「分化 vs統合」
これは、「組織マネジメント」におけるリーダーの葛藤です。
組織が大きくなってくると、業務効率を高めるために、リーダーは一定のグループや個人の役割の専門分化を進める必要性が増してきます。分化を進めることはすごく大切なことですが、分化が進めば進むほど、組織全体の意識統合の弱体化に直面します。組織全体の共通意識や価値観がバラバラでは、いずれ組織は崩壊してしまうからです。
そこで、リーダーは適切な分化を進めつつ、組織全体の一体感を強めていく努力をしなければなりません。
例えば、メンバーの人数が5人という小さな組織であれば、分化のレベルが小さいため、組織の統合は「5人で月に1度飲みに行く」という程度ですみます。
しかし、組織の人数が増えれば増えるほど分化も進みます。今、私自身、当時100名以上のメンバーを統合する必要がありました。そのために、5人の組織のリーダーより大きなメッセージを発し、時には敢えておおげさとも取れる方法で説明する必要がありました。そうしなければ、100名以上のメンバーを束ねることはできません。
つまり、リーダーは組織の分化を進めたら、同時に、その組織全体を統合できるような“統合力”を身に付けなければならないのです。分化を進めると組織は多様性を帯びてきますが、それを大きく束ねられるように、リーダー自身が自分の「リーダシップの器を大きくしていく」という覚悟を持つことが大切です。