物語みたいな有名な逸話。これは2012年のTVドラマシリーズ。
「王的盛宴」で底知れぬ存在感を醸し出してたチン・ラン(秦嵐)がここでも呂雉を演ってるというので、これは見なければと。

――戦国時代末期、秦王・嬴政は楚国を亡ぼし天下を統一、史上初の「皇帝」を名乗る。楚国を最後まで守ろうと奮闘しそして戦死した項燕将軍の孫・項羽は、いつか秦に復讐し楚国を復興することを誓い叔父らと逃亡生活を続ける。
始皇帝の施政により民にはつらい労役と重税が課せられ厳しい法律と罰則に人々は戦々恐々とし、日増しにその不満は募って行った。旧楚国沛県の小さな村に暮らす劉季はろくに仕事もしない遊び人だが仁義に厚く村中の若者の信頼を集めるリーダーだった。だが彼の村にも労役の命令が下り、村中の男が秦の都の建築工事に駆り出されることになった。劉季は男たちを連れて秦都へ向かうが、途中で脱走者が続出。このまま都へ行っても命令に背いたとして全員斬首刑だ――

イケメンエリートだけど直情的である意味不器用な項羽(演:ピーター・ホー/何潤東)、一見ちゃらんぽらんだけど要領よくてカリスマ性の高い劉邦(演:チェン・ダオミン/陳道明)。キャラはすんごくイメージ通り!!(^▽^)b 一話目からつかみが良く、迫力と臨場感のあるアクションでグッと引き込まれる演出、キャラも物語もわかりやすく最初に主役二人をばっちり印象付けてて出だし快調!・・・だったんだけど、5話目くらいから鈍足になってきてものすごーく間延び感。間延びというかわざと引き伸ばしてる感が。項羽と劉邦が出会う前をこんなにじっくり描く必要はなかろうよ。韓信を出すのも早過ぎて存在忘れるって!股くぐりはもう回想シーンでやればよかったんでは?始皇帝の話もこんなにがっつりいらないよ!秦帝国の内部事情は全部ナレーションや伝聞で済ましてしまってもいいのに。(とはいえ、始皇帝の話は「大秦直道」とかぶってるので個人的には楽しめた。こっちの趙高は典型的な悪人っていうよりチョイ悪オヤジで妙にかっこよくて悶える。逆に李斯が個性無くてつまらん。始皇帝も地味!)
キャラは良いんだけど物語を引っ張ってく力がない。ただ史実を追ってるだけでそこにドラマがない。淡々としてて飽きる。正直20話あたりまですっ飛ばしてよし。そこそこ面白くなってくるのは30話くらいから。これ全80話はきついわー。50話あたりでよっぽどやめようかと思ったけどここまで来たしと飛ばし飛ばしで見た。[ここからネタバレ含む-----オープニング&エンディングで白髪頭の劉邦が何度か出て来るので、てっきり項羽倒して帝位に就いてから死ぬところまで描くのかと思ったけど、79話まで項羽生きてますw-----ここまで] いや長ぇよ!(;´Д`)ノ
もうまったく…これこそダイジェストで全50話くらいにまとめられる話。

この監督はストーリーよりアクションが得意なんじゃないかなという感じで、とにかくアクションは迫力があってイイ!ワイヤー、CGを絶妙に絡み合わせ、激しくブレてなかなか焦点を合わせさせないカメラワークで緊迫感を演出。男性におすすめできる迫力の戦闘シーン。ただ城攻めシーンは使い回しが多くてそこは残念。
女性向けにはきちんとイケメン項羽と絵に描いたようなお姫様・虞姫の純愛を丁寧に描いて乙女のハートをキャッチし、アカンタレな男に嫁いでしまった呂雉の諦めない底力と女の戦いをしっかり描いて主婦のハートを掴む。
セットは言わずもがな、アクションシーンの派手さ、エキストラの多さ、始皇帝の巨大な四頭立ての馬車とか金の掛け方がものすごい。配役も良いし、惜しむらくはこの平坦で遅々とした脚本か…。

主要キャラは本当にバッチリな配役。主人公二人はもちろんだけど、范増(演:スン・ハイイン/孫海英)が頭ひとつ抜けた存在感。軍師っていうと常に冷静で的確な助言を出しては皆に尊敬されるキャラってのが王道だけど、この范増は導火線短くていつもぷりぷり怒ってるし、若造な項羽に振り回されっぱなしでなんだか気の毒になってくる庶民的なおじいちゃんでかわいい。
俳優さんとしてはやっぱりチン・ランが素晴らしい!彼女の芝居の系統は日本人で言えば仲間由紀恵か。芯の強い女性役が似合うというのか、眼の奥に潜ませる憎しみの感情だとか哀しみの感情だとかが伝わるお芝居。カッコイイ!
あとは趙高おじさま(おネエさま?)と、本当にちょっとしか出てこないけど司馬欣がよかったな。司馬欣の最期の独白シーンはTVドラマというより舞台を見てるようだった。そしてこれは違うだろと思ったのが韓信。このヘタレっぷりはカッコ悪すぎない?さして顔がいいというわけでもなく芝居も大して深みもないし、なんでこの人がこんな重要な役張ってるのかナゾすぎる。

さてキャストには知った顔が多い。
中華小當家のフェイ→項羽。まーこの人はどこ行ってもイケメンエリート役だろう。
新水滸伝の李キ→ハンカイ。キャラもほぼ同じだし。
大宋提刑官2の伍徳→盧ワン。うーんこの人にはホワイトカラーな役をしてほしい。
大秦帝国2の昭陽→呂雉の父。まんまだ、同じだ。もしやお髭は自前?
大秦帝国1のホウ・ケン→ヨウ歯。こっちもオイシイ役!
新水滸伝の林チュウ→英布。やばいこっちはワイルドでかなりかっこいい。
集結号のスン氏→戚夫人。顔が善人なのでどうもはっきりしない中途半端なキャラになっちゃってた。
大秦帝国1のエイ虔→灌嬰。パッと見は分からなかったけど声が一緒だ。



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一話目無料。
13話まで有料で見たけど、あとはまた中国語で見た。話はわかりやすく作られてるので
序盤の設定だけ把握できればスイスイと。



長いものに巻かれろ