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ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

組織を率いるときに、必ず「二律背反」な問題や「矛盾」を抱えたパラドキシカルな問題にぶつかるものです。

こちらを立てればあちらが立たず・・・、じゃあどうすればいいの?

 

こういうときに考えるとよい概念として「テンションをかける」という考え方があります。

どうせなら、前提を捨てて、両方とも思いっきりやれること考えてみよう!

みたいな考え方です。

 

このテンションをかけるマネジメントを行うと、結果として組織が自立的に動き出し、むしろ組織の目指すべき方向へ進んでいく傾向があるといわれています。

 

やはり、「組織は人なり」「人は感情と論理の動物」なのでしょうね。

 

最近よく言われる「両利き経営」の話とよく似た考え方かもしれませんね。

自分の選択は「間違いだ」と気づいていても、「正しいものであって欲しい」という思い込みのことを

 

「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」というそうです。

 

イギリス・フランス政府共同の超音速旅客機「コンコルド」開発計画の話からきています。

2003年に全機が退役となっているようです。

コンコルドの開発について、1960年代から開発が始まったようです。

 

実は、開発段階から既に赤字になる事がわかっていたそうなのです。

 

ところが開発が進んでいくうちに、投資額が巨額に上った為、もったいないと後に引けなくなりました。

撤退を考えることができなくなり、開発を前に進め続けるしか考えられなくなったそうです。

 

最終的に両国の国内航空会社向けに16機製造されたただけで、わずか7年で生産が終了となったそうです。

 

そうだったんだ。

 

当時かっこいいなと思っていたジェット機でした。

 

たとえば、値上がりを見込んで、ある会社の株を保有しているとしましょう。

 

ところが予想に反してその株はじりじりと値段を下げ続けています・・・。

しかし、損切りをする事ができず、塩漬け状態になってしまっている・・・。

 

途中でこうすることが正しいと分かっていても、既に支払ってしまった費用の事が頭の片隅にあり、その行動の軌道修正ができなかったり、やめる事ができなかったりする行動の習性ってありますよね。

選択肢はあればあるほどうれしいものと考えがちです。

 

しかしながら、豊富な選択肢は、むしろ判断しずらくなる」といわれています。

選択回避の理論です。



 

ショッピングモールで自転車を買おうとした際、

 

A:7種類の自転車を取り揃えている

B:20種類の自転車を取り揃えている

 

この場合、どちらの方が売り上げが良いと考えますか?

 

又、お客さんとしては、どちらのお店で買い物をした方が満足度の高い買い物ができると考えますか?

 

 

実験によれば、購入率はAの方が約10倍高く、買い物後の顧客の満足度もAの方が高かったそうです。

 

 

この理論が発表される前までは、サービスを提供する側としては、より多くの選択肢を用意し、お客さんによりマッチしたサービスを提供しようとする方が良い結果をもたらすのでは?と考えられてきました。

 

情報が多すぎると選びきれない。

必然的に購入する必要がない。

そのようなときの購買行動として、選択を回避する傾向があるのだということを理解するべきなのでしょう。

行動した事による後悔と、行動しなかった事による後悔はどちらが大きいのでしょうか?

 

洋服を買いに出かけたあなたは、とても好みの「限定品のジャケット」を見つけたとしましょう。

ところが、値札を見てみると「¥100000!!」

予算が¥50000だったので、このジャケットを購入しようかどうか。。。

 

A:数ヶ月先までの食費を半額に減らしてでもジャケットを買う
B:予算オーバーだから諦める

結局買わずに家に帰りました。

しかし、どうしても諦め切れなかったあなたはジャケットを買う事を決め、翌日ショップに出向きました。

既に売り切れてしまい、限定品である為に取り寄せも不可能でした。

 

この場合、「買う」「買わない」のどちらの行動も結局は後悔する選択なのですが、どちらの選択肢の方がより後悔の度合いが強いと思いますか?

 

これは、買い物の為に無理な金銭負担(金銭リスク)を生じさせてしまった事に対する後悔によるものなのですが、行動経済学では「損失回避性」で説明する事ができます。


もしAの場合、短期的には買い物をしたことを後悔します。

しかしながら、時が立つにつれ徐々に後悔の気持ちは薄れていきます。

一方でBの場合、買わない行動を選択した場合は、そうした気持ちの移り変わりは起こりません。

代わりに「買わなかった」という部分のみがフォーカスされてしまう為に、長期間にわたって後悔してしまう傾向があるのだそうです。

みなさんはどちらを選びますか?

 

A:社長が従業員に「この給料の2割を毎月貯金しなさい」と言いました。

→従業員は「それは無理です」と答えました。

B:社長が従業員に「この給料の8割で生活してみなさい」と言いました。

→すると、従業員は「やってみます」と答えました。

 

あなたは病気にかかってしまい、治療の為には手術を受けなければなりません。

そのとき、医者から以下の2通りの説明を受けました。

「この手術は死亡率が10%です。 」
「この手術は生存率が90%です。 」

結局言っている事は一緒なのですが、なぜか2つの説明から受ける印象は違ってきます。

 

フレーミング理論とは、「物事のどの部分を基準とするか、数字データなどの見せ方を変える事で、その物事に対する判断を大きく変えてしまう」という考え方です。

 

こんな事例はどうでしょう。

 

「不良品率が10%から5%になった」
「不良品率が50%減になった」
これも同じ事を言っていますが、これら2つから感じ取れる印象はまったく異なります。

 

 

よく、上場企業の決算報告やプレゼンテーションの上手な方の常とう手段として、こういう手法は使われます。

「リスクやネガティブ」ワードは小さく、「ベネフィットやポジティブ」ワードは大きくがフレーミングのコツです。