前スレッドでは、夏に聴く洋楽アルバムを一部紹介しましたが、今回は邦楽から。
そもそも日本ぐらいなのでは?
いわゆる“サマーミュージック”とか“リゾートミュージック”といった夏の青空や海・浜辺を彷彿させる音楽を括って打ち出すシーンが存在するってのは。
(ま、日本の四季感あってのことなのでしょうが)
そんな中で海でもリゾートでもないアルバムなのに、何故か夏になると聴いてしまうアルバムがある。
●『A WONDERFULL TIME.』沢田研二(1982年)
ホント何故このアルバムだったんだろう?
いまさら考えてみたところ、
・発売が’82年6月で夏に聴いたから。
・ジュリーの声質やサウンドの音質が涼しげ?
・収録楽曲群にポツポツ夏の季語(笑)があることから。
・判り難いがアートワーク画像は室内プールサイドで撮影。
なんてところがその原因なのかも知れない。
別に沢田研二ファンというわけでもなく、むしろ一昨年の年末に見たザ・タイガースのライブで沢田研二の声を良いと思ったくらい。
ちょうどこの頃は、数あるシングルヒット群の中の「お前にチェックイン」を歌ってた時期。
バックバンドにはエキゾティックスを従え、洋楽で言うとヨーロッパ系の全体的に浅めのリバーブやDX7系のシンセサイザーの音、コンプレッサーを効かしたギター、そしてジュリーの声が艶がありつつ涼しげでもあるあたりが、夏の曲ではないのに涼しさを思わせる気になっていたのだろう。
歌詞にも“夏の夜”、“青い海”といった単語も登場するが、むしろ“エアコン”や“クーラー”といった語群が都心住まいの自分にはしっくり来たのでは?とも推測。
そんな曲で沢田研二作詞/作曲の「ZOKKON」。
曲のようにエアコン効かしてデカい音でよく聴きました。
もう1曲アルバム・タイトルでもある「A WONDERFULL TIME」。
リズムもほんのちょっとラテン入ってますね。
沢田研二の一番良い時期とは違う(個人差あるとは思いますが)かもしれないが、自分が持ってる唯一のジュリーのアルバムでした。
続いては、モロ夏なベタなものを。(笑)
そもそも、日本におけるこの夏の音楽、ビーチミュージックみたいなのは、いつからのことだろう?
それは、日本のサーファー第1号とも称される俳優/歌手で、先日ツアー引退公演を行なった加山雄三からではないだろうか?
湘南に育ち、この湘南からはワイルドワンズ、そしてサザンオールスターズと海、夏のイメージが大きくつき「湘南サウンド」なるジャンルまで出て来た。
その後も、TUBE、オメガトライブ、キマグレン、等々、同様なミュージシャンも多い。
そして日本の夏と言うと、大瀧詠一や山下達郎などの作品も根強い人気。
そんな流れを汲み、さらにわっかりやすいアルバムを当時リリースしたのが角松敏生!
●『ON THE CITY SHORE』角松敏生(1983年)
もう、ジャケットが何を言わんや!という感じです。(笑)
この作品は実際、海や夏をテーマに歌詞もそういった演出をする楽曲を多々収録。
それでもってこの方、恋愛というかむしろスケベ心をテーマにしたラブソング作りが上手く、そんなところ結構好きです。(笑)
このアルバムも上掲のあの写真だけなら、まあ夏の海のリゾートをテーマに誰か撮った写真を借りてきた、なんて話もありうるが、この裏ジャケットはこうですもん。
ね。(苦笑)
表ジャケットだけでは「ハイハイ、そんな感じですよね。」とスルーしてしまう可能性もあるが、ひっくり返して(当時はLPレコード時代でした)、この絵柄が出ると妙にリアルなものを感じて、当時の若きスケベ心がじんわりと刺激されていきました。(笑)
このアルバムの中の1曲が、当時カミソリのCM曲に採用され浸透していき、その曲とそれを含むこのアルバムで彼の名も知られるところとなったと記憶しております。
「TAKE YOU TO THE SKY HIGH」です。
時代的に、フュージョン・ブームでやはり夏のイメージがついた高中正義やスクェアなどの人気も相まってこういったタイプのJ-POPが人気となりました。
当時は、ファッション・サーフィンなるサーファー・ブームで、丘サーファーだ偽サーファーだなども出現し、“ボートハウス”や“セーラーズ”などの若年層に流行ったブランドの流行もあって、70年代の貧乏学生生活から華やかで快活な学生生活が、世の中のイケてるライフスタイルとなっていった頃のお話でした…。
最後に、残暑お見舞い申し上げます。