ワンコイン寄席@神田連雀亭 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

前スレッドで、申年に合わせて千代田区猿楽町を散歩したことを書いた。
その際、お隣の淡路町駅近辺まで足を伸ばしたところ、「神田連雀亭」なる寄席を発見。
連雀亭1
連雀亭2
するとちょうど寄席が開場したところで、木戸銭500円で入れる!という。
これは、正月からありがたいと入場することにした。

この「ワンコイン寄席」は午前の部のみで毎回3組出演。
午後は昼夜問わず¥1,000で入場できる。
ちょうど、ビルの入口で入ろうかとしたら、和服姿の間違いなく噺家さんのイデタチの若い方が降りてきて、「もう入れます?何階ですか?」と尋ねたら丁寧に対応して下さった。
入場口で木戸銭を払おうとしたら、これまた袴姿の女性が受付対応している。
場内は40席足らずのキャパだが、綺麗でまだ新しい感じの室内。
私が入った時は、4人くらいしかいなかったが、それから30分経過し開演時間になる頃にはほぼ満席状態!
客同士で挨拶する方々もいて、常連さんも付いてるが、基本1人で来る客がほとんど。
皆さん、こんな穴場な感じの寄席をよくご存知ですねー。

さて、この日の出演は、宝井琴柑、立川吉笑、春風亭正太郎の御三方。
まずは、先ほど受付をしていたあの袴女性が登場した。
この方がトップバッターで女流講談家の“宝井琴柑”さん。
宝井琴柑
実はわたくし生「講談」は初体験。
どんなものかと楽しみに拝聴しました。
まあ、物語を1人でどんどん進めていくものなのですが、寄席とあって笑いを引き出そうと合間合間にちょっとしたギャグなども交えてくれたので、すんなりとその世界に入れました。
なんでも、講談は夏は怪談、冬は赤穂浪士で繁盛するが、春と秋が今ひとつ、などと漏らしつつ、この日も赤穂浪士関連の話を講じてくれました。
おそらく「両国橋の別れ」というものと思われる。
あと、講談の同具「張扇(はりおうぎ)」ですか?あれのパンパン!という子気味良い音も相まってテンポ良く聴けました。
最初は、安藤優子が若かったらなんて思えたお顔も、後半はスザンヌに見えてきた。(笑)
汗をかいての熱演、お疲れ様でした。


続いて登場されたのが、ビルの入口で出くわしたお兄さんでした。
この方が立川吉笑さん。
立川吉笑
なんでも最近、ご著書を発行されたそうで、先輩たちに楽屋でこのネタでいじられっぱなしなんて宣伝とつかみの枕から、はじめた落語はどうも創作もののよう。
よくある、隠居のところへおっちょこちょいな奴が行ったところで展開が起きるストーリー。
謙遜して美味いお茶を粗茶と言って出すが、この隠居は粗粗茶と言って出す。
さらに一つ遜って言うほうが相手に失礼でなくなる、という持論から、粗粗品、愚愚妻、等々、色んな可笑しな説明をするやりとりが続き、ならばオイラもと若いのが、隠居を真似てやろうとするも失敗するという、よくあるネタ。
立川吉笑氏、若さならではのマシンガントーク。
かつての三平師匠のよう、あるいは漫才のようなテンポ感。
その分、ちょっと人物の使い分けが雑に映ることも。
しかしながら、こういう方が新たな若い落語ファンを開拓してくれるのかも知れません。
期待したいです。

トリは、春風亭正太郎さん。
春風亭正太郎
実は、昨春、古民家で古典落語を聴く会に行った際に出演されていたのも、この春風亭正太郎さんでした。
あの時もそうでしたが、直前の出演者の枕に沿った枕兼挨拶から。
今回も吉笑さんの本のネタをちょっといじるも、枕もそこそこに本題に。
この日の演目は「火焔太鼓」。
この方の、小僧・子供の喋りというか演技というか、好きだなぁ。
自然な感じがします。
偶然ながらもまた彼の噺を聴けてよかった。

この「連雀亭」ですが、『二ツ目』と呼ばれる若手芸人専用の寄席専門で、巣鴨にも「獅子座」という同様の寄席があり、この2館で、若手が経験を積む場として運営しているとのこと。
よろしければ「連雀亭」足を運んでみてください。