映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

新型コロナウィルスが落ち着いたのか?落ち着いていないのか?

さっぱり判らない東京ですが、、、。

昨日、224人も新たに陽性患者が出てしまった東京ですが、そんな中、最も危険な地帯である新宿まで映画を観に行った。

 

それが、『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』と言うドキュメンタリー作品。

映画館再開して最初に観に行く作品がこれかね?(苦笑)

テレビ「爆報THEフライデー」でこの春に紹介していた際に、観てみようかな?と思っていたら、コロナ禍ですべてが自粛期間となり、行けず仕舞い。

おそらくこのタイミングで上映も終わるのだろうと思っていたら、ありゃまだ上映してる?!と知り、ここでまた様子見てたらマジで見逃すと思い、コロナ蔓延る夜の新宿へと出かけて行った。

 

やっぱり、天才・三島と秀才・東大生がどんなバトルを繰り広げるのか?に焦点と言うかテーマと言うか期待と言うか、意識が行ってしまう。

しかしながら、頭の良い者は闘いながらも互いを知り合うということをしているものなんだと実感。

三島氏が「言葉の力」を試したいと云うような事を言っていたが、この場はまさに言葉によるコミュニケーションの威力が溢れていたように思える。

 

自分は正直、安保も学生運動も議論も三島作品も通ってきていない。

なので、いやそんな自分が思ったのは「これは言葉のプロレス」であり「“議論”と言うより緊張感に満ちた“サロン”」だ、と言う事だった。

まず、両者とも相手の話を聞く、聞く、聞く!

そこから、ちゃんと自論や疑問を述べている。

これって、政治家どもを見ていて解るように意外と出来ないもの。

暴力を肯定し、反目し合う両者が実に知的に戦いつつ歩み寄っている様が、もう面白い。

相手の技をしっかりと受けて、そのあと自分の技を繰り広げる…まさにプロレス!

そして、互い思いを純粋にぶつけ合うのはまるでサロンでのコミュニケーション。(緊張感がまるで違うけどね。笑)

言ってることは、半分はよく解らなかったけど。(苦笑)

 

確かに途中で「三島が殴られるって言うから来たのにどうしたんだ?!」みたいなヤジが飛ぶも、東大全共闘が「なら、お前がここに来てやれよ!」みたいな熱いけどジェントルさも有る。

それぞれの主張も、根っこは実に拙いものだったりしてるように思えるし、なんか観てる途中から双方が可愛く見えてきた。

 

でも熱い思いとそのエネルギーはこの時代ならではなのだろう。

今では、1人の作家も、徒党を組んでも大学生だって、ここまで熱くはならないだろう。

ある意味ではとてもうらやましくも思えた。

 

そして、もう1つ個人的に思えたのは三島氏と東大全共闘の一番の刺客と言われた芥氏の2人が実はエンタテイナーでもあったということ。

空気の支配合戦とでも言うのか、互いが視線を浴びる番になると、相手だけでなく客席に対しての意識がすごくあるように思えた。

ま、立場的に三島氏はそりゃそうかも知れないが…。

芥氏が学生なのに赤子の娘を抱いて檀上に出てくるだけで、「こいつは何者だ!」って思っちゃう。(笑)

そしたら、実際演劇部でその後も今も劇団の主宰だというのだから、これまたそりゃそうか!って感じ。

 

当初のイメージでは、どれだけ危険な激論になるのか?と、つい思いがちだが実際に見るとピュアでジェントルでエンターテインメントさえも内包した議論の場であった事に驚き。

そうそう、この討論会って、てっきり本郷にある東京大学で行われたと思ったら、駒場キャンパスだったのね。

90番教室と言う、講堂的なサイズの場所。

思えば、2年前にこの教室を写真に収めていた…。

ここだったのか…!

この時は、何かのセミナーをしていた。

 
 

とても静かに。(笑)

 

映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』、ご興味ありましたら御覧ください。