「伝統芸能 華の舞」(2021.10.23 @北とぴあさくらホール) | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

昨日、歌舞伎(?)を久しぶりに鑑賞。

思えば、歌舞伎なんて12年前に歌舞伎座さよなら公演コクーン歌舞伎を観て以来。

とは、言え、今回は純粋な歌舞伎の舞台とはまたちょっと違ったもののよう。

この「伝統芸能 華の舞」は、三代目市川右團次(いや市川右近と言った方がまだ認知度が高いか…?)主役の公演ツアーで、プログラムの第一部が「楠木正成二題」と題して、「能楽 独調『楠露』」と「素踊り『楠公』」のどちらかと言うと「能」の舞台を、第二部が「歌舞伎十八番の内『鳴神』」となっていた。

これを全国十六カ所全22公演行う。

たまたま、ネットで招待プレゼント企画を見つけたので、「久しぶりに歌舞伎も観れるなら観とくか」くらいで応募したら当選しちゃった!

でも、ホール内に入りその理由が解った…客が全然入っていない…。

コロナ禍の収容定数半減や一席づつ空けるソーシャルディスタンスでもなく、普通の興行設定のようだが、1300席のホールで200人程度(?)の観客数。

しかも半数近くがどうも私同様の招待客のようだ。

市川右團次というテレビのドラマやバラエティにも頻繁に出る歌舞伎俳優が看板であっても、なかなか集客は難しいのですね。

 

演目は、一部の「楠木正成二題」のうち冒頭の「能楽 独調『楠露』」は、謳い手と鼓&合いの手の奏者2名が出てとうとうと演奏する。

ちなみにこの日の奏者は、講が谷本健吾氏、小鼓が飯田清一氏。

正直、これだけだとまだまだ自分には理解らない遠い芸事かな…。

続いて、「素踊り『楠公』」で主演の市川右團次が現在の市川右近(右團次氏のご子息)との共演で舞う。

演奏だけと違い動きがあるのでまだ見れるが、日本舞踊もまだまだ自分のような無粋者にはちょっと遠い芸事だな…。

ここで20分間の休憩をはさみ、第二部の歌舞伎へ。

この休憩中、緞帳の降りた向こうの舞台上ではセット造りの音がガンガン聞こえてくる。

20分と言う長さは客側の事だけでなく、舞台を整えるのに必要な時間なのか、と気づく。

そして二部の「歌舞伎十八番の内『鳴神』」へ。

舞台セットが思っていた以上にしっかりとしていて目を見張る。

で、この演目『鳴神』のストーリーが実はいささか滑稽。

鳴神上人なる者が行法にて雨を司る龍神を封じ込めたことから話が始まる。

この鳴神上人は修験者で山奥にて修行生活を送っているが、山の麓の民たちは干ばつで苦しむ日々を強いられていた。

そこへ、夫を亡くした美しい姫が鳴神上人の元に突然現れるが、ここから現代風な表現にすると、その姫は女スパイみたいなもので、雨を降らなくした鳴神上人をハニートラップで取り入り、再び雨が降り干ばつの地から元に戻すミッションを遂行すべく遣わされたのだった。

そして、その罠にまんまと嵌った鳴神上人は烈火のごとく怒り狂って暴れる…っていう話。(笑!!)

鳴神上人を演じた右團次も、謎の女(?)雲の絶間姫を演じた市川笑三郎氏も、セリフは結構な歌舞伎言葉なので解らない部分も多いが、脇役ながらも道化師的存在の弟子2名のセリフはよく判るので、ある意味この存在が物語の進行役としていてくれて助かる。

歌舞伎ならではの見得も多々切り、宙返りなどのちょっとしたアクションシーンも有り、第一部とは異なりやっぱり見応え度が違いますね。

 

新装歌舞伎座はまだ行ったことがないので、どこかでまた歌舞伎座で鑑賞もしてみたいものだ。