最近、ネットで話題になった某公立科学館で“「うんち」と「うんこ」は違う”と解説し、さもそれらしく解説がなされていたものだから納得する人続出したものの、その解説の出典元はネットに出ていたデタラメのものを信じてしまった、ということだった。
ん~、公立の科学館がネット上のものを無条件に信じてしまうのは…。
とは言え、似て非なる言葉ってあります。
そこで、前から気にはしていたものの、その正確な意味を調べずにいた言葉を2つほど調べてみた。
1、「おざなり」と「なおざり」
正直、何かをきっかけに「お」と「な」と「ざ」の位置が変わってしまった言葉かと推測してました。
でも違った。
ニュアンス的には、手抜きとかいい加減な態度で臨むとか、っていう感じではあるのだが。
まず「おざなり」。
「おざなり」は、漢字で書くと「御座なり」 で、元は幇間(=太鼓持ち)の隠語説と言うのが一般的らしい。
お座敷がかかった時、お客のランクによって扱いを変えたことから来ている。
どうでもいい客の場合は軽く「御座なり」に済ませた、というところから。
対して「なおざり」は、「猶避」と書くようだが、当て字らしい。
軽くあしらうというよりも、必要な対応をせずに避けて通るというニュアンスが強いようだ。
したがって、「おざなり」は物事に対し手抜き、「なおざり」は物事を避ける、と微妙な感じながらも確かに違うものだった。
2、「よろん」と「せろん」
今まで「世論」を「よろん」と読む人と「せろん」と読む人に分かれていたのかと思っていた。
元々「よろん」は「輿論、与論」と漢字表記し、「せろん」が「世論」と書くとの事。
本来「よろん(輿論、与論)」は社会的合意を意味し、「せろん(世論)」は一般大衆の気分や人気を指すものだったようだ。
しかしながら、時代の流れで現在では「世論」を「よろん、せろん」とも読むし、どちらが正しいとか明確な使い分けは無いらしい。
まさか「うんち、うんこ」の差から「世論」の意味と歴史を調べることになるとは思わなんだ。(笑)