江副浩正氏による マネジャーに贈る20章 | ソリューションのおぼえがき

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先日、リクルート創業者の江副浩正氏がお亡くなりになりました。




私自身、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉を実現するために、


まだまだなところ自己実現のために自分なりにもがいている途中です。




リクルートにいらっしゃった方々でこの言葉を大事にしている方の多いこと多いこと。。。




言葉にすることがとても上手な方だなと思うことしかりです。




江副氏がリクルート社25周年の記念誌に掲載された、「マネジャーに贈る20章」です。


私も昔先輩に見せていただき、コピーをもっておりました。




マネジメントの才能は、幸いにも音楽や絵画とは違って、生まれながらのものではない。


経営の才は、後天的に習得するものである。それも99%意欲と努力の産物である。


その証拠に、10代の優れた音楽家はいても、20代の優れた経営者はいない。




マネジャーに要求される仕事には、際限がない。


より高い効果を上げるマネジャーは、要求されている様々な仕事のうち、一番大事なことから手がける。仕事を受付順に勧めるような人は、優れたマネジャーとは言えない。


目の前にある仕事の中で、一番大切なものは何かをいつも考えていなければならない。




社内にしか人間関係を持たないマネジャーがいる。


こういう人が会社を動かそうとするようでは、会社はいずれ滅んでゆく。


会社もまた、社会の一組織体であるから、社外の人々と良い関係を保つことが不可欠である。




"上の方で決まったこと"をそのままメンバーに事務的に伝えるマネジャーは、メンバーからの信頼と支持は得られない。


経営の方針や義務のルールは、マネジャー自身がまず自らのものとしなければならない。


そのためには、疑問などがあれば十分解決しておくこと。


その上で、自らの方針、考え方を交えて、メンバーに向かうことが大切である。




メンバーをよく理解しようとすることもマネジャーにとって大切なことである。


それよりもっと大切なことは、マネジャー自身の方針、考え方、人格までもメンバーに理解させることである。


マネジャーとメンバーとのよい人間関係は、深い相互理解から生まれる。




優れたマネジャーは、人に協力を求める時、"彼との個人的な親しさ"によってではなく、"仕事を良いものにするためには誰に頼むのがベストであるか"という観点からこれを行う。誰とでも一緒に仕事ができるようにならなければならない。




マネジメントに携わる人は、2つ以上のことを同時に進められる人でなければならない。


ひとつの仕事に熱中している時は、他の仕事に手がつかない、といったタイプの人はスペシャリスト向きで、マネジャーには向かない。




「1000人分のパーティの招待者宛名を書き上げ、発送するのに、ひとりでやれば10日は必要。


10人でやれば何日かかるか?」。


算数では答えは1日だが、経営の現場では10人でやっても10日かかることもある。


人が増える時には、手順を変えるなり、仕事のしくみを変えてゆく必要がある。




会議の目的がわからなくて、会議の能率を下げる人がいる。


この会議を何のために開いているのか、自分の役割は何か、どのように勧めれば会議が効率的になるか、マネジャーはこれらのことをよく把握する必要がある。


会議の効率を上げる人と、下げる人では、マネジメントにおいて大きな開きがある。




マネジャーの任務は高い業績を上げることにある。


そのために、メンバーを動かす権限が与えられている。


仕事を離れたところでマネジャーが権限を行使することは許されない。




経営者が数字に弱ければ、会社は潰れる。


仕事への熱意は十分あっても、数字に弱い人は優れたマネジャーとは言えない。




マネジャーには、コンピュータという有能な部下を使いこなす能力が必要である。


コンピュータを駆使して仕事を効率的にすすめるためには、コンピュータに関する知識・技能を自らのものとし、同時に日常的に自分自身の手で動かしていなければならない。


コンピュータを使えない人は、いずれマネジメントの一員にとどまれなくなる。




与えられた時間は、誰にとっても同じだ。


人が大きな成果をあげるか否かは、その人がいかに時間を有効に使うかにかかっている。


経営者は、効果的な時間の遣い方を知っていなければならない。




「政治家には嘘が許されるが、経営者には嘘は許されない」とは水野重雄氏の言葉である。


経済活動はお互いの信頼関係が基盤となっている。


1度不渡りを出した経営者が再起することはまれである。


言葉や数字に真実味が感じられないマネジャーは、周囲から信頼を得られない。




自分のメンバーを管理するにはさして苦労はしないが、上長にはどのように対処すればよいのか、と苦労する管理者が多い。


しかし、この問題は自ら積極的に働きかけることで解決して欲しい。


相互理解を深めること。


そして上長の強みはそれを活かし、弱みはカバーしてゆくことによって仕事はなめらかにすすんでゆく。




"忙しすぎて考えるための時間がない""マネジャーはもっと思索に時間を割くべきである"と主張する人がいる。


しかし、仕事と思索を分けて考えることは、あまり意味がない。


なぜなら、仕事を前に進めるアイディアや活力の源泉は仕事そのものの中にあるからである。




業績と成長は不可分であって、高い業績なくしてマネジャーの成長はありえない。


マネジャー自身の高いモチベーションが業績を生み、成長を実現するのである。




"もっと期限が先ならば""もっと人がいれば""もっと予算がおおければ・・・いい仕事ができるのに"と嘆くマネジャーもいる。


マネジメントとは、限られたヒト・モノ・カネ・そしてタイムをやりくりし、それぞれの最大活用を図ることである。


経営の成果は常に、それに投入された経営資源(ヒト・モノ・カネ・タイムなど)の量との関係で計らねばならない。




我社は永遠の発展を願っているが、それは後継者たちの力のいかんにかかっている。


後継者の育成も、マネジャーの大切な仕事である。


自分が脅威を感じるほどの部下を持つマネジャーは幸せである。




仕事の上では、"したいこと""できること""なすべきこと"の3つのうち、どれを優先さあせて行動すべきであろうか。


"できること"から手をつけるのは堅実なやり方ではあるが、それのみでは大きな発展ははかれない。


"したいこと"ばかりでも問題だ。


将来のため、メンバーに今何をすべきかを見出させ、それが例え苦手なこと、難しいことであっても挑戦的に取り組んでゆく風土をつくることがマネジャーには求められている。






いろいろと経営理論や実体験をもとに整理したことなのでしょうが、今復唱してみても、大きな力をくれる言葉ばかりです。




本当にお疲れ様でした。。。