処世術。 | 相方は南蛮人

相方は南蛮人

スペイン人パートナーと年子姉妹とのカオスな日々@フランス

 

ということで。

昨日は長女が体調不良で幼稚園をお休みしたので私も大学を欠席して看病(といってもただの風邪なので夜には復活)、今日は何がなんでも大学にいくぞと前夜からやる気をみなぎらせていた。

今朝は通常起床の5時起きからの3人分(子供達&夫)のお弁当を作り、雨の中大学に行ってきた。

とはいえ、この時間にブログを書いているということは大学で勉強していないということである。

 

 

コロナ渦で一斉にネット環境整えてリモートワーク化が進んだにも関わらず、休講の知らせが教室の前のドアの貼紙だけってどういうことだろうか。

大学のネットアカウントから授業で使用する資料も内容も全てアップデートされ、且つ教員・生徒全員が専用メールアドレスさえあるというこの状況で貼紙だけって。

私含むクラスメートの大半は”あぁ、ここフランスだもんね”と笑っていたが、香港女史だけは違った。

怒り狂った彼女は”何故メールなりネットで連絡がこないんだ!”と激怒していた。

”ここはフランス、これがフランスのスタイルなんだから私達は受け入れなければいけない”と私と数人で説明したけれど、私達の説得も振り切って彼女は”事務局に殴り込んでやる”と勇み足でクレームを言いに行ってしまった。

後から来たイラン女史(こちらも香港女史同様アク強め)も何故連絡が来ないんだという怒りから始まり、このコースの教員は英語で質問しても”これはフランス語の授業だから”と英語での説明をあまりしたがらないのだと愚痴り始めいつの間にか彼女に何故か私までも事務室に連れていかされた。

この事務室は私達のコースの事務手続きの窓口なのだけれど、私が知る限り英語が話せる人がいない。

つまり、英語で質問(クレーム)に行っても対応してくれず軽くあしらわれて終わりである。

それを説明してもイラン女史、食い下がらず何故担当教員が欠席なのか英語とフランス語の知ってる単語を並び立てて質問し続ける。

窓口の担当者は”病欠だ”とフランス語で説明してくれた。

ふとその時、今日がGrève nationaleだからまさか子持ちの今日の担当教員も子供の学校の影響で休校決めたのかなと思い”お子さんの学校の影響なんではないですか?”とありったけの仏語をかき集めて聞いてみたけれど、やはり返ってきたのは”病欠”であった。

嘘か真かは定かではないが(もしGrèveだったら昨日の段階で休講決定してるはずだから当日休講の言い逃れできない)、彼女が来ないのは確かなのでようやくここでイラン女史も諦めが付いたらしく事務局を後にした。

 

途中までイラン女史と一緒に帰り、乗り換え駅で別れて待ち時間をすごしていたら事件は起きた。

香港女史に遭遇したのである。

怒り狂っていたとはいえ、さっき少し話したのもあってエンジンかかったのか私に今朝の学校の愚痴を言ってきて、かつ乗車して隣の席に座るのを促されていきなり”いい機会だから質問あるの”と切り出しだされたのである。

朝のクレームといい、このど直球の質問投げかけてくる辺りお国柄なのかはたまた彼女個人の性格なのか。

「最初会った時に凄くいい人だと思ったし、いい友達になれると思ったのに次に大学で会った時はよそよそしくて壁を感じて私ずっと孤独だったわ、どうしてなの?」とトラムの中でエモーショナルな語り口で詰められた私。

「幼稚園での職員の方に対する対応なりお行儀も悪かったし何より人種差別発言する人と仲良くするつもりない」なんて流石に言えない。

更には「私とてもオープンマインドじゃない?でもあなたにとても壁を感じるの、前の彼氏は日本人だったけど私みたいなオープンマインドだったのにどうして!?」と言われてもカップルになる位だからその彼もまた類は友を呼ぶ性格だったのだろうけど私は違う。

とりあえず、「あなたの前の彼氏はあなたに似ていたのね、でも大抵の日本人は私みたいなシャイない人が多いと思うよ、気にしないで」と言っておいた。

家が近所なので下車駅も同じなのだが道中いろいろ聞かれ、「いつもランチどうしてる?」と遠巻きに一緒にランチを取りたいオーラをまとった質問をされた。

これは「ランチ取るの止めたの、その代わり勉強したいから」とかわしておいた。

納得している訳では無い様で苦笑いしていたが、これ以上突っ込まれなかったのでよしとしよう。

 

家に帰り、夫に話すと「面倒くさい人に当たったよね、察するとかできないんだねその人」と返ってきた。

これを同じ大学に通う日本人の知合いに話してみたところこういうときこそ日本のお国芸”困った時の日本スマイル”でやり過ごすのが一番だよねと返ってきた。

日本でやられてイラっとしていたあの日本スマイル、とうとう私も世を渡る為には時として使うことが必要になったらしい。