映画「エルヴィス」 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

先日、今夏ロードショー公開の映画「エルヴィス」を鑑賞。

無論、あの“キング・オブ・ロックンロール”エルヴィス・プレスリーの生涯をドラマにした作品。

余談が先になるが、当日は午後のスケジュールをしっかり空けていたが、家族の都合であれよあれよと時間が無くなり、本当は映画鑑賞の前に渋谷PARCOにて、エルヴィス・プレスリー&50'sショップで名を馳せたショップ「ラヴ・ミー・テンダー」が期間限定オープンだったので寄りたかったが寄れず仕舞い…。(後日、リベンジで行きましたが。笑)

 

タイトルも「エルヴィス」なので、かの大ヒット映画であるクィーンの「ボヘミアン・ラプソディー」のエルヴィス・プレスリー版と多くの人が思うだろう。

ま、実際それに近いのだが、個人的には一昨年だかにこの映画の話を始めて知った際は、功罪ともに高い不審者マネージャーであった“トム・パーカー大佐”の視点で追った内容、という感じだった。

しかもそのパーカー大佐を名優トム・ハンクスが演じると言う!

トム・ハンクス主演作にはずれ無しなので、その時点でもう楽しみにしていた。

さてさて、映画はと言うと…。

冒頭から晩年のパーカー大佐の夢?深層心理?と言ったシーンからスタート。

その後、エルヴィスの生い立ちを追っていく。

それと並行して、カントリー歌手の興行マネージャーをしていたパーカー大佐とエルヴィスの出会いから最後までがドラマ化されていく。

題名も「エルヴィス」じゃなきゃ観客も入らないだろうが、個人的には「パーカー大佐withエルヴィス」みたいなタイトルにして世に送り出して欲しかった気も…。

エルヴィス役の俳優オースティン・バトラー氏は今回初めて知った役者でしたが、かなりの熱演。

最初に宣材写真や短いティーザー動画を観た時はあまりエルヴィスに似てるように思ってなかったが、映画1本観終わるとエルヴィスにしか見えないほど。(途中で出るリトル・リチャードを演じた俳優さんはもろリトル・リチャードだった!!笑)

そして驚いたのはやはりトム・ハンクス!

メイク等もあるだろうが、どうしたらそんなに恰幅な老人になれる?!と言うほどの変貌。

そして、パーカー大佐の狡猾さとひたむきさのバランスも絶妙に演じ、この人いい人なのか悪い人なのかどっちなの?と言うギリギリのポジションを上手く演じていました。

トム・パーカーと言う人物は、アンドレアス・コルネリス・ファン・カウクと言う名のオランダ人でアメリカ国籍を持たずにいる不法入国者で殺人事件の関与の噂もある怪しい人物。

しかしながら、興行において天才的な手腕も持ち、まだロックンロールが世界に知られる直前のタイミングで超ローカル・ヒーロー化しつつあるエルヴィス・プレスリーのショー観て、マネージャーを名乗りより一層の辣腕を発揮し、エルヴィスをロックンロールを世界中に知らしめて行く。

しかし、その契約は全てのギャラの取り分はパーカー50%、エルヴィス50%と今考えれ破格のマネジメント利益を生涯通す。

個人的な印象では、商売(金銭利益)の才能は大いに有るが、タレントのマネジメントの部分は疎かなところ多しと言う感じか。

なので、マネジメントと言うより商業プロデューサーと称した方が良いのかも知れない。

ただ、この人の仕事の仕方が、マーチャンダイジング(「I LOVE ELVIS」バッジとともに「I HATE ELVIS」バッジさえ作るあたりは恐れ入った!)やタレントの生活管理なども含め、日本の芸能プロダクションの礎となったのは間違いない。

でも、音楽の権利ビジネス面はあまり関心が無いように思えた。

むしろ映画でのビッグマネー・ギャランティには貪欲であったと感じる。

映画でも描かれていたが、有名なエピソードとしてパスポートが作れないパーカー大佐は、エルヴィスや他のスタッフがワールド・ルアーを企画するも阻止し、その代わりに史上初のラスベガス長期公演や世界初の全世界配信ライブ衛星テレビ中継までも実現させるのは恐るべし!(1970年前後の事だからね!)

 

映画を観終えた後は、やはりエルヴィスのステージパフォーマンスのカッコ良さが残るものでした。

もちろんこれが正解だと思うし、個人的にも良いことだと。

ただ、もうちょっとトム・パーカーにまつわる部分も観たかった気も。

作品自体2時間45分ほどの意外と長尺なので限界だろうが、可能であればボーナス・バージョン的なパーカー大佐をにまつわるシーン(が有るなら)をふんだんに入れた「エルヴィス プレミアム・カット版」なんてのも観たい。

 

いずれにせよ、オースティン・バトラーが演じるティーンから晩年までのエルヴィスのライブ・シーンのパフォーマンスは本当にカッコいいし、トム・ハンクスの風貌を変えての名演ともに見どころです。

何より、エルヴィス・プレスリーのスター性、エンターテイナー性、その裏の孤独と失意、それらは改めて凄いものだと痛感。

つい家にあった「'68 COMEBACK」と「アロハ・フロム・ハワイ」のDVDも観てしまいました!

やっぱ、R&RとR&Bは最高だぜ!!(笑)

 

映画「エルヴィス」現在ロードショー公開中。

お時間があれば是非映画館へ!

<予告編>

 

<予告編30"バージョン>