事業の撤退基準を持つこと | ソリューションのおぼえがき

ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、現状の事業・組織・個人と向き合って、
ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

「見切り千両」とは、江戸時代に米沢藩を財政危機から立て直した上杉鷹山が残した言葉です。

 

事業撤退の遅れが原因で急速に会社が衰退する例は数多にありますので、見切り千両の言葉通り、事業撤退はとても価値のある決断になります。

 

見切りの決断を正しく下すには「採算」と「タイミング」の二つの基準が重要になります。

 

「採算」とは、儲けの有無のことですが、新商品や新規事業の収支を独立採算で管理することで明らかになります。採算が合っていれば問題ありませんが、採算割れの場合は、事業撤退の決断を検討しておく必要があります。

 

また、事業を正しく見切るには、事業撤退することで被る損害が最小限に済むタイミングを如何にして掴むかが重要になります。

「回収期間」と「損失額」を注視することも必要です。

 

回収期間とは、投資した費用の回収期間のことですが、大型投資は例外として、できれば1年以内、最低2年以内に投じたコストが回収できない事業は撤退を検討するようにします。

 

損失額とは、新商品や新規事業を展開することで被る損失の累積のことですが、会社の本業に支障が出る金額、或いは、当初の予算で計画した金額を超える事業は撤退を検討するようにします。

 

何れにしろ、事業をタイミングよく見切る判断基準を持つことが、大きな失敗を回避する正しい決断に繋がります。

 

万が一、損失が限界に達したら、一旦止めて、再出発すればよいだけのことです。