R.ハウスのパス・ゴール理論とは「業績目標やメンバーのやる気や満足感(ゴール)を達成するために、リーダーがメンバーの欲求を理解し、その欲求と組織の目標を関連づけ、リーダーが指示や指導などの道筋(パス)を示し、行動する必要がある」という考え方です。(1971)
リーダーは、目標(ゴール)達成へ影響を与える要因として
(1) 仕事は定型業務か非定型業務かなどの環境要因
(2) メンバーの個性や能力、やる気などの個人要因
という2つの要因を理解する必要があります。
この「要因」にあわせた行動をリーダーがとることができたなら、メンバーのモチベーションが高まり、行動につながり、仕事の成果や本人の満足感が得られるといいます。では、具体的に、要因に合わせたリーダーの行動スタイルを整理してみましょう。
(1) 指示型リーダーシップ・・・報酬につながる成果と行動内容を明確に示す。
(環境要因は非定型業務で時間的余裕なしの状況。個人要因は能力が不十分で当事者意識が低い状況。)
(2) 支援型リーダーシップ・・・なぜこの仕事が重要なのか、そして達成することの喜びを教えてあげたり、部下が仕事に飽きないよう、明るく楽しく仕事ができる環境にしてあげる行動をとる。
(環境要因は定型業務であきやすい状況。個人要因は能力はあるが、報酬の魅力やモチベーションが低い状況。)
(3) 参加型リーダーシップ・・・目標や方法の意思決定に参加させる。
(環境要因は非定型・定型業務に関係なく、時間的に余裕がある状況。個人要因は能力が十分あり、ある程度当事者意識が高い状況。)
(4) 達成志向型リーダーシップ・・・高い成果を目標として掲げ、相手への期待感や貢献度を伝える。
(環境要因は非定型業務で難易度が高い状況。個人要因は能力は高く、当事者意識や自己実現欲求も高い状況。)
業務の内容や個性の違いにより効果的なリーダーの行動は違ってくるということを、日々の中で試行錯誤しながらリーダーシップ能力を高めていきたいものです。