サマセット・モーム

『人間の絆』 より抜粋

 

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「じゃ、なぜ本など読むんだ?」

 

「一つには、楽しみのため、つまり習慣だからさ。

だが、もう一つは、自分を知るためでもある。

 

僕にとって、ある意味をもったような一節、

いや、おそらくは、ほんの一句だろうね、それにぶっつかる。

これは、いわば僕の血肉になるのだ。

 

僕は、書物の中から、僕の役に立つものだけを、抜き取る。

 

人間ってものは、閉じた蕾みたいなもんなんだねえ。

読んだり、したりすることで、それがどうなる、というようなことは、全然ない。

 

ただ時に、その人にとって、ある特別な意味をもっているようなものがある。

それが、花弁を開かせるのだ。

 

一つずつ、花弁が開いてゆく、

そして、ついに花が咲くのだ。」

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なぜ、本を読むのか?

 

確かに、楽しみのため、というのはある。

 

しかし、それ以上のものがある。

 

「あぁ、そうそう・・!」とヒザを打つ。

 

コチラがうまく言葉にできないことを

表現してくれている、言い表してくれているとき

本当に、心から、嬉しくなる。

 

そして、それらの言葉を収集して、

密かに閉まっておく。

 

そういう言葉のコレクションをするのが、楽しいのだ。

 

 

--- y.

 

 

 

 

 

 

 

 

サマセット・モーム

『人間の絆』 より抜粋

 

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真理などというものが、はじめから存在しないのだ。


してみると、大事なjことは、

まず自分は何者だということを、知ることであり、

それさえわかれば、思想関係などは、

ひとりで出来上がってくるのだ。


フィリップにとっては発見すべきものが、3つあるように思えた。

第一は、彼と、彼が生きている世界との関係、

第二は、彼と、彼がその中に生活している人々との関係、

第三は、彼の、彼自身に対する関係、

この3つだった。
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師匠は、言った。

「事実は正しい。

 真実は人の数だけあり、正しいとは言えない」 と。

 

 

真実は人の数だけあり、

つまり、それは真理だとすると

 

真理を追い求めるよりも、

自分は何者なのか、を探ったほうがよっぽど有意義だ。

 

つまり、自己探求。

自分を掘る。

 

 

 

--- y.

 

 

 

 

サマセット・モーム

『人間の絆』 より抜粋

 

 

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とにかく自分自身で、行為の法則を見出すのだ、

そう思うと、彼は、一切の美徳と悪徳、善悪に関する

一切既成の法則を、破り捨ててしまった。

 

根拠あるらしく見えるものも、明らかに、

多くは、ただ単に、小さい子供の時から、

そう教えられている故に、そう見えるのにすぎないのだ。

 

本は、かなり読んだ、だが、なにの役にも立たなかった。

というのは、それらはすべて、キリスト教道徳に基づいて、

書かれた本ばかりだったからだ。
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善悪とは、なにか。

誰が決めるのか。

 

自分を偽って、既成概念に沿って生きて

何になる。

 

陰陽は、極まれば、太極となり、無極に至る。

 

 

 

 

--- y.