昨日は東京国立博物館へ「特別展 鳥獣戯画 京都高山寺の至宝」展へ行った。
のっけから愚痴りますが、どうも腑に落ちない。
「鳥獣戯画」は一度は鑑賞したいと思っていたので、この催事が決まったときにオフィシャルホームページを見て、前売り券の方が安い-しかもセブンチケットで買うと手数料も取られない、と言う様なところまで調べて、事前に前売り券を購入した。
すると開催間際にホームページである文を見つけた。
会期中4月28日~6月7日のうち、4月28日~5月17日は各巻の前半部分を、5月19日~6月7日は各巻の後半を展示する、との事。
なんじゃ!そりゃ?
それは例えるなら、映画の「ハリーポッターシリーズ」でも「パイレーツ・オブ・カリビアン・シリーズ」でも「ゴジラ・シリーズ」でも「男はつらいよシリーズ」でも何でもいい、これらの作品をまとめて見れますという謳い文句にしておいて、今週は全ての映画の途中まで見せて、残りを見たかったらまた来週来なさい、というのと同じだ。
これはインチキであり、詐欺行為とも言える。
それでも前売り券も買ってしまったあとだったので、泣く泣く我慢して行くことにした。
マスコミでもこの展示はよく報道していたので混雑は予想していた。
そこでいつ行くか?自分なりにシミュレーションした。
営業時間は火~木が9:30~17:00、土日祝が9:30~18:00、金が9:30~20:00となっていた。
本来なら朝イチに行くのが良いのだろうが、展示内容からしてご年配の方が多いだろうと予測して朝イチを外し、金曜の夜を狙った。
そして昨日5月15日、真夏の暑さが東京を襲ったので、ここは日差しの強い夕方15時くらいになると行く気が失せる人も出るだろうと読み、15時に最寄りの上野駅に到着。
国立博物館敷地内奥にある“平成館”が展示会場なのでそこへ15:10分に辿り着く。
すると、もの凄い長蛇の列が…!!
係員が持つ案内板には、建物入館までに“100分待ち”、鳥獣戯画の甲館を展示したブースまで館内で“160分待ち”となっている!
完全に私の読みは外れた…。
つまり今から260分、4時間20分もの間、立って並び待ち続けないとならないのだ!
恐るべし鳥獣戯画…。
待ってる間、平成館敷地に入ってすぐのところにあったクロスワードパズルをして時間を潰す。
これが、なかなか難しい。
鳥獣戯画に関する言葉を入れていかないとならないので、それらの知識や単語を知らないと出来ない。
それでも判る範囲で7割くらい埋めたが、最後の最後はスマホで調べてやっと出来上がった。
もう、足腰が痛くて身体を左右に揺らしたり、前後に反らしたりして、疲労感とひらすら戦い続ける。
そして17:00、ついに入館!
館内は2階が展示室で、エスカレーターを上がって、左手が高山寺の国宝、需要文化財が展示されており、右手が「鳥獣戯画」がある展示室となっている。
正直、国宝だろうが重文だろうがそんなの後回しでみな鳥獣戯画の方に群がる。
そもそも鳥獣戯画は、甲、乙、丙、丁の4つの巻物からなる。
学生時代の教科書にも出てきて馴染みがあるあのユーモラスな擬人化の絵の巻物が「甲巻」で一番人気だ。
さて、ここで選択肢が2つに別れる。
すぐに160分並び「甲巻」を見るか、ほとんど並ばずに見れる残りの3巻から見るか、だ。
先に「甲」を見ようと並び、ここで予想以上に時間がかかり、他のが見れないというのも嫌なので、先に他の3巻から見ることにした。
しかしながら、ここでまたなんじゃ?そりゃ!と思ってしまう事が。
普通、順番に見せるものでしょ?
つまり、「甲」(これは後に見ることにしたが)→「乙」→「丙」→「丁」の順で見たいのだが、順路は「丁」→「丙」→「乙」と時代を遡っていく順で展示。
これも腑に落ちない。
17:25、「甲巻」鑑賞列に並ぶ。
再び、足腰の負担、疲労感に耐え続ける。
そして19:02に「甲巻」展示を直接見れる番に!
立ち止まらないよう、係員に促され19:05に甲巻展示ブースを出る。
3時間27分並んで、見たのは3分…。
なんじゃ!そりゃ?(笑)
もう疲れました…。
一番メインで一番人気の「甲巻」の印象が一番残ってないのだ…。(涙)
でもでも、「鳥獣戯画」そのものは本当に素晴らしい!
平安時代にあんな発想で絵を描くというのが想像を絶する思いだ。
当時は、紙や墨なども相当貴重なものだったと思うし、住職や神事、人様の行いを蛙や兎、鼠などで表現するなんて風刺であり、大昔なら不敬罪で死刑にされていた可能性だってある。
ダサい言い方をすれば「ロック」だねぇー。(苦笑)
今でこそ絵もコンピューターで描く時代で、それはそれで新しい絵の描き方で良いのだが、筆1本でこんな絵を描けるアナログ性こそが人が人たる所以なのではないかと改めて思った。
同時にこの絵こそが、現代日本カルチャーの代表「マンガ」の根本だとも思う。
私の好きな1コマ、
こいつは後期展示でオリジナルは見れなかったが、それでも、全巻通して軽い感覚で見ることが出来ながらも、深み、暖かさ、面白さは充分に伝わった。
後期も見たいが、ん~、悔しいのでやめとこう。(泣き笑い)
「特別展 鳥獣戯画 京都高山寺の至宝」展は、明日5月17日(日)までが前期展示。
5月19日(火)~6月7日(日)までが後期展示として開催中。
最後に館内1階の唯一の撮影可能コーナーでパチリ。
ところで、なんだこの犬は…?
それにしてもクッタクタですわ、今日もまだ…。(苦笑)
追記)6年後リベンジしました!a>