会場は日本武道館。
この日の大会は、小橋健太の人柄が忍ばれる内容でした。
今回は、引退セレモニーと引退試合のみ、取り急ぎ記しておきます。
ジャイアント馬場率いた頃の「全日本プロレス」、そして馬場さん亡き後に三沢光晴が率いた「プロレスリング ノア」、そしてフリーランスへと、その所在を変えながらも、常に変わらぬ闘志、人気でプロレス界を代表するプ小橋健太選手。
馬場政権下では、ライバル団体「新日本プロレス」と比較され、地味と言われがちだった「全日本プロレス」でタイガーマスク=三沢光晴とともに空中戦も行なうヘビー級レスラーとして、また端整なルックスとともに華のある選手でした。
1988年2月26日大熊元司戦で「全日本プロレス」デビュー。
「オレンジクラッシュ」(当時のパンツカラーから)、「青春の握り拳」(決め技の前に拳を握ってアピールすることから)、「絶対王者」(その強さで選手権王者を維持したことから)、「鉄人」(何度も大怪我・大病を克服)などと呼ばれた。
小橋健太詳細はこちらで。
この日は、第2試合後にまず「引退セレモニー」が行なわれた。
場内スクリーンで小橋の歴史が紹介されると初期のテーマ曲に乗って、スーツ姿の小橋健太選手が入場。

まずノア社長でもある田上明選手から花束が贈呈されると、その後は続々と関係者がリングに上がってきた。
力皇猛、馳浩、AKB48倉持明日香、福澤朗アナウンサー、テリー伊藤、徳光和夫、伍代夏子、野田佳彦前首相、らに加え業界関係者も上がった。
その後、スクリーンで全日本時代にタッグパートナーでもあったジョニー・エースや、スタン・ハンセンのコメントが紹介されると、さらに、百田光雄、蝶野正洋、が駆け付け、最後は川田利明がリングに上がると場内は盛り上がりのピークに達した!

久しぶりの川田は、なんかもう一般人のような感じでした…。

挨拶で小橋は「(自分としてこのあと)1試合残っているので最後まで応援お願いします。」と語り、リングを後にした。
そして、メイン・イベントの時間がついに来た!

会場のボルテージはマックスに!
引退試合のカードは、小橋健太、武藤敬司、佐々木健介、秋山準組vsKENTA、潮崎豪、金丸義信、マイバッハ谷口組の8人タッグマッチ。
本当なら、小橋のシングルマッチ、せめて2対2の4人タッグくらいの試合が観たかったが、身体の問題や思いや諸事情もある中での選択だろう。
ちなみにこのカードは、小橋選手がライバルとして闘いベストバウトを取った3人とタッグを組んで、対戦相手には歴代の元付き人だった選手4人を迎えての試合。
各選手が一人づつ自身のテーマ曲に乗って入場。
もちろん最後は小橋。
小橋コールが会場の日本武道館内に鳴り響く。
そして小橋リングイン!

リングアナウンサーから小橋選手がコールされるや紙テープが舞う。

役者は揃ったというところか。

いざ試合開始となる直前、早くも赤コーナーの小橋組では、小橋が自分が最初に出ると他の3選手に伝えるや、ここで場内は青コーナーにいる大KENTAコールが起こる。
最近、kENTA選手はヒールなんすかね?
しばらくそのコールに応えずに時間が経過するが、最後は折れて自分が他選手を制して先発を買う。

そしてゴング!

お互いロックアップからロープへ背をつける展開を繰り出す。
ロープブレイクで小橋はクリーンに離れるが、KENTAは離れ際に張り手をかます。
そしてエルボー連打で小橋を攻めるも、小橋の代名詞でもあるチョップの連打のお返しでKENTAダウン。
その後は、各選手が次から次へと登場して見せ場をつくっていく。
秋山vs潮崎

武藤vsマイバッハ谷口

小橋・佐々木vsマイバッハ

小橋vsマイバッハ

途中、4対4の見せ場も作る。

武藤の4の字固め~小橋のコブラツイスト~健介のストラングルホールド~秋山のフロンネックロックの競演!
豪華ですな!!
そしていよいよ終盤。
武藤のムーンサルト・ドロップが炸裂!

震災復興イベント「ALL TOGETHER」で見せた展開を再現すべく、ここで武藤が小橋にもムーンサルトをリクエスト。(でも、「ALL TOGETHER」でこれをやらせれた小橋の膝が壊れて引退になったのに…。)
それでも最後だから小橋もすかさずコーナーポスト最上段に登り、ムーンサルト・ドロップ!

当然これでカウント3!!

勝者、小橋健太!

試合の詳細は、こちらでどうぞ。

そして、対戦相手も含めて8選手全員で客席の歓声に応える。

試合後に勝利者インタビューや挨拶など行なう準備を行なうとするも、早まったファンたちが投げ入れた紙テープをリング下に落とす作業をしているとき、小橋の足に絡まった紙テープを自分では取れないようでレフェリーが取りだしたのを見て、やはりよほど足の自由が利かないのだと痛感した。

それなのに、よく頑張ってくれた。
最後に小橋選手から挨拶。

とにかく最後まで、口ベタながらも、ファン、そして関係した全ての人に感謝しているということを一生懸命に伝えようとしていた。
この人の人徳が伺える。
時にプロレスはギミックや演出によって、口が悪かったり、人を威嚇したりするのが常だが、小橋さんは絶対しない。
真っ直ぐな人なんだなぁと思えて仕方ない。
そして再びリングアナウンサーによる最後の小橋健太コールが起きると、再び大量の紙テープが投げ込まれた。


そして出場選手全員との記念撮影。

この撮影後も、全選手(試合に出ないで会場に来た他の選手やレフェリーとも)と握手をし何か一言言葉を交わしていた。
そしてリング上で一人になって、いよいよリングを降りるという最後に、小橋は赤コーナーに歩み寄りコーナーに顔を埋めて長い時間じっとしていた。

思わず見てるこちらの目も潤んでしまう。
一緒に行った知人はもうずいぶん前から涙が止まらない。
そして本当にリングを降りる。

小橋健太選手、今まで本当にお疲れ様でした。
そして数々の名勝負をどうもありがとう!