ギャップ、味覚編。 | 相方は南蛮人

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スペイン人パートナーと年子姉妹とのカオスな日々@フランス

マドリードにお住いの方なら耳にしたことがあるだろう、”Manolitos”。
私がこのManolitosを知ったのは、夫の友人ファミリーが”僕達の近所に凄いおいしいお菓子が売っている”と自信満々に紹介してくれたのが最初である。
因みに、彼らは奥さんが幼稚園の教諭、ご主人は夫と同じ会社勤務、地主だったご主人の実家の生前遺産で高級車に不動産数件所有し裕福な生活を送っている。
彼らが自信満々に紹介してくれたManolitosであったが、これは日本のスーパーのパンコーナーに売っているミニチョコクロワッサンとほぼほぼ変わらないというのが最初に食べた私の感想である。
義弟が以前、”Miguelitos”という中にクリームが入ったミルフィーユの様なさくっとした生地にはさまれている焼き菓子を買ってきてくれた。
聞けばスペイン人なら誰でも知っている有名なお菓子だという。
これを夫含む義家族はおいしいと凄い盛り上がりで食べていたが、これまた私には日本の街のパン屋さんの焼き菓子コーナーにさらっと置いてあるものといった印象であった。
 
バゲッドも然り。
初めて夫とスペインを訪れた時にパンを買いにパン屋に行った時の事を思い出す。
バゲッドを買いに行ったのだが、私が想像するバゲッドは売ってないなかった。
否、確かに”バゲッド”と書かれたパンはは売っているのである。
フランスに住んでいる今なら確信を持って断言できる、あれは”バゲッド”ではなく”バゲッドに似せたパン”である。
更に、最近気づいたのだがスペインのラムチョップ、フランスのものと結構違う。
日本にいた時はラムといえばジンギスカンのラム位でラムチョップを自宅で食べる機会自体がなかったが、ここフランスでは日常的に食べている、我が家は我ら夫婦が大好きなので週一の頻度で食卓に並ぶ。
スペインで最初に食べたのは義母の家であったが、義母に焼くのを任せたら干からびた乾燥肉の様な状態で出てききた。
当時長女を妊娠していた私は丁重に断った。
あれからスペインでラムを食べる機会は何度かあったが、ラムチョップを頼むとやはり義母の時程ではないにしろ、硬いし肉の厚みが薄い。
焼き加減の問題なのか、そもそもスペイン人のラムチョップの好みがこれなのか未だに不明である。
夫によれば、フランスの様なラムチョップだってあると言うのだが、それはいったい何処に行けば食べられるのだろうか。
 
とはいえ、スペインにだって素晴らしい食材は豊富にある。
スペインの生ハムを食べてしまえば、フランスのマルシェに売っている生ハムでは物足りない。
魚介などはもうフランスなど比べ物にならない程にスペインはバラエティも鮮度も素晴らしい、その辺にあるスーパーの魚コーナーでさえも。
レストランについては、私の街についていえば大して美味しいといえるレストランなどぱっと言えるお店が見当たらない、その点スペインはさらっと入った高速道路沿いの定食屋でもコストパフォーマンスが高いところが多い気がしている。
これも私個人の意見なのでところかわれば美味の観点も違うということなのだ。
とすると、本当にカップルにおける食の好みって大事だと思う。
因みに、我ら夫婦の食の好みは、前途で大事だと言っておきながら悲しい位に合っていない。
幸いなのは、10年という日本生活の中で夫も若干日本人寄りとなり、今では義母のは胃に重いと私の料理を選んでくれるというところだろうか。
 
今年のクリスマス、当初の予定では義母はパートナーのいるイギリスで過ごす予定だったが予定が変更し、スペインで過ごす可能性が出てきている。
ということは、またあの偏食メニューを食べるのだろうか。
いっその事、今年のクリスマスは私がホストに名乗りを挙げてオール和食にしてしまおうかと思っている夜更け時。