NOBODY(ノーバディ)、どのくらいの方がどのくらいの知識でご存知だろうか?
NOBODYは相沢行夫・木原敏雄という2人からなるグループ。
2人は元々、矢沢永吉のサポート・ギタリストとしてライブ活動をサポートしていた。
また曲作りにも参加して「ウイスキー・コーク」など幾つかのナンバーは彼らが詞を提供していた。
1981年にNOBODYとして活動開始するのだが、自身のアルバム制作やライブといったメインの活動と並行して、楽曲提供の作家活動も行ない、他のアーティストのレパートリーやCMソングとして流れていた。
そしてこの作家活動の方が、広く知られる名曲を生み出すことになり、本人たちもよく「ロック界の藤子不二雄です(笑)」と語っていた。
デビュー30周年記念として、そのNOBODYの初期のアルバムと提供曲のデモトラックが入ったCD-BOXが先ごろ発売になり購入。
私は、大好きだったので、すでに彼らの作品は全部持っているのだが、最新のリミックス、リマスタリングも施してるとのことなので購入。

1982年リリースの1stアルバム『NOBODY』から『POP GEAR』、『NIGHT WALKER』、『From A Window』のスタジオ制作アルバムの初期4作(『POP GEAR』のあとに『ライヴONE』というのがあった。)に、『マージー・ビート・メドレー』と2枚組みの『Demo Tracks』が入ったもの。
今回のボックス・セットは初期のTDKレコード時代(今や無いメーカーですね。)のものなので、特に彼らの原点となるセンスが詰まった頃の作品たちです。
その後、NOBODYは、東芝(現EMIミュージック)、ハミングバード(これも無い)、WEA(現ワーナーミュージック)と移籍を続け、もう何年もアルバム制作、ライブ活動は行なっていない気がする。
(アルバムも現在では廃盤かと…。)
NOBODYの魅力は、ビートルズを筆頭にマージー・ビートと言われた60年代の英国ロック・ポップの雰囲気を持った作品群である。
80年代の頃、懐かしさと新しさ、洋楽のカッコよさと邦楽の親しみ易さ、そして2人のハーモニー、何よりセンスが良いと思った。
2人とも英語に堪能なようで、最初のアルバムは全て英詞だし、他人に提供した曲をカバーする時は英語バージョンで歌うあたりカッコ良い、やはりセンスが良いのだ。
そのセンスは先に書いた作家活動が証明する。
以下はNOBODYの有名な提供作品です。
アン・ルイス:「六本木心中」、「ああ無情」、「LUV-YA」
吉川晃司:「モニカ」、「サヨナラは八月のララバイ」、「You Gotta Chance」
浅香唯:「C-Girl」、「セシル」
荻野目洋子:「フラミンゴinパラダイス」、「ストレンジャーtonight」
ハウンド・ドッグ「浮気なパレットキャット」、光GENJI「奇跡の女神」
などは、NOBODY作品である。
他にも、沢田研二、宇都宮隆、川村かおり、山下久美子、小泉今日子、サーカス、ジューシー・フルーツ、柳ジョージ、ニック・ヘイワード、他多数に提供し、変わったところでは古谷一行(息子はドラゴン・アッシュ)や渡辺謙(こちらは娘がモデルで女優の杏)もNOBODYの曲でCDを出していたし、アニメの「タッチ」や「きまぐれオレンジロード」で使用する曲も実はNOBODYが書き下ろしていたりする。
これだけ多くのところから依頼が来ていたのだから、やはり彼らの才能は素晴らしいものだ。
実は当初、私はNOBODYは当時流行りだした打ち込み系のお洒落ポップグループなのかと思っていた。(あの頃で言うと、サロン・ミュージックみたいなね。)
ところがある日ラジオで聴こえてきたどこか懐かしくも親しみ易いメロディーに男らしさが根っこにある歌声…一目惚れならぬ一聴惚れの曲が「BACK TO '64」というNOBODYのナンバーだった。
これで、NOBODYをチェックし始めてファンになった。
その後、星薬科大学の文化祭、渋谷公会堂、青山スパイラルホール、日清パワーステーションなどで彼らのライブも何度か観たなぁ。
懐かしい思い出もありがたいが、ぜひそう遠くないうちに新作とライブをお願いしたいところです!
『NOBODY BOX Early Days』は通販限定発売ですのでお求めの方はこちらでお求めになれます。
追記)
NOBODYの1人木原敏雄氏が2016年現在活動しているバンド“SHORT SHORTS"のライヴレポートをこちらに上げました。