企業価値の最大化を実現するためのアプローチは、「金融部分を最適化すること」および「事業価値を最大化すること」の2つに大きく分類されます。
まず、金融部分の最適化を行う手法としては、「不要投融資の処分」と「資本構成の最適化」の2つがあります。
不要投融資の処分とは、バブル時に購入した株券、不動産、ゴルフ会員権などのリスクに見合ったリターンを生み出していない投融資を処分し、創出したキャッシュを他に活用することを指します。
資本構成の最適化とは、負債比率の最適化、投資の回収期間と負債の返済期間のマッチングを行うことで、企業の資本構成をあるべき範囲に設定することを指します。
次に、事業価値を増大させる手法としては、「事業ポートフォリオの最適化」と「事業運営の効率化」の2つがあります。
事業ポートフォリオの最適化とは、自社の経営環境や経営戦略を踏まえた評価軸に基づき自社事業を評価し、経営資源を集中させる事業や撤退する事業を決定することを指します。
事業運営の効率化とは、アウトソーシング、セール・アンド・リースバック、BPR、SCM、CRM等を実施して生産性を向上させることを指します。
経営者やCFOは、自社の企業価値・事業価値を把握した上で、これらのアプローチから具体的な施策を立案し、実行することで、より企業価値・事業価値を高めることが求められるわけです。