オーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペーター(1934)は、経済発展の本質を「創造的破壊(creative destruction)」に見出しました。
経済は単なる資本蓄積では発展せず、起業家が“新結合”を通じて市場に新しい秩序を生み出すことで非連続的に進化します。
新結合には、「新製品、新生産方式、新市場、新資源、新組織」の5類型があります。
シュンペーターの理論の示唆は、イノベーションの本質は「技術の優位性」そのものではなく、「異なる要素の新しい組み合わせ」にあるという点です。
freeeは中小企業の会計業務をクラウド化し、従来のパッケージ型ソフトウェアを無意味なものにしてしまいました。
ラクスルは印刷・物流業界に「シェア」という考え方を導入し、業界の稼働性と透明性を高めました。
メルカリは、スマートフォンと匿名配送を組み合わせることでC2C市場を大衆化し、消費者行動そのものを変えてしまいました。
シュンペーターの考えるイノベーションの本質は「技術の優位性」ではなく、「異なる要素の新しい組み合わせ」にあるという点です。
こうした取り組みは産業構造に大きな波及効果をもたらし、時に旧来の企業の淘汰を伴います。
今日、生成AIやカーボンニュートラルといった新しい潮流にも既存産業を一掃する可能性を秘めています。
Schumpeter, J. A. (1934). The Theory of Economic Development: An Inquiry into Profits, Capital, Credit, Interest, and the Business Cycle. Harvard University Press.(塩野谷 祐一, 東畑 精一, 中山 伊知郎訳(1977)『経済発展の理論』岩波書店)