HBR 「戦略実行力の本質」G.L.ネイルソン、K.L.マーティン、E.パワーズ著より
オンライン調査によると、「自社の戦略実行力は低い」と評価する社員が全体の6割に上ると言われている。彼らによると、戦略実行力は、「意思決定権」「情報活用」「動機づけ」「組織構造」の4要素が、その優劣と持続性のカギを握るそうだ。
まず定義として、戦略実行力とは「戦略上及び業務上の重要な意思決定が、迅速に行動に移される力」
戦略実行力に不可欠な要素は
①情報活用
②意思決定権
③動機付け
④組織構造
実は、この中で①と②が最重要なのだそうだ。
今までは③や④、特に④の組織構造の変革については戦略実行を行ううえで非常に重要だと考えられていました。
調査では、実際の効果は短期的であり、長期的には効果は薄いと結論付けていることに注意したいです。
次に、戦略実行力を強化すると考えられる組織特性は
「だれもが自分の責任となる意思決定と行動についてしっかりとした考え方を持っている」
「競争環境にまつわる重要情報が迅速に本社に伝えられる」
「いったん下された意思決定について蒸し返されることはない」
・・・となっており、注目すべき点として「ラインマネージャーが担当事業の主要な業績評価指標を測定する上で必要な数値を入手できる」といった、現場レベルでの重要情報の活用がポイントとなっています。
要するに、戦略を実行する上で、情報活用、意思決定権が行えていれば
おのずと組織構造、動機付けが行えるのかもしれません。
■戦略実行力の寄与度
1位 情報活用 54%
2位 意思決定権 50%
3位 動機付け 26%
4位 組織構造 25%