10年くらい前、取り憑かれたようにジッポーを改造してました。
中古のジッポーをオクなどで買い漁っては次々と改造してたんですけど当時はまだブログを始める前のこと。なので今回は発掘してきた画像を集めて記事にしとこうってワケです。

これは最近作った1933レプリカ ケンドールメダル貼り付け。作ったって言っても丸いメダルをエポキシ接着剤で貼り付けただけ〜
ジッポーの改造・カスタムというと、文字や模様彫ったり メダル貼ったり 開閉音のチューニング あとはオイルタンクを替えたりなどありますが、自分がやってたのは切った貼ったしてジッポー自体のカタチやサイズを変えちゃう改造。作業としてはちょっと模型工作に通ずる感じ。
ちなみに、このジッポーいじりが転じて模型出モドラーになったのだ。
まぁでも、ジッポーにキョーミない人からすると訳ワカンナイというか、そもそも何で改造するのかさえ理解不能ですよねw
そういう意味ではかなりアングラでディープな内容ですけど、とりあえず改造ジッポーを貼ってきますのでお好きな人はご覧ください^^
■レプリカ改造ジッポー■

画像のジッポーは1932レプリカの改造品。ピンときた人はジッポーマニア^^
背景に写っているのはマニア必携の書「ジッポーハンドブック2001」の1ページ。
そこに載っている「レプリカ改造ジッポー」を自作再現してます。
ジッポーハンドブックに載っているこの改造ジッポー、日本におけるジッポーの無償修理を一手に引き受けているジッポー・サービス・ジャパンの修理職人の方が趣味で作った改造品。
今は分かりませんが、ジッポー・サービス・ジャパンと言っても昔はたった1人で日本全国から集まるジッポーライターの修理を行っていたんですよね。なので修理に出して戻ってくるまで2〜3ヶ月かかるなんてことはザラにあったのです。
まぁそれはともかく。
この改造ジッポーは何をしているかというと、、、
1932レプリカをスクエア・サイズにカットしてダイヤゴナル・ライン加工のツートン・フィニッシュ
にしているんですよ。
はぁ〜? ちょっとナニ言ってるか分かんない
って方、この後もず〜っとこんな調子なのでご注意くださいw
どういうことなのか、、、知りたい方がいましたら続きをどうぞ。

後ろに並んでいる背の高いのがジッポー最初期モデルを再現した「1932レプリカ」という市販モデル。1988年から約5年間のみ販売していたモデルです。

1932オリジナルレプリカ = 通称 32レプリカ。1988年発売。
このようにちょっと豪華なケースに収められて発売されました。
ジッポーライター最初期モデルの「ファースト・ジッポー」は今のジッポーより6ミリ背が高く、プレスではなく角チューブで作られているので角張っています。それをかなり忠実に再現した今風に言えばリブートモデル、それが1932レプリカ。
一方、ジッポー最初期の背の高いファースト・ジッポーは数年後に今のサイズとほぼ同じ背の高さにモデルチェンジします。
その背の低くなったジッポーは「セカンド・モデル」と呼ばれます。後にプレス機によって製造され丸みを帯びた「ラウンド・モデル」と呼ばれることになるジッポーと区別する呼称として「スクエア・モデル」とも呼ばれます。
冒頭のレプリカ改造ジッポーは背の高い32レプリカを短く改造してスクエア・モデルを再現したもの。

中古の1932レプリカを分解してライター下側=ボトム・ケースを6ミリカット。
ケースのカットは電ドリにルーター用の薄っぺらい切断砥石を付けてビニテをガイドにフリーハンドでカットしてます。
黒いパーツはインサイド・ユニットの高さ調整のための上げ底パーツ。これを取り除きます。
で、再度組み立てれば改造完了。

ヒンジはハンダ付けです。練りハンダをパーツに塗ってバーナーで炙ります。
気付いた方もいるかもしれませんが、本来なら全バラにしなくても底面だけを切り離してボトムケース短縮後に再接合っていう方法もありますね。確かにその方が簡単で早いです。が、ヒンジなど他の個体から程度の良いパーツを寄せ集めて移植したいので敢えてバラしました。
いずれにせよケースを短くしてフツーのジッポーと同じ高さになりました。
初期の角ばったジッポーではこのサイズをスクエア・サイズと呼びますね。

コーナーの2本の斜めライン、これがダイヤゴナル・ラインと呼ばれるジッポーでは超定番の装飾。
それを表と裏の4ヶ所で計8本、刀型のヤスリで刻み込んで再現してます。

ダイヤゴナル・ラインに沿ってコーナー部分の表面のメッキを削り下地のブラスを露出させます。
コーナー部分だけをポリッシュしたり色を変えたり、それがツートン・フィニッシュと呼ばれるジッポーの定番フィニッシュ。
ちなみに、ジッポーの外装ケースの材質は特に断りが無い場合は全てブラス=真鍮製です。
たまにその銀色ヘアラインの見た目から素材がステンレスだと勘違いしてるケースをネットでも見かけますがそれは完全に誤解です。ステンレス製の外装ケースはジッポー史上発売されてません。銀色なのは真鍮の表面にクロームメッキなどが施されているからです。
ステンレス製なのは中身のインサイド・ユニット。現行モデルでは磁石に付く比較的安価なステンレスを使ってます。
ちなみに、インサイド・ユニットに使われるステンレスも鉄の合金なので「スチール製」と言っても完全に間違いではないんですが、歴代モデルの一部にはステンレスではない生の鉄製ジッポーやインサイド・ユニットも存在するのでステンレスと鉄(アイアン)は言い分けた方が話がややこしくならずに済みます。

程度の良いヒンジに換えたのでリッドが垂直に立ちます。
ちなみに、こんな改造しちゃうと壊れたりしてもジッポー社の無償修理はトーゼン受けられませんね。まぁ自分で作ったんだから自分で直しますけど。
それと、ジッポー警察からも良い顔をされませんw
■1932レプリカ スクエア4バレル・カスタム■

1932レプリカ・セカンドリリースをスクエア・サイズにカット、ダイヤゴナル・ライン加工、クロームメッキを剥がしたソリッドブラス。
一番最初に切った貼ったしたジッポーがコイツです。いろいろと試行錯誤しながらこの状態にたどり着きました。
ところで、
私がジッポーを改造する目的、というか方向性を一言で言うと、
ヴィンテージ・ジッポーの再現
です。
本物のオールド・モデルは数万円から中には数百万円の値が付くモデルもあります。それらを現行モデルを改造して可能な限り再現し、気軽に普段使いしながらその雰囲気を楽しもうというのが趣旨なんですよ。
ジッポーライターの現行ラインナップは素材の違いを除けばスタンダードなレギュラーモデルとスリムモデル、それ以外は数種類のレプリカモデル。
何のレプリカかといえば全てジッポー歴代モデルのレプリカ。既に絶版のモデルを含めるとレプリカだけで5種類あります。
1932レプリカを筆頭に、1933、1935、1937、1941レプリカの5種類。
ジッポー社の創業は1932年。その最初の十数年間にライターのカタチが何回か大きく変わってるのです。それら各年代のモデルをモチーフにカタチを近づけて現代に蘇らせたのがレプリカモデル。
アメ車のマスタングとかカマロみたいな、今風に言うとリブートモデルみたいな。現代のエンジニアリングで当時の香りを楽しむ、みたいな。
でもあくまでもモチーフとしてのレプリカなので再現度が低いんですよ。
その再現度を上げてやろうというのが改造する動機。

これは1932レプリカ・セカンド・リリースをベースにカスタム。

上下を一旦切り離して本体を短くカットして再接着。

4バレル・ヒンジは自作パーツ。
ヒンジの分割数にも変遷があるのです。

クロームメッキを全てはがしてソリッドブラスに。
最初の改造ジッポーなので仕上げの荒さはご愛敬w

インサイド・ユニットは41レプリカ用7ホール。
スクエア内ヒンジ4バレル 7ホール・インサイド。
言うなれば、1937レプリカ・リアルタイプ。
1937年頃のジッポーはこんなカタチだったのですよ。
それをかなりそれっぽく再現しましたよ、ってコトです。

ホイール・ステイは半円形加工、フリント・ホイールはパチモンジッポーによく使われている水平歯風ホイールがジャストフィット。中空リベットは市販のハトメを流用してます。
■1935レプリカ ツートン・フィニッシュ・カスタム■

プレーン(無地)モデルをダイヤゴナル・ライン加工し、コーナー以外をヘアライン加工。
ラインはビニールテープをガイドにして刀型鉄ヤスリでゴリゴリ削ってます。
すると下地のブラスが露出するのでゴールドのラインになるんです。

インサイド・ユニットは半円形ホイールステイ加工、水平歯風ホイールに換装。
これはヴィンテージ風改造のお約束メニュー。
■1937レプリカ 4バレル・カスタム■

41レプリカ用4バレル・ヒンジに換装。
37年型ジッポーのヒンジは本来4バレルなのでそれを再現。
バレルってのはヒンジのチューブ状になって組み合わさってる部分。その分割数が4つだから4バレル。3つなら3バレル。
現行ジッポーは5バレル。1950年代に5バレルになり、そこから現在に至ります。

インサイド・ユニットは先のツートン・フィニッシュと同じく半円形ホイールステイ加工、水平歯風ホイールに換装。
■1941レプリカ 3バレル・カスタム■

真鍮製の自作3バレル。
先の37レプリカ4バレルはこの41レプリカのヒンジを外して流用してます。
ので、自作ヒンジで補てんしてるのです。

インサイド・ユニットは半円形ホイールステイ加工、水平歯風ホイールに換装。
1940年代までのジッポーはホイールを保持するステイが半円形なのですよ。
これによってリッドを開けた時のシルエットがグッとそれっぽく見えるんです。
■1941レプリカ 3バレル ダイヤゴナルライン MFPメタリケ■

3バレル・ヒンジ自作。ヤスリでダイヤゴナルライン加工

メタリケっていうのは薄い金属板から切り出した文字や模様を貼り付けて着色するジッポーでは古くからある定番の装飾。ユーザーの名前の頭文字などを貼り付けるのがポピュラー。
ジッポー社では古くからメタリケによる名入れの注文を受け付けていました。
それをニッケル板を切り出して再現してみたのがコレ。

カッターでチマチマと切り出したニッケル板を貼り付けてからエナメルのブルーで着色してます。
■プロトタイプ・ジッポー ツインボトム■

ジッポーの黎明期には様々なプロトタイプのジッポーが試作され、その現物や写真が数多く残ってます。
その中でも最も有名で印象的なモデルのひとつがツインボトム。
1930年代、当時のジッポー2個をつなぎ合わせてオイル容量を2倍にしようというもの。
そのプロトタイプを1935レプリカを2個つないで再現。

当然デカくて重く携帯にも向かないので商品化はされませんでしたが、ジッポーの改造ネタとしてはこの上なく面白いので作ってみました。
インサイド・ユニットもハンダ付けでニコイチです。
■1932レプリカ スクエア・サイズ■

一番最初に載せたレプリカ改造ジッポーと同じく、ジッポーのケースをカットして短くしてます。
要はフツーのジッポーとほぼ同じサイズ、32レプリカは背が高いので短くして使い勝手を良くしようというもの。

インサイド・ユニットはイジらずにツルシのまま。

ヒンジは自作3バレル。
■1935レプリカ 4バレル ダイヤゴナルライン■

ラインは元々入ってるモデルなのでコーナー部分をヤスリがけしてシルバーとゴールドのツートン・フィニッシュ。

ヒンジは自作の4バレル外ヒンジ。
先程から出てくる自作ヒンジ、以下▼のように作ってます。
元はホームセンターでゴロゴロ売ってる蝶番。
その中からジッポーに使えそうな適度なサイズを見繕い、それをカットして出来上がり。
「ジッポー用 改造パーツ」なんてどこにも売ってませんが、使えるパーツはどこにでも売ってます。
■1933レプリカ スクエア・サイズ■

1933レプリカをスクエアにカット。外ヒンジ自作。
■1932レプリカ ボトムズアップ■

ジッポーでは大昔から行われている定番の改造が2個のジッポーを使って刻印のあるボトムケース同士をつなぎ合わせる改造。それをボトムズ・アップと言い、後に本家ジッポーからも商品化されます。
スタンダードなモデルを使って改造するのがポピュラーなんですが、それをレプリカでやってみた、ということです。
1932レプリカ・セカンドリリースの場合は上と下のプレートが接着剤で付いているので、上側のプレートを剥がしたところに別の個体から剥がしてきたボトムプレートを貼り付けるだけで完成です。
ただ、1932レプリカは中古でも安くはないので、コレ1個を作るのに2個分のコストがかかりますw
■1941レプリカ クラックル風塗装■

41レプをWW-IIモデル風に改造。
ボトムを船底に叩き出し。逆にリッド上部は叩いてやや平らに。
クラックル風塗装は黒いラッカーに鉄道模型で使う粒々パウダーを混ぜた粉体塗装。ヒンジは自作3バレル。
インサイドは半円形ステイ、チムニー1ミリカット、パチモン水平歯ホイール、打ち抜きカム風に削り込み、酸性薬品によるユーズド加工、など。
この他にもたくさん作っていてまだ半分もアップしてませんが、やってることは大して変わらないし気が済んだのでこの辺で終わりにしときます。
◆ オススメ本 ◆
▲ 豊富なカラー写真と共にジッポーライターの変遷や歴史を追っていく構成はジッポーの教科書として最適な1冊。
1992年発行なので、それ以降に更新されたジッポーの年代鑑定に関する事実にごく一部古い情報があるが、そこは最新のネット情報で容易に補填できる。
◆ レプリカ ZIPPO 各種 ◆
▲ジッポー社創業初期のスクエア3バレル外ヒンジ、通称セカンドモデルを再現したレプリカ。3バレルの外ヒンジや角ばったスタイルが特徴。
このモデルだけの専用インサイドユニットが装填されているのも満足感が高い。
▲1980年代から販売されている定番モデル。ジッポー初期のスクエアモデルを再現したレプリカ。
ジッポーのモデル変遷の時系列としては1935レプリカで再現されている外側に付けられたヒンジが内側ヒンジに変更された時期のモデル再現という位置づけ。1937レプリカまたはヴィンテージシリーズとも呼ばれる。
▲丸みを帯びているのは1938年頃からプレス機で製造されるようになった通称ラウンドモデルを再現しているため。
WW-II終了の1945年頃までは基本的にこのタイプだが、その間細かい仕様変更が何回かありインサイドユニット含め1941年頃の特徴をかなり再現している。
▲1933年に発売された最初期のジッポーである通称ファーストモデルをかなり忠実に再現したレプリカ。
1935レプリカでは再現された「本当の」外ヒンジだが、1932レプリカでは見せかけのプレートを貼り付けた「ダミーの」外ヒンジとなっている。
「1932レプリカ」となっているのはジッポーの創業年である1932年を初期モデル発売年と永らく誤解していたためで、その事実が発覚した1995年に「1933レプリカ」に改められた。
▲ジッポーの値段はピンキリだけど、インサイドユニットは性能的には全く同じで違いは無い。レギュラータイプのインサイドユニットはスリムタイプを除く全てのジッポーライターに共通して使用可能。
ただし、1935レプリカと1941レプリカはそれぞれ専用インサイドユニットなので若干形状が異なるが性能は同じ。