ボムグラスは、グラスの中ほどが砂時計のように絞られていて、おもにコカレロを楽しむときに使います。
 
最初にコカコーラやオレンジジュースなどの割ものをグラスの下半分に注ぎます。
 
次にコカレロばどのアルコールを注ぐと、比重が軽いアルコールは下の割ものとは混ざらずに上の部分にたまります。
 
割ものとコカレロが上下に分かれるので、見ためがとてもきれいです。
 




この日は、コカレロだけではなく、テキーラも登場させて4杯ほど飲みました。
 
少しずつ飲むのではなく、一気にグラスを空にするように飲むので、気分が上がります。
 
パーティ用や、たき火を前にしたキャンプが似合いそうな飲み方です。


ドミトリ・キタエンコ指揮ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団(ノルウェー)による1991年の録音です。


ラヴェルの指定した17分に近い17分11秒で、ゆったりとした演奏です。


録音が良く、出だしの小太鼓から存在感たっぷりで始まります。


ソロはどの楽器も余裕を感じさせる滑らかな音で、ベルゲン・フィルハーモニーの音に興味を持ちました。


コントラバスが加わると音に厚みが出てきますが全ての楽器がしっかりと聞こえてきます。


ABのメロディの切り替わり部分でリズム楽器が音量を上げると、それに続くメロディが明確に音量を上げて行く様子は、キタエンコの指揮の巧さを感じます。


ティンパニが加わり、ヴァイオリンがメロディを奏でる辺りからは、クライマックスの感動に耐えられるかどうか心配になるくらいの音量になってきます。


17分と言う「ボレロ」としては遅い方に入るテンポで丁寧に演奏しながらこれだけ興奮させることが出来るキタエンコの演奏は、作曲家ラヴェルが設計したこの曲の意図を最も良く表しているかもしれません。


このアルバムの1曲目として収録されているデュカスの「魔法使いの弟子」から最後の「禿山の一夜」(ムソルグスキー)まで、ベルゲン・フィルの上手さと録音の良さもあり、かなり楽しめるアルバムです。





 

メンゲルベルク指揮、コンセルトヘボウ管弦楽団の「ボレロ」は1930年の録音で、「ボレロ」が作曲されたのは1928年ですから、当時としては話題性があるホットな録音だったのだろうと想像できます。

 

ただ、まだSP録音の時代です。

 

当然ですが、ラヴェルの狙った最弱音から最強音に変化していく様子は聴き取れません。

 

また、SP盤は片面4分から5分くらいの録音時間なので、SPでボレロを聴くには、1枚目の表→裏、2枚目の表→裏とレコード盤をひっくり返していかなければなりません。

 

このCDの原盤はSP盤のようで、保管状態の関係か、途中からノイズの音が大きく変わってきます。

 

またピッチの変化もあり、これは盤の状態と再生装置の問題のようです。

 

聴き始めてみると、出だしの弱音からチェロのピチカートが大きく目立ち、リズムの要であるはずのスネアドラムだけではなく、メロディーを担当するフルートの音量も小さく、チェロの1拍目と3拍目を強調するリズムが耳に残ります。

 

コントラバスが加わると、さらに低音が目立ちますが、途中からスネアドラムの音が主張し始めるので、スネアドラムの音量変化はメンゲルベルクの指示かもしれません。

 

特にオーボエダモーレからのベース音楽が大きく表に出てきます。

 

低音の質感はゴリゴリとしていて、トスカニーニの録音を思わせます。

 

ヘッドホンで聴くと、ソプラニーノサクソフォンのソロは、途中からソプラノサクソフォンに切り替わっているように聴こえます。

 

これが本来なのですが、最近はソプラニーノサクソフォン1本で済ませてしまう演奏が多いようです。

 

演奏時間はラヴェル指定の約17分よりだいぶ早い14分8秒です。

 

ラベルはトスカニーニの演奏(残されている録音では14分14秒)を聴いて、それでは速すぎると怒ったそうですが、メンゲルベルクもラヴェルの指定時間を無視していることが面白いところです。

 

全体的には、イチ、ニイ、サン、イチ、ニイ、サンと刻むような活き活きとしたヴァイオリン、空気を切り裂くようなトランペットなど、だいぶ体育会系の演奏に聴こえますが、会場で聴くことができたら熱狂できる演奏だと思います。

 

この時代の指揮者は個性が強くて面白いです。