ビジョンを作る大切さ | ソリューションのおぼえがき

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正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

多くの業界において、高度成長の時代は終わりを告げました。
総じて市場は成熟市場となってしまったからだと考えられます。
成熟市場とは、端的にいえば、「代替可能なありふれた商品で満ち溢れた市場」を意味しています。確かに、この10年間でもモバイル端末やインターネット環境の超高速化、スマホの誕生・普及など、画期的な製品が数多く登場しています。
しかし、それらが画期的である期間はますます短くなり、すぐに横並びの製品やサービスが各社から発売され、価格競争に陥り、ありふれた商品になってしまう現状があります。

そうした市場では、ことさら、自分たちがいかなる価値を市場や顧客に提供するのか、自分たちの存在価値は何なのかという自問自答が必要になってきます。

よい商品を持っていればお客様が買ってくれるという時代はもう終わっているのかもしれません。
その商品や会社ならではの価値というものを、いかにソフトやハード、サービスに織り込んでいくのかが問われている時代です。

そうした「価値観」がブランドとしてさらに成長していくのかもしれません。

価値とは「顧客にとっての価値」のことで、ブランドもまた企業自身だけが定めるものではない時代です。ブランドは、あくまでも顧客がつくり出し、育む時代になってきています。

G.ハメル氏とC.K.プラハラード氏は
「成功して躍進している会社を見てみると、自分たちはこうしたいという思い、意図が明らかに存在する」
「戦略的に設定した意図以上に企業は成長し得ない」

そして、撤退企業の研究で常に発見できる点として、
「理由のいかんにかかわらず、その経営者たちに経営計画や既存の資源の範囲を超えた目標、つまり大胆な目標へ挑戦しようとする意欲がなかったことだ」と指摘しています。

ここでいう意図のことを「ビジョン」のことであるといえるでしょう。
ビジョンは、戦略的に作りこまれたものがよいという主張です。

その後、J.C.コリンズ氏とJ.I.ポラス氏は
「長期的に成長し、誰からも尊敬されるような企業は、『包括的に未来に向かって、1つのビジョンを堅持し、自らの意志を強く出す』ことが重要だ」と主張しました。

日本企業は、ビジョンを策定するのが苦手と言われています。
あくまでも、計画の積み上げにより、会社経営が成り立つとの前提からそうなるのでしょう。

しかし、ビジョンを作ることは重要です。
ビジョンは、組織のアイデンティティ、すなわち存在価値であり、羅針盤であるといえるのでしょう。
昔のように、社長が進むべき道をこの指とまれ方式で決めていた時代と違い、進むべき道を納得の上で定まったときに、従業員を含め組織の推進力は倍化します。私もそういう事例をいくつか見てきました。

だからこそ経営者は、ビジョン策定に時間を割く時間を作りたいものです。