ミクロ経済学では市場の分析に「一般均衡」と「部分均衡」という二つの考え方があります。
一般均衡は、経済全体の「すべての市場」が「同時に」バランスを取る状態を考える方法です。
価格が変わると他の市場にも連鎖的な影響が及ぶことを重視し、全体が一体となって均衡する点を探ります。
例えば、原油価格が上昇すると、ガソリンや輸送コストが上がり、食品や衣料の価格にも波及するような相互関係を扱います。この理論はレオン・ワルラス(Léon Walras)が数学的に体系化したといわれています。
一方で、部分均衡は「特定の市場」だけを切り出して分析します。
他の市場の価格や条件は変わらないと仮定し、需要と供給の交点から価格と取引量を決定します。
例えば、パンの価格が上がればパンの需要が減る、というような単純な関係を考えるのが典型例です。
この実用的な枠組みを整えたのがアルフレッド・マーシャル(Alfred Marshall)です。
一般均衡は経済全体のつながりを理解するのに有効ですが複雑で抽象的です。
部分均衡はシンプルで現実の企業分析や政策立案に使いやすい一方、他市場の影響を無視しているという限界があります。
現実経済では市場はもっと複雑です。
ですから、分析目的に応じて一般均衡と部分均衡を使い分けるのが賢いアプローチだと思います。