まず、ヒトはなぜやる気がうせるのか
①「目標が見えていない」
やる気を出したくても、どこに向かっているかがわからなければ、やる気は出ません。
②「目標が高すぎる」
挑戦する前から「こんなのムリだ」「絶対に達成できない」と諦めてしまいます。そしてレベル感はヒトによりけりで定量化が難しいものです。
③自己イメージが低い
あまりに劣等感が大きい場合、やる気が最初から損なわれてしまっています。「どうせ、頑張ったって・・・認めてもらえない」みたいなケースです。
そこでやる気を創出させるための方法として、2つの動機づけの方向性があります。
①「外発的動機づけ」
人の外部からの誘因で動機づけすることで、短期的には効果があると言われていますが、物理的な限界があるともいわれています。
たとえば、ビジネスの現場でいうと、給与アップなど金銭的なご褒美、昇進や花形部署への異動、福利厚生制度などがこれに当たります。
②「内発的動機づけ」(これが効きます!)
自分で決めた意味でやる気を自然に出すことで、物理的な限界はありませんし、自分で目標を定めるため、達成感や成長の実感が得やすいです。
たとえば、「自分はこの職場に求められている人材である」とか「今の仕事は確かに辛いが、この経験が次に生かせるはずだ」など、現在の職場、仕事の意味を自分で決めることがこれに当たります。
意味づけの重要性
「いつもうまくいっている人」は、例外なく意味づけが上手なものです。
自分が置かれている状況が変わるたびに、新しい意味を見出し、やる気が自然に湧いてくる状況をつくることができています。
私のいた会社は、この意味づけをうまく会社のシステムとして盛り込んでいましたので、とてもしっくりきます。
まず、残業をいとわなく仕事をするメンバーが普通にゴロゴロいました。→自分の仕事であるという意識が強かった。お金だけで働くのではなく、自分の責任や意味があって働いている意識が高かった。
取り組みについて、会社側が評価するイベントを各所に盛り込んでいた。→取り組むことによって、認められる。また成長ができる。など有用感が得られる。
マネジャーもただ頑張れというのではなく、頑張った先にはこんな未来が待っている的なアプローチが多く、うまく乗っていける流れができていた。→クラブのようなノリで頑張ることができるシステムだった。
「意に沿わない部署に異動した途端、すっかりやる気をなくしてしまった。」「成績が悪いからと言ったって、給与を下げないでもいいじゃない。」
そんな経験がある人は、外発的動機づけに頼りすぎていたのかもしれません。
また、「与えられている目標の意味が金銭に結びつかない」「どうせやったって、誰も認めてくれない」
など仕事の意味づけをあえて行わないメンバーもいるでしょう。
やる気のなさそうな部下に、マネジャーが「もっと頑張れ!」と発破をかける場面をよく見かけます。
しかし、この言葉がメンバーのやる気を引き出すために有効な方法とはいえません。
一度、各メンバーに「この会社で存在している意味」について考えもらうことも必要なのかもしれません。