昨年までだったら、プロ野球のオープン戦でもう先月(3月)には足を運んでいたのだが、あの震災で野球開催自体が社会的問題になってしまい、ようやく今年初の野球観戦となった。
本日は、プロ野球チャリティーマッチが開催されて、神宮では東京ヤクルトスワローズvs広島東洋カープ戦が開催された。
今年初というのもあるので混むかな?と思い、チャリをぶっ飛ばして少し早めに出かけた。
でも着いたら、意外と空いていた…。
入場するとスコアボードに節電中の断り書きの文。

他にもアナウンスや周囲の人々の会話から、「球場内の販売は7回裏終了」までとか「応援は鳴り物禁止」とか時節柄の自粛が色々とあるようだ。
私の座った席の後ろに若い男性客2名がいて「なんか空気重いなぁ」とか「弾ける感じじゃねぇな」などの会話が聞える。
確かに、ちょっとした緊張感のような空気が観客各自の中にあった気がする。
そんな中、球場の近所で購入したビール(正しくは第3のビール飲料って奴?)をプシュッと開けてグビッとやった。
やはり天気の良い昼間(まだ11時30分)に外で飲むビールは美味い!
今日はキリンの「濃い味」と言うのを飲んだが、なかなか美味い、というか香りが「プレミアムモルツ」とかの良い香り系だ。
ローカロリーだし、ちょっといいかも!
試合開始の13時までこれを飲みながら日向ぼっこをしてのんびり過ごしていると、スターティングメンバーの発表が始まる。

スワローズの先発は館山、今年も彼が中心投手となるのだろう。
でも5番に相川捕手というのもすごいな…。
ちょっと腹が減ってきた。
事前に買ったおにぎりもあるが、先に書いたように今日は7回までしか場内販売をしないので、ここで買出しに行く。
神宮球場名物の「ウインナー盛り」だ。
これも久しぶりだなぁ。
買ってきた「濃い味」はとっくに飲み干したのでビールを買おうとしたら、震災で亡くなられた方々への黙祷が始まった。
選手、関係者、観客、全員が脱帽で立ち目を閉じる。
続いて、両チームの選手会長からの挨拶。
スワローズは石川投手、カープは石原捕手が「元気を与えられるプレイ」をして引き続き支援をできるように行動したいと語った。

さ、ここでビールを、と思ったら客席内で販売するスタッフが一人もいない・・・!
しばらくするとサーバーを背負った売り子さんは出てきたが、これは高いので缶または瓶で売る人を待つがなかなか現れない。
しばらく経ってようやく客席内に登場。
瓶ビール¥450を購入して、やっと「ウインナー盛り」を口にする。

そして対に試合開始!
今年からボールの質が変わったことが影響しているのか、投手戦となっているのか快音がなかなか聞けない。
どちらも、エラーやちょっとしたことで出塁するも点を取るには至らないまま、どんどんとゲームが進行して行く。

5回裏にもスワローズはランナー1塁のチャンスで宮本選手がやってくれるかと思いきや凡打。
こんな展開が両チームとも続く。
7回に試合が動く。
7階裏、スワローズは新外国人バレンティン選手が出塁し、宮本選手の送りバントで一死三塁のチャンスを作る。

続く川端選手がレフトへ犠牲フライで先制。
そして続く途中出場の濱中選手が、レフトスタンドへホームラン!

2点先取のまま、8回には1塁にいた代走の三輪選手が、相手の悪牽制球によるエラーで一気に2塁→3塁→ホームとものすごい脚力と判断で1点追加する。
そして最後はスワローズのクローザー林昌勇投手が難なく仕事を終え、3-0でスワローズが勝利した。

終了後はスワローズ勝利ゲーム恒例の「東京音頭」を自粛して「がんばれ!がんばれ!東北!!」で〆るとスワローズ応援団が声を出して案内した。
そこでライトスタンド全員が立って「がんばれ!がんばれ!東北!!」とエール、それを受けてレフトスタンドが今度は全員起立で「「がんばれ!がんばれ!日本!!」で返してくるではないか!
それを受け、今度はライトスタンドが「ニッポン!(チャチャチャ)ニッポン!(チャチャチャ)ニッポン!(チャチャチャ)」で応える。
そんなエールを敵味方ながら心をひとつにしてのやり取りしていて、思わず目が潤んでしまった。
これから電力問題で野球(他のスポーツやステージなどもだが)の今後も厳しい状況になるだろう。
でも、やれる範囲で許される範疇で、頑張って欲しいと思う。
帰り道には、もう桜もだいぶ花を咲かせていたのを見た。

毎年、何があっても冬の後に春が来て、春が来ると花が咲く。
それはこれまで一度も変わったことがない日本。
辛い状況だけど、この日本の自然を見習って、私たち日本人は春へと変えそして花を咲かせることができるだろうか?