エドガー・シャイン (Edgar Schein)は、MITスローン経営大学院で教授を務め、組織文化モデルについての研究を行いました。
シャインは、企業の成功や失敗に組織文化が大きく関与することに気づき、そのメカニズムを解明しようと試みました。
当時、組織内の文化や価値観が経営戦略とどのように関連するのかについては十分に理解されていませんでしたが、シャインは組織文化を深層から研究し、それが経営管理の重要な要素であることを明らかにしました。
シャインの組織文化モデルでは、組織文化は3つのレベルに分かれているとされています。
第一層は「人工物」で、ロゴ、スローガン、物理的な環境など、目に見えるものを指します。
第二層は「価値観」で、企業の行動や意思決定に影響を与える信念や理念です。
第三層は「基本的な仮定」と呼ばれる最も深いレベルで、無意識に根付いた価値観や信念が組織文化の根底にあります。
シャインによれば、この第三層こそが、組織の行動を長期的に規定する要素であり、文化が醸成される背景にはこの基本的な仮定が強く関与しているとされます。
組織文化モデルは、組織の現状を理解するために各層の要素を分析するアプローチを提供し、組織開発や変革を行う上で重要な視点を与えています。