外部からリーダーを採用する際には、まずベースとして即戦力となり得る業界での経験や実績、および戦略、戦術策定能力と実行力などのコンセプチュアルスキルを見られます。
それとともに自分の考えをきちんと伝えられる能力や相手の意見や思いを受け取る能力、決断力やスピード感などのヒューマンスキルも必要とされます。
では、外部リーダーが速やかに成果を出すための重要なポイントとは何でしょうか?
私の実感として最も重要なポイントは、既存の組織の人たちや企業カルチャーとのフィット感だと考えています。そうでなければ既存の組織に受け入れられず、結局はじき出されてしまう可能性もあります。
もちろん、現状に何らかの問題点があるからこそ、外部からリーダーを採用、抜擢するので、その組織の「今」だけで判断するのではなく、その組織のあるべき姿そして進むべき「未来」の組織とのフィット感が大事です。
特に組織変革を求められるリーダーの場合には、全員ではないにしても社内で本当に変わりたいと心から願っているキーマンやリーダー、そして現場の人たちからの支持を得られなければ真の変革を成し遂げることはできません。
組織を変えていくためには、組織に深く入り込み、その組織や商品、サービスの強みを再定義して、みんなが共感できる未来を描き、進むべき方向性を示し、周りの人たちを巻き込んでいくことで成果を出すことができます。
組織はたった一人では変えることはできません。
ただし、熱き志を持った本物のリーダーが組織に加わることで閉塞感が破られ、様子見の社員の人たちの意識が変わり、やる気が芽生えます。
「当事者意識」を持って各自が仕事に取り組み、それぞれがシナジーを出せるような仕組みを作ることができれば、大きな波が湧き上がり、奇跡は起こります。
外部のリーダーは財務的な出血を抑えることはできたり、組織に刺激を与える起爆剤にはなれても、事業自体が活性化しない限り本当の意味での事業再生にはならないでしょう。
そういう意味で、実際に組織を変えていけるのは既存の社員たちです。
その中で適切なリーダーを抜擢し、ポジションを与え、彼らの後ろ盾となりきちんとサポートすることによって変革は成し遂げられます。
従って、外からリーダーを採用する際には、本当にその組織カルチャーの中で活躍できる人物なのか?をしっかり見極める必要があります。
また逆にいえば、そういう人を採用することで結果として短期間で成果を出しやすいともいえます。
急がば回れ。成果を出すために時間を味方につけられるか?