組織文化を分析する競合価値モデル | ソリューションのおぼえがき

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ミシガン大学のキムS.キャメロン(Kim S. Cameron)教授とロバート・E・クイン(Robert E. Quinn)教授の競合価値モデルは、組織の文化を分析し、組織の競争力を高めるための枠組みです。モデルは、組織文化を4つのタイプに分類し、それぞれの文化タイプが組織の競争力にどのような影響を与えるかを示しています。

 

「階層型文化(Hierarchy Culture)」: 組織内の秩序、規律、効率性に重点を置く文化です。組織は堅固な階層構造を持ち、指示命令系統が明確であり、権威と規則に基づいた意思決定が行われます。安定性と安全性が重視される一方で、革新やリスクを取ることには消極的です。

 

「市場志向文化(Market Culture)」: 競争と成果に重点を置く文化です。組織は競争環境において優位性を持つために、外部の市場情報や顧客のニーズに敏感であり、結果に重点を置いたパフォーマンスを追求します。目標達成と成功への意識が高く、競争力を維持・向上させるためにリーダーシップとチームワークが重要視されます。

 

「一体型文化(Clan Culture)」: 組織内の連帯感と協力を重視する文化です。組織は家族的な雰囲気を持ち、共有の価値観や信念に基づいて行動します。従業員は協力的で、相互サポートと関係構築を重視します。組織内のコミュニケーションや共同作業が盛んであり、長期的な成果と従業員の幸福を重視します。

 

「創造型文化(Adhocracy Culture)」:イノベーションと柔軟性に焦点を当てる文化です。組織はリスクを取り、変化に対応する能力を持ちます。個人の創造性とチームの協力を重視し、新しいアイデアや実験を奨励します。組織内のヒエラルキーや規則は緩やかで、柔軟な意思決定と迅速な行動が求められます。

 

これらの文化タイプは、組織の競争力に異なる影響を与えます。

たとえば、階層型文化は効率性や秩序を重視するため、安定的な業績を維持することに適しています。市場志向文化は競争力や顧客満足度を追求するため、競争激化する市場で成功する可能性が高くなります。一体型文化は従業員の関与と結束を促進します。創造型文化はイノベーションと柔軟性を醸成します。

 

組織はこれらの文化タイプの組み合わせを持つこともあります。例えば、組織は市場志向文化と一体型文化の要素を組み合わせることで、競争力と従業員の幸福感を両立させることができます。

 

Cameron&Quinnの競合価値モデルは、組織の文化を分析し、組織の強みと課題を明確にするためのよく使われる枠組みです。組織は自身の文化を理解し、必要に応じて適切な文化の変革や強化を行うことで、競争力を向上させることができます。