スーツアクターに花束を~追悼 中島春雄氏 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

もう1週間も前の話だが、初代「ゴジラ」役を演じた中島春雄氏が永眠した。

この方がいなければ“着ぐるみ”という特撮が日本カルチャーとして賞賛されなかっただろう。

その功績は大きい。

中島氏も本来は一俳優なので、自身の顔や声が出ない「ゴジラ」としての出演はやはり躊躇されたらしいが、ゴジラの動き方を一人研究し人ではなく動物の動きを真似、独自に開拓したのだから、ある意味では人を演じる当時の役者より役者魂をお持ちの方だと言えよう。

素晴らしい数々の“演技”をありがとうございました。

心よりご冥福をお祈り致します。

 

先週、BSで「大魔神」シリーズを放送していたので、録画して一気に観た。

この「大魔神」も最初の「ゴジラ」と並んで、大人の鑑賞に堪えうる特撮映画である。

幼児期は、この大魔神の顔、特に目が怖かった!

この目!!

ゴジラが動きで凄さを表しているなら、大魔神は目の表情だけでその存在感を表しているようだ。

こちらの大魔神を演じたのは橋本力氏。

今まで知らなかったのですが、元々はプロ野球選手だったそうです!!!

毎日オリオンズ(現 千葉ロッテマリーンズ)の外野手だったとのこと。

ところが二軍落ちしていた頃に、オリオンズの親会社の大映が野球映画へアドバイザー兼出演をしたところ、演技中の事故で怪我をして野球選手を断念する憂き目に…。

そこでその映画関係者が役者への転向を勧められたことから俳優生活が始まる。

この「大魔神」の眼力、俳優を志す気など毛頭無かった人に出来る演技ではないと驚くばかり。

だって今観ても怖いですもん!

(あと、この映画の凄いのは1時間半足らずの尺なのに、大魔神が登場するのは1時間を過ぎてから!それまでドラマとして持たせるのも“映画”としてしっかりしているからだと思うのです。)

そしてこの方のもう一つの大きな出演作が、実は「ドラゴン怒りの鉄拳」なのです!

故ブルース・リーの“ドラゴン”カンフー・シリーズの1つで、戦時中に中国を支配していた日本の悪徳柔道家との戦を描いた作品。

橋本氏はその悪ボスの柔道家を演じた方でした!

いやぁ、プロ野球選手~スーツアクター~本場香港でブルース・リー作品にまで出演なんて、凄過ぎますって!!!!

嬉しいことに橋本氏は現在83歳でご健在だそうです。

 

自分が幼少時に流行った特撮映画シリーズのもう1本に「ガメラ」シリーズがありました。

ついでに初代ガメラを演じた方を調べたところ、荒垣輝雄氏だと判明。

荒垣氏は3年前の2014年に永眠。

ガメラだけでなく、円谷作品でも多くのスーツアクターとして登場されていて、「ウルトラマン」の第1話の怪獣“ベムラー”を始め、最終話の“ゼットン”まで、多数出演されていたようです。

 

 

中島春雄氏、荒垣輝雄氏を追悼するとともに、ご健在のスーツアクターの皆様に感謝の念を込めて花束を捧げたい気持ちです。