今年は生誕70周年・没後30周年というのがあり、元ビートルズのジョン・レノンを取り上げて紹介するのをよく目にする。
ジョン・レノンと言えば、ラブ&ピースの体現者としての紹介で、彼がいかに愛と平和を望んでいたか、という話が殆どだ。
多くの人に知られていないが、実は12月8日はもう一人偉大なミュージシャンの命日である。
アントニオ・カルロス・ジョビンというボサノバ音楽の生みの親と言われている人物だ。
ここ何年も「和み」や「癒し」として日本でのボサノバ人気は伸びる一方である。
ちなみに彼は、1994年の12月8日に他界している。
彼の作品で有名なのは「イパネマの娘」だろう。
一説によるとこの曲は、先のジョン・レノンが在籍したビートルズに次ぐ、カバーで取り上げられる数が多いそうだ。
晩年のジョビンは、南米出身者らしくアマゾンの熱帯雨林保護に力を入れ、早くから環境問題を重視して、言わば人間と自然の「ラブ&ピース」を提唱していた。
そんな中で、私たち日本人は忘れてはいけない出来事の日でもある。
1941年12月8日がそれだ。
日本軍のアメリカ真珠湾攻撃の日である。
ニューヨークで凶弾に倒れたジョン・レノンの思い出にうつつを抜かして、「愛と平和」に感傷的になるのは、日本人としては恥ずかしくないだろうか?
真珠湾を奇襲攻撃した(実際には、日本が米国に宣戦布告を発したが、人為ミスで遅れたらしい←アホや!)ことも12月8日には思い出すべきだろう。
今はハワイは、日系人も多く、日本人の殆どがやはり「和み」、「癒し」、「楽しい」という一面だけでハワイを堪能している。
「軽いよなぁ」と思いつつも、でもこれも「ラブ&ピース」のひとつの形、またはかけらなのかもしれない。
師走の忙しさ、忘年会やクリスマス・パーティーで浮かれ気味の季節ではあるが、1年の最後にもう一度、「愛」と「平和」について考える日にすべきではないだろうか…?