モチベーションに影響を与える要素としてよく取り上げられる概念にエンパワーメント(権限を委譲すること)があります。本来、管理者が持っている権限をメンバーと共有したり、メンバーに与えたりすることを意味しています。
例えば、メンバー自身による目標設定であるとか、意思決定への参加だけではなく、共有された経営理念や組織ビジョンを判断の基準として、社員が自主的に顧客サービスを提供できる権限の一部をメンバーに与える環境が社員のモチベーションと業績に関係しています。
従って、最近では、エンパワーメントの概念として、「人間のモチベートされた状態」「自己重要感を感じている状態」を意味するようになって来ています。
そして、ある業績とモチベーションの関係を調査したところ、マネジャーからメンバーへの権限委譲というものが、他の経営要因に比べ、成長性や収益性、モラールに与える影響が大きいということが明らかになったそうです。
ただし、単に社員に権限委譲をしただけでは、企業業績は高まりません。促進要因(イネーブラー)として不可欠なのが、
・トップが社員に対してビジョンという大枠を示した上で、その枠組みの中で社員に権限を与え、自由に行動させていくこと。
・マネジャー-メンバー間の情報の共有化がすすめられていること。
モチベーションを発揮させるための最大の要素が「コミュニケーション」だと言うことです。