ジョン・ヘーゲル氏とマーク・シンガー氏は、アンバンドル・コーポレーションという考え方を主張しました。
ビジネスには、顧客ビジネス、製品ビジネス、インフラビジネスの3つの異なるタイプがあると言っています。
「アンバンドル企業」のコンセプトには、根本的に顧客ビジネス、製品ビジネス、インフラビジネスがあります。この3つのビジネスは、経済的にも、競争という面からも、そして文化的にも異なっています。
異なるビジネスを一つの会社の中で共存させることはできるのですが、トレードオフが避けられません。
そこで、「異なる法人」として分社化することが理想だと考えます。
顧客ビジネスは、顧客の獲得や関係づくりを行うことです。
製品ビジネスでは、魅力的な新商品やサービスの開発を行うことです。
インフラビジネスは、大量のルーチン作業をこなすプラットフォームの構築と維持が基本です。
要するに、これらはお互いに異なる要素が働いています。
まず、製品イノベーションについて、経済的な面では、初期の市場参入によってプレミアム価格と大きな市場シェアを獲得できるが、スピード感がないとすぐに後発企業の追い上げにあってしまいます。また競争の面では低い参入障壁と多くの小規模プレイヤーが繁栄します。そのため、優秀な従業員を獲得し、創造的なスター社員を優遇する文化が生まれてきます。
次に、カスタマーリレーションシップマネジメントは、顧客獲得コストが高いため、大口の顧客を獲得することが課題となってきます。そのため、多角化による経済性が重要なカギを握ります。業界特性としては、多角化競争、急激な合併、大手企業による寡占型がリーダーとして業界を支配するため、高いサービス志向と顧客第一主義の企業姿勢が求められます。
最後に、インフラ管理がメインの企業では、高い固定費がさけられません。そのために、単価を引き下げるために、規模の経済性が中心課題となってきます。こうした業界も少数の大手企業が支配していますが、規模間の競争は激しく、合従連衡は起こり得ることです。文化面ではコスト志向、標準化、予測、効率化などの特徴があります。