卸売業の機能には大きく4つの機能があります。
①調達・販売機能:メーカーから商品を調達し、メーカーに代わって販路を開拓して小売業者に販売する役割で、卸売業の基本機能です。
最近では、消費者が求めている、消費者の視点から見て売れる商品を探し出して小売業者に紹介するといった「川下」発想がより重視されています。
②物流機能:メーカーから大量に仕入れた商品を保管し、包装加工、仕分けをして小売業者へ配送する機能です。共同配送や多頻度小口配送など、効率と鮮度管理を重視する「川下」からの要請が強まっています。
③金融・危険負担機能:商品が消費者に購入される前の段階でメーカーに代金を支払い、メーカーが次の生産のために投資できるようにする金融機能と、最終的に商品が売れずに代金が回収できなかった場合の危険負担をする機能です。
④情報提供機能:メーカーに対しては、どのような商品がどのくらい売れているかなど新製品開発や生産調整に役立つ情報を提供します。
一方、小売業者に対しては、売れ筋の商品や新製品の情報を提供したり、店舗経営のためのアドバイスをする、いわゆるリテールサポートの機能を果たします。
この機能は、これからの卸売業者に最も期待されている機能といえます。
岐路に立つ卸売業
インターネットの普及や、メーカーと消費者との直接取引の増加により、結果として「中抜き」といわれる、卸売業者を通さない取引が増加しています。
卸売業は不要だとする「問屋不要論」が再燃する中で、今後は④情報提供機能の強化を軸にした、新たな卸売業の役割構築が求められています。