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ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

「ゆでがえる」

かえるを熱いお湯に入れると驚いて飛び跳ねます。当たり前のことですよね。

ところが、かえるを常温の水に入れ、徐々に熱していくとその水温に慣れていく。

そして熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い、飛び上がることができずにゆで上がってしまうというのです。

 

このゆで上がったかえるを笑うことはできますでしょうか?

 

「今までこれでやってこれたのだから、何とかなる」という危機意識の無さの例え話です。

 

ビジネスマンとして社会で活動する我々は、慣れた環境に浸りすぎて変化に気づかず、変化だと察知できた時点では遅すぎて手が打てなくなってしまうことがよくあります。

 

ビジネスのゆでがえるにはなりたくないものです。

流通チャネルをマネジメントしていくために、パワー関係の理解とコンフリクトの発生をいかにコントロールしていくかが大切です。

 

①チャネルパワー

チャネル管理においてチャネルリーダーの役割はとても重要になります。チャネルリーダーの役割・力関係が、チャネル全体の団結力に影響を及ぼすためです。

ちなみに、チャネルパワーとは、チャネルリーダーのチャネル内における統率力のことを言います。

・報酬パワー・・・チャネル構成員に報酬をもたらす能力

・制裁のパワー・・・チャネル構成員に制裁を加える能力

・正当性のパワー・・・チャネル構成員に指図・統制する当然の権利

・一体化のパワー・・・チャネル構成員の一員として有する魅力

・専門的知識のパワー・・・専門的知識力、情報力

 

②チャネルコンフリクト

チャネルメンバー間のトラブルなどによる衝突のことをチャネルコンフリクトと言います。チャネルコンフリクトが起こると、チャネル全体に影響を及ぼし、チャネル全体の機能に影響を与える可能性があります。

 

チャネルコンフリクトが生じる原因は、主に以下の通りです。

・ ゴールや認識の不一致

・ チャネルにおける活動及び、責任の範囲に関する意見の相違

・ 市場に対する認識の相違

チャネルコンフリクトを抑制する方法は主に 4 つあります。

・ 超組織戦略:第三者機関に制定を委ねる戦略です。

・ 相互浸透戦略:相互に人事交流を行う戦略です。

・ 対境戦略:対外折衝の外交官を置く戦略です。

・ 交渉戦略:交渉で解決する対処療法的戦略です。

人-環境適合(Person-Environment fit)理論があります。この理論は人間の行動は個人と環境の相互作用によって決定されるという K.レビンの人間観を基礎としたものです。

 

さまざまな環境を想定した派生モデルがありますが、仕事環境(職場)を想定したダウィスとロフキスト(Dawis & Lofquist)の職場適応理論(TWA:theory of working adjustment)があります。

職場適応理論は、仕事環境に対して人が満足する度合いと仕事環境内で人が要件を満たすレベルを予測するその人の特徴など、仕事環境への適応プロセスを主要な焦点としています。

 

人のニーズが仕事環境によって満たされれば人と環境は一致した状態で、一致していれば人は満足し、仕事環境の職務要件がその人によって満たされれば、人と環境が一致した状態となります。

個人の満足も不満も、環境との相互作用の中にあると考えます。

流通チャネルの分類方法は、チャネル段階の数(長さ)、流通業者の数(幅)、結合の3 つがあります。

 

① チャネル段階の数

・0段階チャネル・・・ダイレクト・マーケティング・チャネルとも呼ばれ、製造業者と消費者が直接取引を行う経路のことを言います。インターネットによる直販などのことです。

・1段階チャネル・・・製造業者と消費者の間に、消費財の場合は小売業者、生産財の場合は代理商など、1つの中間業者が存在する経路のことを言います。

・2段階チャネル・・・ 製造業者と消費者の間に、卸売業者と小売業者が存在している経路のことです。

・3段階チャネル・・・ 製造業者と消費者の間に、卸売業者2つと小売業者が存在している経路のことです。

 

② 流通業者の数

流通業者の数、すなわちチャネルの幅による分類のことで、開放的チャネル政策、選択的チャネル政策、専売的チャネル政策の3 つがあります。

 

③ 結合による分類

垂直的マーケティングシステムといわれるもので、企業システム、契約システム、管理システムの3つがあります。

・企業システム・・・資本的統合により、同一資本の下に製販の各段階が垂直統合されるシステムのことです。川下側に統合する前方垂直統合と川上に統合する後方垂直統合、両方に統合する混合垂直統合があります。

・契約システム・・・独立企業が契約により結びつくシステムで、フランチャイズチェーンなどのことです。

・管理システム・・・メンバーが自主性を保ちながら伝統的チャネルよりも強く結びつくシステムのことです。

ある目的に従って価格を調整するためには様々な方法があります。

 

①地域別価格設定

異なった地域の顧客に対する価格設定

 

②割引

・現金割引:支払いを早く行ってくれる買い手に対して行う価格割引

・数量割引:一度に大量購入する買い手に対して行う価格割引

・季節割引:季節外れの商品を購入する買い手に対する価格割引

・機能割引:流通チャネルに対し、それぞれが果たす特定の機能にしたがって行われる割引

 

③アローワンス

報奨のことで、小売業に対して、販売促進支援プログラムへ参加することへの報奨などのことです。

 

④プロモーショナル価格設定

一時的に価格を調整することをいう。スーパーなどの目玉商品などに代表されるロスリーダー価格、10 周年記念特別セールや在庫一掃セールなどの特別価格などが考えられます。

 

⑤差別的価格設定

顧客のタイプ、製品、立地などによって価格を調整するもので、同一製品やサービスに複数の価格が設定されます。携帯電話料金の学生割引による差別価格や時季による海外旅行代金などが考えられます。

 

⑥プロダクトミックス価格設定

個々の製品が、製品ミックスの中の一部であるとき、価格を調整することが考えられます。