市場の結果が社会的に望ましいかを評価するのが「厚生経済学」です。
単に価格や数量、利益を分析するだけでなく、経済活動が人々の幸福(厚生)をどれだけ高めているか、資源の配分が効率的か、公平かを考えます。
ヴィルフレド・パレートは、ある資源配分が「誰かをより良くしても他の誰も悪くしない」なら効率的(パレート効率)であると定義しました。
しかし現実には「外部性」や「情報の非対称性」が存在します。
外部性とは、取引の外にいる第三者に影響が及ぶことをいいます。
また、情報の非対称性とは、取引当事者の一方だけが有利な情報を持つことと考えるとわかりやすいです。
環境問題:CO₂排出は排出者のみならず第三者に悪影響を与えます。そのために、炭素税や排出権取引を導入することで厚生性を高めないといけません。
補助、保険制度:医療・教育を市場任せにしてしまうと競争の原理ですべての人々が幸せになることが難しくなります。そこで、公的補助や保険制度が必要となります。
独占規制:独占は市場を支配してしまうので価格を高止まりさせてしまい、消費者が払いたい額を上回ってしまうようなことが起きてしまいます。そのために公正取引委員会による独占禁止法の運用が必要不可欠になるのです。
厚生経済学は「効率と公平のバランス」を考える学問であり、環境、福祉、独占規制など現代社会の重要課題を理解するカギとなります。