ALFA MUSIC LIVE (2015.9.27@オーチャードホール) | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

昨日は知人の粋な計らいで、「ALFA MUSIC LIVE」というイベントライヴを観にオーチャードホールへ行った。
かつて「アルファレコード」というレコード会社があった。
アルファレコード
1977年からスタートし、1995年には消滅した。
前身の音楽出版会社が力を着け、レコード会社を設立。
代表は作曲家の村井邦彦氏だった。
村井氏は、グループサウンズ~フォーク~歌謡曲といった流れの中で誰もが一度は聴いたことのある作品を世に送ってきた。
「エメラルドの伝説」(ザ・テンプターズ)、「廃墟の鳩」(ザ・タイガース)、「朝まで待てない」(ザ・モップス)、「白いサンゴ礁」(ズー・ニー・ヴー)、「或る日突然」(トワ・エ・モワ)、「翼をください」(赤い鳥)、「夜と朝のあいだに」(ピーター)、「ざんげの値打ちもない」(北原ミレイ)、「経験」(辺見マリ)、等々。
そして、この後発のインディーのようなレコード会社が日本の、そして世界の音楽を変えることになった。
それは、排出したアーティストだ。
日本の音楽シーンを変えた人物、そう荒井由実(現、松任谷由実)、そして世界の音楽に影響を及ぼしたのがイエロー・マジック・オーケストラ(Y.M.O)。
この2組だけでもう凄いということになる。
個人的に付け加えるなら、ここに音楽ではないレコードとして大ヒットしたスネークマン・ショーをリリースしたことも声を大にして言いたい!

昨日は、村井邦彦を筆頭にかつて「アルファレコード」から作品を発表したミュージシャンが集結したのだった。
いきなりナレーションで案内されプレゼンターとして登場したのが荒井由実。
彼女は作家契約を14歳で結び、高校時代に自身がデビューする話になっていったそうだ。
その彼女が作った曲が採用されたのが、彼女の世代では大スターだったザ・タイガースを脱退した加橋かつみで、この日のトップバッターとしてプレイした。
その後もコメンテーターの安藤和津が、同じミュージカル仲間だった3人グループのガロを紹介。
もちろん2名は他界しているので大野眞澄が1人で演奏。
その後は、これでもか!というくらい様々なジャンルの人々が登場!
演奏者としては、主役の村井邦彦をはじめ、ユーミン、加橋かつみ、ガロの他は、赤い鳥(紙ふうせん、村上“ポンタ”秀一)、小坂忠、コシミハル、サーカス、シーナ&ザ・ロケッツ、ティン・パン・アレー(松任谷正隆、細野晴臣、鈴木茂、林立夫)、高橋幸宏、日向大介&エンカウンター、ブレッド&バター、雪村いづみ、吉田美奈子らが、それをサポートするバックバンドも、武部聡志、河村“カースケ”智康、鳥山雄司、須長和広、本間昭光、松岡奈穂美、今井正喜、須藤美恵子といった現在の実力派のメンツ。
コメンテーターだけとしての登場には、桑原茂一、坂本美雨、野宮真貴、向谷実、服部克久、と。
このほかに、上掲ほかアルファと縁のあるミュージシャンのご子息で、大村真司(大村憲司の息子)、林一樹(林立夫の息子)、Asiah(小坂忠の娘)もゲスト出演しての一大パーティーであった。

個人的には、長老組みの方がやはり凄さを感じました!
まず雪村いづみさん!
80近い御年にもかかわらず、声量や張り、そしてブギも身軽にリズムに乗り踊る。
ただ、ティン・パン・アレーがバックだったので、エンディングにとまどい「やだー!間違えちゃったぁ~!ごめぇんなさいねぇー!!」と素っ頓狂に喋るあたりが可愛くもあり、慣れぬ演奏形態だったようだ。
そしてもう1人が小坂忠。
いまでは牧師活動の範囲で音楽もやっているらしい。
しかしこの日の生ギターの弾き語りで歌う彼の声、歌そのものは心に染みるものがあった。
あとこれも人情家の私としては、シーナのいなくなったシーナ&ロケッツにもジンと来るものがありました。
シーナがいないので鮎川誠がギターを弾きながら歌う。
はっきりいってこの人、歌は下手。
ギターは激しく饒舌だが、歌は声がマイクに乗らないレベル。
でも、でも、なのだ!
シーナの想いを俺がやらずに誰がやる?!
シーナの代わりなんて誰も出来ない!!
だったら俺が歌う!
そんな気持ちで歌うことにしたのだろう。
そして彼らの演奏中にスクリーンが降りて来て、在りし日のシーナの画像、演奏シーンや宣材写真以外の家族との記念撮影なども混じり、そりゃ見てる側はね胸が熱くなりますよ。
正直言えば反則。
でもでも、このバンド、この夫婦から溢れる人柄があるからね。

最後は村井氏のピアノ弾き語りで、アルファレコード設立時のもう一人の発起人だったという作詞家、山上路夫と昔作った作品「美しい星」を披露。
山上氏も今では病床に臥せっているそうです。

この公演は本日も同会場で行われます。
ただチケットは2日ともソールドアウトと聞いています。
なお、本日はさらにもう1名、山本達彦も登場とのこと。
(山本達彦もせっかくなら観たかったかなー!)