逆境で人を見抜く | ソリューションのおぼえがき

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ここに、自己評価が高い2つのタイプの人がいたとしましょう。2人とも現場の責任者で優秀と目されてきた2人です。

普段では、この2人の違いはよくわかりません。
しかし、あるとき現場が大ピンチ!さてどうする?

一方は逆境に敢然と向い、失敗を失敗を恐れず、突き進んでいきました。しかし、打つ手打つ手が失敗の連続。
もう一方は、逆境に対して、後方から現場を叱咤激励しているものの、成果が現れなければ、途端に現場批判と上層部への言い訳を始めました。

結果、敢然と立ち向かった現場責任者が逆境を乗り越えられずに終わりました。
一方で、なんと後方から叱咤激励をしていた現場責任者には逆風が吹き、逆境を乗り越えてしまいました。

強運とみるか、失敗覚悟をしたものの失敗は失敗とみるのか・・・

ちなみに、2人とも自己評価の高いタイプです。ただし、安定性を見てみると。

A:高く安定
自己評価が安定していると、まわりの状況や出来事によってその自己評価の高さが変わることはほとんどありません。
したがって、このタイプの人々は自分のイメージを高めたり守ったりするのに、無駄な時間やエネルギーを使うことはありません。
たとえば、いろいろな専門分野の人々が集まって共同作業をすることになった時、まず最初にその作業の方針を決める会議が開かれたとしましょう。そしてまた、その会議の席上で自分の専門分野の活動についてほかの人々に説明し、作業を効率的に進めるためにはどうすればよいか意見を言うように求められたとしましょう。
そういった時、このタイプの人は自分の意見を堂々と述べ、仮に反対意見があったとしても、注意深く話を聞いて、穏やかに説得しようとする傾向があります。
その反対に、相手を攻撃して、やりこめるようなことはありません。

B:高く不安定
一方で、このタイプの人々の自己評価は高いけれども傷つきやすいと考えます。
日常生活のなかでも、人と競争をしたり、不利な状況に置かれたりすると、その自己評価は著しく下がってしまう傾向があります。
そういったことから、このタイプの人々は失敗や批判に反応してしまいます。
少しでも失敗したり、人から批判を受けたりすると、自分が全面的に否定されたような気持ちになってしまうのでしょう。
また、自分に対してどこかしら不安を感じているので、自分の優れた点や過去の成功について、いつでも誰かに言っていないと気持ちが落ち着かないこともあります。
例えば、自己紹介の時に自分の業績を長々と自慢をしたりする人に見受けられます。
また、会議などの席上で、自分の言ったことを反対されると、それまで自信たっぷりだったのが嘘のように落ち着かなくなり、突然怒りをあらわにして相手を攻撃し始めたりします。
そうして、徹底的にやりこめてしまうこともあります。


タイプをどうやって見抜くよいのでしょうか?
私はこの2タイプの違いは、「逆境」でわかるとみています。

自己評価が高く安定している人は少々のことでは動じません。状況が自分にとって有利であろうと不利であろうと、それには関係なくいつでも高い自己評価を保っていることができるでしょう。
一方で、自己評価が高く不安定な人は状況に左右されやすい傾向がありそうです。物事が思いどおりに運ばなかったり、あるいはほんの少し人から批判されただけでも、たちまち自信をなくしたり、攻撃されたように感じるわけですから。


物事がうまくいっている時には、この2つのタイプはほとんど見分けがつきません。何かに失敗したり、人から批判を受けたりなど逆境に立たされた時に、初めてそのちがいが表れるのだと思います。
私は、強運も大事ですが、やはりAタイプの方が好きです。ビジネス上失敗はつきものですから。。。
彼なら、どのようなときも、火中の栗を拾いに行ける優秀な人材となることでしょう。