先日、テレビで某テレビ番組を観ていたら、ヘヴィメタル・シンガーが歌って食レポをするのでその食べ物が何かを当ててください、と言うクイズシーンがあった。
そこで紹介されて出て来たのが“冠徹弥”だった!
冠徹弥は、自身のバンド「THE 冠」というバンドで活動もしているが、劇団☆新感線のロックヴォーカルのシーンで登場し、吉田メタルとともに欠かせないミュージカル俳優(?!)としてご存知の演劇ファンが多かろう。
冠がデビューしたのが、バンド「So What?」だった。
このSo What?が凄かった!
残念ながらヒットに恵まれず解散したが、彼らのスピリットが絶妙なメッセージを発していた。
ロックをリスペクトしながら、ロックを馬鹿にする。
身体を張って演奏するが、笑いを起こさせる。
メッセージがあるのだが、エンタメ性が突出している。
等々…、背反する2つの要素を奴らは一緒くたにしてしまうのだ!
冠徹弥のキャラがあってのことだと思うが、「馬鹿でー!」と指をさして笑うが、「痛快!」と大きな拍手も送る、ライブではヘッドバンギングやダイブ、モッシュも起きる、そんな世界をSo What?は作り上げていた。
おそらく彼らの作品はもう廃盤だろうから、プロモーション・ビデオでぜひ体感していただきたい。
まずは、デビュー作品の「バカWhat?」。(笑)
都内のゲリラ撮影、また昔の仮面ライダーで出てくるような石切り場で「これでもか!」と言うほどに爆弾と火炎放射器に囲まれての演奏。
しかしながら、爆弾にも炎にも負けないパフォーマンス。
何故か全裸で爆弾で吹っ飛ぶ冠徹弥。
最後はそれを破裂させるんかい!というオチまで付けてくれる!
気合入れてご覧下さいませ。
どうですか?!
冠徹弥のパフォーマンスもすごいですが、要潤似のギターもギターをパーカッシブに叩いたりDJサウンドのようにピックで弦を擦ったり、こういったヘヴィ系ロックでは見かけない技を見せてくれる。
そして、お猿さんのようなベースと熊さんのようなドラムのリズム隊も捨てがたいキャラだ。
冠のハイトーン&シャウトで聞き取り難いが、「クソチンコ!」とか「クルクルパー」とか今では間違いなく放送禁止楽曲に指定されるようなワードが盛り込まれている。
しかしながらメッセージとしては、生きるならバカになるくらい激しく生きろと言うことを、よくあるロックソングの詞ではなく、So What?流に発している。
まさにロックミュージックに対して浸かってた奴らが、その先のロックミュージックに宣戦布告しているようなデビューだと思う。
そんなSo What?が、次は「男」の闘いを見せる。
このキャラなら、プロレスとか体育会系と対峙するのかと思いきや、そこはSo What?らしさでちょっと違う。
こんないでたちで、こんなサウンドで、乗り込んだ先はなんと…ゲイクラブ!
こっちと戦うか?!(笑)
そこで演奏する曲は、よりにもよって「一発かましたれ」という曲ですから。
おいおい、大丈夫かよ。
当然大丈夫じゃないです。
多勢に無勢でボコボコにされるメンバー…。
しかし、冠が服を脱ぎ半裸になったとこから、ボスキャラ(?)のドラッグクイーンが登場し、状況が一転する!
まあ、観て下さい。
何でもこの現場は、本物の新宿二丁目のクラブで、本物のゲイ男性だけを集めてシュートしたとのこと。
凄すぎ…。
後半、ゲイと判り合えて盛り上がるとメンバー全員、ゲイに触られたり舐められたり、マジで嫌がってるのがよく見ると判ります。(笑)
何度も言いますが、ゲイクラブで「一発かましたれ」と叫んではいけません。(大笑)
そんなSo What?ですが、この後は迷走?ニーズ応対?
微妙な方向へ走っていきます。
それはまた、次回。
続く。