
いつぶりだろう?
多分、何十年ぶりに観たと思う。
デジタルリマスター版で、画面ノイズや不備もキレイに修正されていたこともあり、懐かしさだけでなく、新鮮な気持ちも入り込んで観ることが出来た。
いや、面白い!
大人になって、今の時代に観てもいや今だからなのか、特撮技術、ドラマ、音楽、音響効果、メッセージ、等々どれも充分な出来です。
日本人の持つ感性が凝縮されていて、それでいて詰め込み過ぎにありがちな散漫さが無い。
今や世界が賞賛する日本カルチャーの原点でありながら、れっきとした反戦映画でもある。
この「ゴジラ」を観てもらえば、日本人の平和を思う心を他国の人たちに解ってもらえるのでは?などと思ってしまうほど。
これを60年も前に作っていたんだから素晴らしい!
加えて、ちょっと前にテレビで放送した「ゴジラの大逆襲~お前は何者なのか~」と「音で怪獣を描いた男~ゴジラvs伊福部昭」というゴジラに関するドキュメント番組2本もVTRで続けざまに見た。
1954年の最初の「ゴジラ」から今年2014年のハリウッド産2度目の「GODZILLA」までの各関係者の証言や意見なども合わせて観るとその奥深さや人々がゴジラに対する思いがどういうところで募るか興味深かった。
自分の世代では子供の頃、ゴジラはヒーロー化していて、当時はもちろんそれはそれで面白く夢中で観たが、やはり人間に脅威-言い換えれば人間のエゴによって正義でも悪でもないとてつもなく大きな存在感と破壊力を持つ象徴でいるゴジラが作品としては面白い。
アメリカでも50年代にゴジラが上映されたが、実は平和を考え葛藤する部分などはカットされ、娯楽作品として上映されたとのこと。
オリジナルのゴジラがアメリカで初めて上映されたのはたかだか10年前の2004年だったなんて驚き。
でも、そのオリジナル「ゴジラ」を観た若いアメリカ人の一人も「こんなに深く、哀しみのある映画だったと感動した」というようなコメントを発していた。
そう、そこがポイントなんだよなぁ。
哀しみを認識・理解できて、優しさや強さが育つのだと思う。
そう言えば、私の仲介でアメリカ人女性と結婚した知人が、新婚旅行と先方家族への挨拶を兼ねたアメリカ旅行の際に向こうで買ってきてくれたお土産が何故か「ゴジラ」だったが、それはそれで色んな意味で嬉しい物だった。
そのゴジラは今も私の部屋にいる。

もう、尻尾が変な風に折れてしまったけど…。
この初代「ゴジラ」はあさって(7/11)までだが、60周年記念でデジタルリマスター版で劇場上映していると言う。
(映画館で観たかったー!)
そして、ハリウッド版の最新作も7月25日に日本公開とのこと。