サラス・サラスバシー(2001)は、複数の起業家を対象とした研究から、従来の「目標を設定して逆算する因果的アプローチ」とは異なる思考法を発見しました。
「エフェクチュエーション(effectuation)」です。
①Bird-in-Hand(手中の鳥)=今ある資源や人脈から始める
②Affordable Loss=大きなリターンを追うより許容可能な損失の範囲で挑戦する
③Crazy Quilt=多様なパートナーと関係を築く
④Lemonade=偶然や失敗を柔軟に活かす
⑤Pilot-in-the-Plane=未来は自ら創造できると考える。
これら5原則に集約されると考えました。
「限られた資源から始め、協力を得て拡張する」実例として、
BASEは「ネットショップを誰でも簡単に作れる」サービスを提供し、最初は小規模な個人商店を対象に開始しましたが、その顧客基盤を広げながら市場を開拓しました。
freeeも初期段階では会計士コミュニティを中心に協力関係を築き、製品改善と顧客開発を同時に進めました。
エフェクチュエーションの重要性は、予測不可能な世界において「綿密に計画を立てる」ことよりも「行動と学習の反復」が成果を生むという点にあるのだと考えます。
特に、リスク回避志向が強い社会においては、「小さな失敗を積み重ねながら未来を切り開く」思考法として活用可能です。
Sarasvathy, S. D. (2001). Causation and Effectuation: Toward a Theoretical Shift from Economic Inevitability to Entrepreneurial Contingency. Academy of Management Review, 26(2), 243–263.