これまで、前編、中編、と記してきた「日比谷公会堂オープンデー」。
今回がその最後、そして86年前の今日、1929年(昭和4)10月20日にこの「日比谷公会堂」は開場したのでした。
ちなみに、その記念公演は、昼の部が「児童の会」、夜の部が「大演奏会」というものだったそうです。
さて、今回はオープンデーならではの催しを紹介します。
まずは「ピンスポットライト体験」。
場所は4階に位置します。
スポットライト機械のある部屋のそばの廊下に、その方法の紹介や、機材の一部が展示されてました。
すでに6人くらい並んでいました。
廊下から見た部屋の内部です。
私の番です。
ステージ上は一般の方々がいるので、ステージ上方の東京都マークにピンスポットを当ててみたものの、当てながら撮影したので私のカメラの「ピン」が甘い。(苦笑)
なかなか触れるものではないし、ましてこんな歴史ある会場のもなので、貴重な経験が出来たと思います!
午後になると、それまで公開していた舞台の転換の模様を見せるという、「舞台転換ショー」と言える催しがあるというので、こちらも見学。
まずは、公開されていた転換前の舞台。
左右の反響版を上に上げていきます。
舞台上を片付けます。
ステージの上方にある照明付き反響板を上へしまい格納していくのですが、この照明付き反響板は3つのパートから成っていて、またそのまま上げれないので、一度下に降ろし、舞台と垂直にした状態にして、上へ上げていくことになります。
まずは一番奥のパートから。
続いて、一番手前のパート。
そして、真ん中のパートをしまう。
ここで、ちょっとしたアクシデント発生!
どうやら、舞台上手(向かって右側)の上部にある暗幕に、板の角が引っ掛かったようです。
無事に回避して、最初の舞台の大きな付帯設備をしまいました。
これが、素の舞台となります。
真ん中にある白い部分は元々設置された反響板の形態を取った壁です。
ここから、次の舞台へと変えていきます。
まずは、暗幕を降ろします。
続いて、舞台を彩るリボンのような羽衣のような演出用付帯設備が降りてきます。
新たな舞台用に照明の位置を調節します。
そして手前に位置する天幕を降ろす。
これで、新たな舞台設営終了。
ついでに緞帳も降ろします。
歴史あるホールなので厳かなものかと勝手に思っていたのですが、シンプルながらもポップな色合いのものでした。
思えば、最近はコンサートや演劇などでも、この「緞帳」が下りてることって無いですね。
緞帳が上がって眩しいステージが見える瞬間って好きなんですけどねー。
で、緞帳を上げます。
完成形舞台のお目見えです。
当初の白を基調にした明るいシンプルな舞台から、シックな色合いの落ち着いた感じの舞台へと転換しました。
この転換後の舞台へ、再び上がってみたいと思います。
間近で見る演出用付帯セット。
続いてステージからカメラを真上に向けて上方の照明をパチリ。
先ほど、ピンスポットライト体験を楽しんだ調光室を撮影。
そして、最後に公会堂自体を1度出て、1階にある「アーカイブ・カフェ」を覗いてみた。
こちらも、なかなかいい感じです。
正面に見える大きな木箱…。
蓄音機です。
決してレコードプレーヤーではありません。
なので、SP盤も色々あります。
蓄音機でSP盤で奏でられる名演に耳を傾けながら皆さんお茶をしつつ寛いでいます。
この「アーカイブ・カフェ」は今年の4月にポール・マッカートニーが来日した際に立ち寄り、3回も通ったそうです。
ちなみにこの日比谷公会堂建築に尽力し、会場内のレリーフとなった安田善次郎は、ビートルズのジョン・レノンの妻オノ・ヨーコの祖父だそうです。
縁なのですかね?
この「日比谷公会堂オープンデー」なかなか貴重な見学の機会となりました。
各所に配置されたスタッフの方々皆さんが、1つ訊ねると10答えてくれるくらい親切で自分たちの勤務地を勉強し誇りを持っているんだなぁ、と思いました。
しかしながら、この日比谷公会堂も来年3月いっぱいで一旦クローズとなり、その後メンテナンスしてから再開場の予定ではあるらしいのですが、それがいつか?どのくらいの規模の改修なのか?などは現時点では全く解らないそうです。
皆様も機会があれば、残った5ヶ月間のうちに日比谷公会堂を訪れて、音楽や演劇、講習会などを楽しむのも良いかと思います。
<完>